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終章 その後と約束と……
空を巨大な爆発が飲み込んだあの日以降、少女が愛した少年の行方は依然としてわからなかった。
少女は、ただ信じて待ちつづける。必ず帰ってくると約束したのだ、まだ数年果たされてないだけのこと。
あの少年のことだから、また二人で言い合いながらどこかで旅をしているのだろう。
今日も、少年が守った村には平和な時が流れている……。
――これは人に疎まれ化物に蔑まれ世界に嫌われた、人を嫌えず化物を蔑まず世界を愛した二人の物語。
世界にとってはとてもちっぽけな出来事、彼等にとっては流れ星のように駆け抜けた人生
最後に小さな幸福を望んだのは私のわがままでしょうか?