表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虹と翼と  作者: 零式章
2-2 緑龍 リョク 銀龍 シロガネ
24/52

到着 新クエストと合流と鉄拳制裁

「まぁ、あくまで可能性だがな?」

「僕達がこんなすぐに考えつく事なんだから絶対あるよ、どんな形かはわからないけども」

「クロガネみたいにドラゴンが覚えた事を人間にも覚えさせる強制同調の機能もあるだろう」


ボーっと外を見ていたコウが口を挟む。心当たりでもあったのだろうか。

クロガネを交えて話を聞くと、元々神に使われていた時代、いきなり性格が変わる使い手が何人かいたらしい。それはまさに二重人格かのように急激に切り替わり、動きがより鋭くなっていたと。

四人で頭を捻ってみたが結局対抗策も浮かばずに思考を断念。


「……推測だけで語ってもどうもならないし、この話はここで終わりにしよう?」

「そうだな、ところでお三方。コレから行く先でもう一つクエストやってみないか?」

「「「お祭中にクエスト(じゃと)?」」」


三人揃って首を傾げるリアクションに、満足気な顔で一枚の紙を差し出すアリア。

ツバサが受け取って内容を読み上げる。


町食いハンニバル

ランクS

報償:50000G

詳細:魔界の町を襲い全てを飲み込んでいくといわれる巨大な何か。正体を突き止めた方に報酬。


「正体がわかれば良いのじゃな?」

「あぁ、依頼者はそれで問題ないらしい。そこの少年が突き止めただけで止まるかはともかく、な」


軽く笑ってアリアはツバサを指さした。ツバサも自分の性格が分かっているのか苦笑を返す。


「突き止めたら倒すしかないよねぇ」

「コイツは普段空飛んでるらしい。急に降りてきて町を襲うらしいから、こういう祭を警備するのが一番なんだとさ」

「わしらは空にいる標的には無力な接近戦型じゃぞ?役に立てるとは思えんのじゃが」


そこは大丈夫だ、と手をヒラヒラさせて続ける。


「俺とシロガネで片がつくさ。倒すだけなら」

「シロガネは銃器型じゃしの、強力な魔法を使う主とも相性がよかろう。で、倒すだけとはなんじゃ」

「そんな巨大なものを落としたら町が大変なことになるから僕達に残骸を防げって事でしょ」

「そういうことだ、撃ち漏らしが出るだろうからその残骸から町を守って欲しい」

「撃ち漏らしなら良いが、丸ごと撃ち落したら流石に知らんぞ?俺の障壁は物理方面特化じゃないし」

「その時は諦めて逃げるぞ、正体は突き止めてるから問題ないし」


にやっと笑ってサムズアップするアリア。ツバサが頭を抱えてしまうがドラゴン二人も賛成だった。

無理な時は潔く諦めるのも生きるコツである。……ツバサが諦めなければ手伝ってしまうのが自分達だろうけれど。

話が一段落した所で馬車が動きを止める、どうやらついたようだ。さて、迷子のドラゴンを捜さないと。



「ちょろい」

「もう一度言う、けど、やりすぎ」

「しんでない 病院送り とめた。約束 守ったよ?」


死屍累々の中心に立ってリョクを抱きしめるシロガネ、撫でれといわんばかりの笑顔はどちらが上かわからないものだった。

きっと尻尾が出てれば千切れないか心配なほど振っていたに違いない、諦めたようにリョクは姉の頭を撫でる。

ご機嫌で抱きついてくる姉をよそに改めて周囲を見渡し、足の踏み場が無さそうだと溜息をついた。

この姉は気絶した男達を平気で踏んでいきそうだから頭が痛い。


「さっそく問題起こしてるし……コウ、大当たり」

「な、いったろ?あのブラコンならリョクが絡まれたら騒ぎを起こすって」

「隠密に長けてたはずなんだがなぁ、弟一つでこうも変わるのか」

「仲がよすぎるのも問題じゃのう」


あ、助け舟(or執行人)が来た。4人は平気で倒れてる人間を踏んづけ……てない。

ドーム状に障壁をはってその上を歩いているようだ。

リョクが事情を説明し、周囲の男達を牢屋に連行して今度こそ祭会場へ行く事になった。

もちろん勝手に先に行った二人がツバサに拳骨をもらったのは言うまでも無い。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ