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二、新人冒険者コンビ

今日も私たちは『東の森』の魔物討伐任務に出た。


『東の森』はオープン型の迷宮で、戦いは遭遇戦。斥候スキル──または昨日ルミナスさんが言っていた感知能力が重要になる。


私は飛行能力を持つ『白羽族』だけど、空からだと木々の陰は見えないし、そもそも私…長時間空中で偵察はできない。だからルミナスさんに言われて、上空から魔物の群れを探したら、すぐ地上に降りてみんなと一緒に徒歩で進んだ。


「みんな」…そう、今日は五人パーティ。





今朝、約束の時間にギルドの大広間へ行くと、ヨナさんとルミナスさんに加えて、もう二人の冒険者が来ていた……たぶん新人かな?わあ~ダメだ……わ、私、やっぱり今日は参加やめようかな?うん、昨日習ったことを復習して、また別の日にルミナスさんに教えてもらおう!そうしよう!


私は背を向けて立ち去ろうとした……けど?待って、約束したんじゃなかった?せめて一言伝えないと……ちょ、ちょっとだけなら、大丈夫!


「おは……」


「おはよう!イシャさん!」


イ……イシャ!?こ、これはまさか……友達同士のあだ名!?私とルミナスさん、友達ってこと!?い、いやいや、違うよね?!わ、分かった!私の名前が長いから、呼びやすくしただけなんだ……


「ごめんなさい……」


「イシャさん?今度はどうしたの?挨拶に『ごめんなさい』を使うのが君の習慣なの?おかしいよ!」


「ははは。」


わ~、ヨナさんまで私を笑ってる!くそっ!なんで私はこんなに情けないの!


「イシャさん!一時的なパーティーとはいえ、私たちは命を懸けて共に戦った仲間だ!あだ名で呼んでも構わないだろう?」


ほ、本当?私の名前が呼びづらいから嫌われてるんじゃないの?


「……」


「考えすぎだ!『はい』か『いいえ』?」


「『はい』!」


「やっはは!頑張ろうな!さて、紹介しよう。今日から新しい仲間も加わったんだ。」


……


……


……


「(詠唱)……岩のように揺るがぬ盾!『鉄壁』!」


新しく加わった人間の女の子……名前は『ドロシー』……小柄な子で、ルミナスさんも十分小柄だと思っていたけど、ドロシーちゃん(本人の希望でこう呼んでいる)はさらに半分くらい背が低い……支援系冒険者で、強化魔法や回復魔法を使える。志望は仲間を守る万能サポーターになること。


「任せて!」


新しく加わった人間の男の子……名前は『ルーカス』……背が低め……165センチちょっとくらい……まだ成長期かな?防御型戦士で、大きな木盾と長剣を使い、将来は騎士を目指しているそうだ。


自己紹介の時に言っていたが、二人は幼なじみで、ドロシーは16歳、ルーカスも……少し上の16歳……。なぜそんなに詳しいかって?それは……自己紹介の時にずっとお互いを暴露し合って、個人情報がほとんど出尽くしてしまったからだ。


「はっ!!!」


ドロシーがルーカスに防御強化魔法をかけ、ルーカスは挑発して大ゴブリンの棍棒を受け止めた。その隙に私は上から飛び込み、大ゴブリンの体を突き刺して一撃離脱……


「グオオオ!!」


最後はヨナさんが後ろから飛び出して、長斧で致命の一撃を放ち、魔物を真っ二つにした。


「やったあ!!!」


「いえーーい!!!成功した!!」


ドロシーとルーカスは興奮して抱き合っている。仲がいいのか、喧嘩友達なのか、どっちなんだろう……


「よくやった!連携が見事だったぞ!」


「それは先生の戦術指導のおかげです!」


「そうだ!ルミナス様の戦術指導と励ましがあったからこそ、大ゴブリンに立ち向かえました!前までは怖くて仕方なかったんです!」


「いやいや。でも君たち二人は覚えておきなさい。今日はイシャさんとヨナさんがいて、しっかり火力を出してくれたから完璧に戦えたんだ。あの二人は、大ゴブリンを単独で倒せる実力者なんだから!」


大ゴブリンを単独で倒せる???私が?ヨナさんは分かるけど、私が?そういえば私、大ゴブリンと戦うのは初めてだし……情報が足りないな。もっと攻撃パターンを学びたい……


「褒めすぎだな。できることはできるが、怪我をしたり時間がかかるだろう。」


そうだよね……ヨナさんは自分の実力と欠点をよく理解してる……すごい、羨ましい。


「……私じゃ無理じゃないかな?」


「そんなことない……イシャさんなら……」


「凧揚げ戦術を使えば、無傷で倒せる。」


「そう!その通り!」


本当に?そう言われると、私も試してみたくなる。


「機会があれば挑戦してみる……」


「先生!本当にすごいです!先生の指導がなければ、支援魔法以外に自分がもっとできることがあるなんて気づきませんでした!」


「そうだ!戦場を観察するのは支援役にとって大事な任務なんだ!自分の安全を確保するのと同時に、仲間が奇襲されず集中して戦えるように守ることが重要なんだ!その意識さえあれば、少しずつ経験を積んでいける!」


「わかりました!」


「ルミナス様、本当にすごいです!!!しかもすごく若く見える!今朝、指導員がルミナス様みたいな可愛い女性だと知って、本当に驚きました!」


「は?バカルカ、先生を可愛いってこっそり褒めてんの?そんなの加点されないわよ!」


ドロシーちゃんはそう言ってルーカスの靴をつま先で蹴った。


「な、何だよ!ルミナス様が可愛いって言っちゃダメなのか?むしろお前みたいに乱暴な方がいいのか?武闘家に転職した方がいいんじゃないの?」


ルーカスはドロシーの顔を片手で押しのけた。


「ふん!嫌よ!私の支援魔法がなければ、あんたなんて何もできないでしょ?異国で死んだらトラウマになるわよ!」


ドロシーはルーカスの袖を掴んだ。


「だったら大人しく私の後ろに隠れてろ!お前が活躍できなくても構わない。だが無駄に怪我されたら、それこそ困るんだ!」


二人はまだ言い合いながら引っ張り合っている。な、なんだこの会話?私、もうついていけない……。





「先生先生!あなたの年齢、こっそり教えてくれませんか?すごく気になるんです!だって、あんなに強いのに見た目が若すぎます!実年齢より若く見えるタイプですか?それともエルフの血が入ってるとか?それとも美容に詳しいとか?私も学びたいです!」


えっ!?ドロシーちゃん!そんな個人情報を気軽に聞いちゃダメでしょ!?


「え?それなら……別に問題ないよ~ふふん!私はピチピチの15歳だよ!先月、ちょうど成人したばかり!!!」


…………


……



「えええええ────」


一瞬固まった後、二人同時に叫び声を上げた!


「15歳!!!私より年下だ!!!!!」


ドロシーちゃんはショックに耐えられなかったのか、その場にへたり込んでしまった。


ルーカスは目を見開いて混乱状態に。


ヨナさんは……大きな反応はなかった。私たちは年上だから、昨日ルミナスさんを見たときに大体察していたんだろう。うん……私は昨日13か14と推測して、実際は1歳少なく見積もっていたわけだ。


でも、昨日からずっと気になっていた……気になって気になって気になって!!!あの……聞いてもいいかな?どうしても聞きたい!聞こう!!!?


「ル、ルルルミナスさん……ひ、一つ質問していいですか?」


「わあ!イシャさんから積極的に質問してくれるなんて!すごく嬉しいよ!私の力の及ぶ範囲なら必ず答えるから、どうぞ!」


じゃ、じゃあ聞きます!!!


「ルミナスさん!!!右手の『それ』!本当に『あの意味』なんですか?!!!」


「なになに???!!!えええ!!!」


二人組は私の言葉を聞いて、すぐにルミナスさんの右手に視線を集中させた!そしてまた同時に叫び声を上げた!


「え、ああ?!これ?やっはは、えへへ……そ、そう、『あの意味』に間違いないよ~」


この表情!まさか人生の勝ち組!?すごいすごいすごい羨ましい!!!


「わ~ほんとですか!?先生!!!羨ましいです!ねえルカ、君もうチャンスないよ!!!」


「う、うるさいな!!!ルミナス様みたいに完璧な女の子、私なんかが高望みするわけないだろ!ルミナス様!そ、それはきっと、とても優秀な冒険者が贈ったんですよね!!!」


「やっはは……そうだよ~彼は……その……えへへ……」


笑いながら指輪を撫でている!わあ~笑顔が甘すぎて……言葉にできない!彼女、まだ成人したばかりの少女なのに!能力は優秀、戦場知識も豊富で、し、しかも恋愛中!!!なんて素晴らしいの!?


「……」


ヨナさんの反応がなんだか変?まさか……ルミナスさんに惹かれてるの?ダメだよ!見てよ、あんなに幸せそうな顔をしてるのに!もうチャンスなんてないんだから!


「説明してもらえるか?」


「えっ……?」


二人組……そして私もぽかんとしてヨナさんを見た。どうしたの?え、まさか知らないの?


「ヨナさん!私たちは先生の右手の薬指の指輪のことを話してるんです!知らないんですか?」


「いや。」


「それは『確かな恋愛関係』を意味するんですよ!」


ドロシーは顔を赤くして、少し焦り気味に説明した。


「ああ。分かった。指輪、よく似合ってる。」


「ふふっ、ヨナさん、褒めてくれてありがとう。」


えっ……?!私たち三人はただ驚くだけなのに、結局一番正しい反応をしたのはヨナさん!?


「ふふふ、イシャさんもやっぱり女の子だね?わざわざ私のこれが気になって聞いてきたなんて!また一つあなたのことをよく知れた気がする!」


「え…え…………ごめんなさい……」


「やっはは、まただ!また自分が私に迷惑をかけたって思ってるんでしょ?私が話したくなければ、無理に話すことはないよ。あなたは他人の評価を気にしすぎだよ。もっと気楽に生きなきゃ!」


そうなの?


「私……」


「つまり、今回はあなたの行動は正しかったってこと。友達同士なんだから、言いたいこと、聞きたいことがあれば、悪意がない限り気軽に言えばいいの。もし答えたくなかったら『個人のプライベート』って言って話を打ち切れば、それで誰も困らないでしょ?」


そ、そういうものなの?本当は心の中で根に持つんじゃないの?


「ほ、本当に大丈夫なの?」


「もちろんだよ。もう二日一緒に過ごしてるんだから、私の性格くらい分かるでしょ?」


た、たった二日で?確かに初歩的な理解はできるけど、そんな大胆に言えないよね?もし間違えたら、友達にすらなれなくなるかも……違う?


「それは……」


「ヨナさん、どう思う?私の性格ってどう?」


「率直に言うと、誠実に人と接する。細かいことを気にせず、思いやりがある。」


わあ……私もそう思ってたけど!ヨナさん、そんなストレートに言っちゃって恥ずかしくないの!?普段は寡黙だから、もっと内向的な人かと思ってたのに!!!


「ああ、嬉しい!ヨナさん、あなたはいい男だ!将来有望だよ!!!」


「ははは。」


「では、ヨナさん、あなたはイシャさんをどう評価しますか?」


わ、私!?私ですか!?


「対人恐怖、だが心は細やか。努力を惜しまず、姿は優雅で、素朴にして美しい。」


そう!私は皆が知っている対人恐怖症!!!……え?今、なんか変なもの混じってなかった?


「うわあああ!!!ヨナ兄貴、今なんて言ったんですか?優雅な姿?素朴で美しいって?!口が上手すぎるでしょう!僕も大賛成です!」


え?え!え………………!!!?


「バカルカ!そこだけ気にするのか?!スケベ!」


「事実を言っただけだよ!イサベリアンナさんの飛翔する動きは本当に優雅だろ?違うか~?」


「わ、私は否定してないよ!イサベリアンナさんはまさに生きた天使だ!」


て、天天使!?


「ほら、二人とも一旦ストップ。見なよ、イシャさんの顔が真っ赤になってるじゃないか。でもイシャさん、皆の言葉を聞いたでしょ?仲良くするのはそんなに難しいことじゃないんだよ。いつもびくびくしなくてもいいんだ。」


ほ、本当に?


「うんうん……」


「じゃあヨナ兄貴、あなたは人を見る目があるみたいですね!このドロガキの性格も言ってみてくださいよ~」


「おい!バカルカ!」


「はは、怖くて聞けないのか?」


「怖くなんかない!!!怖いのはお前だろ?!ヨナさん!いいよ!私ら二人の性格を言ってくれ!バカルカ、お前もいいだろ?」


「来いよ~どっちが耐えられないか見ものだな!ヨナ兄貴!お願いします!」


「努力家、優しく思いやりがあり、人を世話するのが好きで、口では逆のことを言う。」


そうドロシーに向かって言った。


「努力家、勇敢で忍耐強く、人を世話するのが好きで、口では逆のことを言う。」


今度はルーカスに向かってそう言った。


うーん……なんというか、人を世話するのが好きで、口では逆のことを言う……確かにそうだよね。


「うん……」


「うぅ……」


二人は顔を赤らめて背中を向け合い、何も言えなくなった。わぁ~この子たち、可愛すぎる。


「やはは!面白すぎる!ヨナさん、あなた上手すぎですよ!ははは!」


「事実を言っただけだ。ははは……」


ヨナさん、今日の語彙……なんだか増えてきた。もう馴染んできたのかな?じゃあ、私は?





私たちは引き続き『東の森』の魔物討伐を進めた。その中で私は念願だった大ゴブリンとの一騎打ちを果たした。今まで戦った魔物より攻撃力が高かったけれど、一撃離脱の戦術を徹底すれば、無傷で倒すことができた。


そしてヨナさんも大ゴブリンと一騎打ちした。ルミナスさんの助言を聞き入れ、防御と回避に専念して、無事に一人で倒すことに成功した。


一方の二人組はいつも通り息の合った連携で、多くのゴブリンを片づけ、さらにゴブリンアーチャーの注意を引いてくれたおかげで、私たちは掃討を進められた。


その後も二人の口喧嘩は止まらなかった。聞いていて羨ましく思うほどだ。あんなふうに気兼ねなく話せるなんて。


なんというか……このチーム感は悪くない。私までつい気持ちが和らぎ、ルミナスさんの言う通り、本当にいつもびくびくしなくてもいいのかもって思えてきた。


気がつけば、もう帰還の時間になっていた。私たちは『東の森』を後にして、ゆっくりと城の郊外へ戻っていった。歩きながら、私は昨日のルミナスさんの言葉を思い出していた……


『もし困っていることがあるなら、私に話してごらん。助けを求める手伝いをしてあげるよ。』


ルミナスさんを通してギルドに相談すれば、『あの問題』にも光明が見えるかもしれない?


今まで……私も専門の人に相談したいと思っていたけど、費用が……専門家の顧問料なんてとても払えない。でももし新人支援の範疇に入るなら、もしかして安く済むかも?あ!分割払いができるなら最高!聞いてみようか?聞くべき?うん!私はルミナスさんを信じる!解散したらすぐ聞いてみよう!


そして、またあの壮大な規模の農地を通りかかると……


「ルミィ──!お疲れさま!今日の仕事はどうだった?新人たちの出来は良かった?」


え?『ルミィ』?一人の綺麗な農家の娘が目の前に現れた。ルミナスさんの友達?いや、ちょっと見覚えが……一昨日のあの子?この距離で見ると、本当に綺麗!茶金色の髪、真紅の瞳、整った顔立ち、明るく親しみやすい笑顔、白い肌……それに身長と体のバランスまで……わ、眩しすぎる!女の私でもドキドキするくらいだ。


「とても良かったよ!見て、この子たち四人とも元気いっぱいなんだ!」


その見知らぬ少女に対して、私たちは軽く頭を下げた。


(わぁ!綺麗……)


結局、ドロシーは我慢できずに小声で褒め言葉を漏らした。


(声小さくしてよ!失礼でしょ!)


(だって本当に綺麗なんだもん!バカルカ!分からないの?まさか『フローラ』って、農家の娘まで天使…いや女神級なの?)


(わ、わかってるよ!綺麗すぎて直視できないんだ!お前こそ見すぎだろ!)


(しらばっくれるな!ずっと見てただろ!スケベ!)


この犬猿の仲コンビ、ほんとに……何でも喧嘩の種にするんだから。


(……)


え?


なんと、ヨナさんまで目を奪われてる!?じーっとあの子を見つめてる!?せっかく冷静沈着でカッコいいと思ってたのに!ちっ!やっぱり男って皆スケベなの!?


「アリシアちゃん!友達に会ったんだね。じゃあ友達と一緒にいなさい。今日の仕事は残り私たちで片付けるから!心配しなくていい!」


アリシアちゃん?この子の名前かな?なんだか聞き覚えがあるような……?


「うん!!!分かった!じゃあお仕事お疲れさま!ジョンソンおばさん、皆さん、またね!」


「またね!」「お疲れさま!」「ありがとう!」


わぁ、農民たちが次々に返事してる。すごく人に愛されてる子なんだ!?羨ましい!


「ルミィ!ちょうど時間もいいし、一緒に帰ろう!」


「うん!いいよ!アリネー!一緒に行こう!」


『アリネー』ってあだ名かな?ルミナスさんは誰にでも優しいから、人望が厚いんだろうな。やっぱり羨ましい!わ、私もあんなふうになれたら……。


「ごめんね、待たせちゃった。さあ行こう!」


え!?ルミナスさん……あ、あの子の腕に抱きついて歩いてる!?ちょ、ちょっと親密すぎじゃない!?そんなに仲良しなの!?羨まし……って、ま、眩しすぎる!私、もう何も見えない!視界が真っ白に……!


「先生先生!この女神が降臨したみたいな女の子は先生のお友達ですか!?すっごく綺麗!」


「女神降臨!?いい表現だ!ドロシーちゃん、君は本当に分かってるね!この子は『みんなのアリシアちゃん』!私のアリネーで、姉妹のように仲良しなんだ!」


「ふふっ、よろしくね──女神降臨なんてもう言わないで、恥ずかしいから!冒険者さんたち、今日の任務はどうだった?慣れてきた?」


「よろしくお願いします!!!私はドロシー!『ドロシーちゃん』って呼んでください!アリシアさん、本当に綺麗!…今日の任務はとても順調でした!」


「それはルミナス様の指導のおかげです!私の実力じゃなくて、チームワークとルミナス様の指導の成果です!」


「同感!珍しくルカが正直なことを言ったね!」


「……ぼ、僕、僕はいつも正直だよ!そ、その……『アリシア』さんですか?私はルーカスです!よろしく!いって!」


ルーカスは顔を真っ赤にして、ドロシーちゃんに足をこっそり蹴られた。


「ふふっ、よろしくね。」


(わぁ、可愛い……)


(変なこと考えるなよ!バカルカ!こんなチャンスはお前のものじゃない!見えなかったのか?彼女の右手の薬指に、先生と同じ指輪してるだろ!現実見ろ!)


(お、僕は別に変なこと考えてない!ただの賞賛だ!そう!美しいものに対する純粋な驚きと称賛だ!ダメなのか!?)


え!?本当だ!さっき歩きながら指にはめたのかな?どういう意味!?まさか『フローラ』って冒険者の都市だけじゃなくて、人生の勝ち組都市でもあるの!?ひどすぎる!





ギルドの大広間。


「よし、今日の手続きは全部終わった。みんな、休みに帰っていいぞ。」


「はい!ご指導ありがとうございました!」


「先生先生!明日も私たちに指導してくれますか?」


「ごめんね、ドロシーちゃん、明日は無理なんだ。他の予定があって、当番じゃないからね。」


「えぇ…残念。じゃあ次に先生が当番の時に来てもいいですか?」


「もちろん。次の当番の日は……」


そんなふうに三人はそれぞれ散っていった。そしてルミナスさんもアリシアさんと一緒に歩き出そうとした……ど、どうしよう?さっきのこと、言うべき?今?邪魔になる?それとも別の日に……いや!ルミナスさんの言う通りだ!たとえ邪魔になるかもしれなくても、私、今言わなきゃ!


「ルミナスさん!ちょっと待ってください!わ、私、お願いがあります!」



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