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虹と翼と  作者: 零式章
2-1 黒龍 クロガネ
13/52

二人旅始めました 生存とチートとドラゴン

強い光を感じて眼をあけると俺は浜辺に打ち上げられていた。


「知らない天井だー……天井じゃねぇけど。」


よく分からない所で目が覚めたら一度は言ってみるもんだ。とふざけてないで、ツバサを捜さないと

お互いに人じゃないとはいえ、いつまでも塩水に浸かっているのは身体に悪い。

幸いにもツバサは少し離れたところに打ち上げられていた。

息はある……外傷も特に……ない。軽く揺するとすぐに目を覚ました。


「知らない天井だ……って地獄にも青空があるんだね」

「まだいきてるっつの」

「じゃあ生き地獄か」

「地獄で確定するな!?」


まだボーっとしてるツバサにでこピン。


「あいたっってならなんでコウは人間の姿のさ」

「あぁ、別にドラゴン状態で殺されても(マント)が壊れなきゃ復活するんだよ」

「……一瞬でも焦った僕の立場は?」

「はっはっは気にするな。しかしあの爆発でも壊れ(しな)なかったとは改めて人間やめてるな俺達」

「コウは元々無機物じゃない。僕は何も出来なかったからコウがなにかしたんじゃないの?」

「そんな能力持ってたっけなぁ?」


ポケットから薄っぺらい本を取り出してページを捲る。

表紙には「取扱説明書」と古めかしい字で書かれていた


「ちょっとまてコウーーーーー!!そんなのがあるなら最初から出しとけっ!?」

「唐突に叫んでどうしたツバサ、俺達(ドラゴン)だって結局は道具なんだ。使い方が分からないと意味無いだろう?」

「それはそうだけど……まぁいいや、で何かそれらしいものはあったの?」

「コレかな、プルーフ系列の魔法でヒート、ウインドのプルーフ」

「ぷるーふ?系列?」


ツバサが小首を傾げて悩みだしたので追加で説明を加える。


「『龍の涙、天使の涙、空の涙』っていうのが回復、~の涙ってところから涙系列とか言われてるんだ。

そういう攻撃、回復、特殊を細かく分けてから同じ様な魔法を纏めたものを系列っていってる。

で、プルーフは特殊で『味方に与えられる~~属性の攻撃を一回防ぐ』って魔法。

だから、ヒートとウィンドのプルーフで爆風を防いでたんじゃないか、と俺は思うのだよワ●ソン君。」

「誰がワト●ン君!?確かに竜巻の魔法と、とどめの時の火の魔法は使えたからあってもおかしくは無いけど…チート性能過ぎない?」

「ジャイアントって生物自体、人間にとってはチートだろ。それに俺様神様の武器だからちょっとくらいチートしても許されるって♪」

「なんだろう、何年も一緒にいて初めてコウが嫌な奴に見えたよ」


てへって感じに笑いかけてみた。ツバサが絶対零度の視線を向けてきたから咳払いして仕切り直す。


「まぁ実際生半可な頑丈さじゃ神様同士の戦いでは役立たずだからな。多分他のドラゴンも天災級のチートがついてるはずだぜ?

俺はコレでも防御主体のチートだからな」

「そりゃこんなのがごろごろしてたら封印もされるよね……。」

「まぁ、それはおいといて。ちょっとばかしやばいかもしれんぞ?」


さっきからコウの頭のネジが外れててヤバいんじゃないか、と思ったが口にしないツバサだった。

頭を振って気を取り直し、何がまずいのか尋ねる。


「ここ、魔界っぽい」

「………………………………………………………………はぁ?」

「はぁ、じゃなくて、魔界だって」

「何をどうしたら人間界から魔界になんてくるのさ、入り口なんて限られた所にしかないはずじゃない」

「多分アイツの自爆の影響だろうなぁ。俺がプルーフで変に曲げちまったから異界との壁を砕いて魔界に落ちちまったみたいだな」


さっきから懐かしい匂いがする。ずっと前に魔界に行くって言っていなくなった仲間(ドラゴン)の匂い。

あいつが早々人間界に帰ってくるわけないから俺達が爆発の所為で魔界に落ちたと考えた方が自然だ。


「……案外そこら辺にいたりしてな。」

「ご名答じゃ、コウ」



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