報酬お預け中 移住と護衛とランクアップ
ギルドへの帰り道、ツバサ達は生存者達の馬車を護衛していた。
とは言っても道すがら野党どもを薙ぎ倒しながらやってきたツバサ達なので先導ぐらいしかやることが無いのだが。
4人は見張りを兼ねて縛り上げた盗賊を積んだ馬車に(御者席にクロガネとツバサ、幌の上にリョクを抱えたコウが)のっている。
先ほどまでリョクが騙されていた事にようやく気づいて必死にツバサ達に謝っていたのだが、その目に怯えがあったのは気のせいだと思いたい。
「主等、次はどうするのじゃ?」
「僕は、一人でもお姉ちゃん、探す」
「僕達と一緒に来ない?コウがアジトで裏の商人捕まえて他のドラゴンの情報が手に入ったんだってさ」
「銀髪で銀の瞳、更に人形のように小柄、更に銀龍……シロガネ以外にいないだろ」
「僕には、手がかりない、たとえそれがガセでも、お言葉に甘える」
「じゃあそれで決まりかの」
「なんにしてもまずはギルドでクエスト終了させなきゃね」
そんな話をした日から馬車を進ませること数日、生存者の移住も無事に済んだ。
そして傭兵ギルドにて盗賊団の生き残りを引き渡し、Aランクにランクアップした3人。
リョクはギルドカードを持っていなかったが今回の協力者という事でAランクのギルドカードを作成してもらった。
のだが……問題はその後にやってきて
「もう一回確認させてもらうな……『報酬が多過ぎて払えないから直接魔王に貰いにいけ』……と?」
「は、ははははい!さ、さすがに、こ、ここまで生け捕りにするとは思って、な、なかったようで!!」
「コウ、怯えとるのじゃ。わしと代われ。主、すまぬな、やつめ少し気が立っておるようじゃ」
「い、いえいえ……報酬が用意できなかったこちらのミスですので」
「コウ、いこ。魔王のとこ、お姉ちゃん、いるんでしょ?」
「どうせ行く事になるんだし良いじゃない、ね、リョク」
「ね、ツバサ」
すこしくらい休みたかったコウとしてはまた長旅になる事にイライラしていたのだが、ツバサがいく以上身内に対して心配性な彼がここに残る事はありえないのであった。
溜息をついて眺めたツバサと、彼に抱きついて撫でられるリョクは、コウの目には本当の兄弟のように映った。と、背後からの衝撃によろめく。
「っと。いきなりなんだクロガネ」
「そう不貞腐れるでない。魔王が多少豪華な馬車を寄越すそうじゃ。今日はここでゆっくりできるじゃろ」
「たまには二人で何処かに出かけたかったんだがなぁ」
「魔王の都で行けばよい。ツバサとリョクもシロガネに預けてゆっくり、の?」
「……あーはいはい、わかったわかった」
「分かればよいのじゃ」
クロガネがコウの頬に口付けて優しく微笑む。コウが真っ赤になって口を開こうとしたが突然の怒声に遮られた。
「なんだこのガキどもは、ここはガキの場所じゃねぇんだよ!目障りだ、さっさと帰れ!!」




