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一、『血統スキル』

七大迷宮の一つ、通称『地下城』の中層深部。少女神官は十数体の中級魔物を前に、恐れを知らぬ眼差しを向けていた。


「任せて!『聖霊浄化』──!」


ルミナスが広範囲の浄化奇跡を発動し、迷宮の部屋全体を覆い、すべてのデバフ効果を消し去った。


「ルミィ、よくやった!」


部屋内の隠蔽魔法が完全に消滅し、無防備な召喚装置が二基、完全に露わになった。


「『雷光矢(ライトニング・アロー)』!」


アリシアはすかさず魔物群の奥にある召喚装置をターゲットに魔法を発動。雷光で形成された複数の矢が魔物たちを回避しながら飛び、召喚装置を粉々に打ち砕いた。


「これで残りの魔物だけだな。ヘイトを集める!『群体挑発(グループ・プロヴォーク)』!」


前回の経験──それも死にかけた経験を経て、俺たちはこの無限湧きの魔物部屋の秘密を理解した。あの隠蔽魔法を施された召喚装置さえ排除すれば、あとは消耗戦だ。そして今回はルミがいるおかげで攻略方法も格段に楽になった。


俺は前方に突進し、多対一の挑発スキルを発動。前列の『死霊重鎧(アンデッドヘビーアーマー)』たちのヘイトを引き付け、乱戦に持ち込む。


『闘気纏身』の修行方法を理解してから、俺の闘気精製量は日々向上し、高度な筋力強化、防御強化、速度強化スキルと組み合わせることで、その効果を倍率で引き上げられるようになった。


この状態なら、10体の『死霊重鎧』に囲まれても全く問題ない。冷静に戦い、魔物の動きを見極め、回避・ガード・受け流しを適切に行えば、兜を打ち飛ばすことで確実に仕留められる。斬撃耐性が高い敵だが、俺の両手剣には打撃属性も備わっている。さらに、強化された攻撃力が倍加している今、一撃必殺も可能だ。


ガンッ!ガンッ!


三体撃破。次は……


「冒険者くん!」


アリシアの動きに合わせ、俺は急速に後退。直後、青く輝く三発の小型火球が俺の横をすり抜け、魔物群のど真ん中に直撃した。アリシアの攻撃は容赦がない。俺の反応が少しでも遅れたら、間違いなく巻き込まれていた。


ドォォォォン────!


煙が少し晴れ、見ると前列の『死霊重鎧』はバラバラの鉄くずと化していた。やっぱりアリシアの火球術の威力は尋常じゃない…。一体どのランクの魔法なんだ? 残るは後衛の6体……。


「魔装解放!『紅刃(クリムゾン‧ブレード)』!」


6体の赤いコウモリが、残った魔物たちに向かって飛び出す。これはアリシアの魔装解放の第二段階。だが、斬撃系の攻撃は『死霊重鎧』には効きにくいはず…。なぜ?


「爆破しなさい!」


紅刃コウモリは以前のように刃翼で斬りつけるのではなく、それぞれ魔物の頭上で停止し、魔法を発動!?近距離から火球を放ち、『死霊重鎧』を爆撃していく!これで、この部屋の戦闘は終わった。


「わぁ!さすがアリネー!今の魔法は何!?」


「さっきの火球、青かったよね?」


「あれは『煉獄・火球術(ヘル‧ファイアボール)』よ。硬い敵には火力で押し切るのが一番楽だからね。ただ、発動に少し時間がかかるけど。」


「さっきから気になってたんだけど、アリネーって魔法を詠唱しないの? めちゃくちゃ早いよね!」


「そうね。”無詠唱”にすれば、確かに発動速度は格段に上がるわ。でも、高位魔法は発動・凝縮・圧縮に時間がかかるから、どうしても発動遅延があるの。」


違うよ、アリシア。ルミが聞きたいのはそういうことじゃない。まさか、まだ自分の発動速度に不満があるのか? うーん……。


「俺とルミからすれば、十分すぎる速さだと思うけど。」


「うん! アリネー、本当にすごいよ! こんな速い魔法、今まで見たことない! 他の魔法使いは詠唱に何十秒もかけてたのに、アリネーは魔法の名前を呼んだだけで発動してる!」


「そ、そう? あはは、考えすぎちゃったかな。よし! ここは片付いたわね。この部屋はしばらく安全よ。少し休憩しましょう。」


『地下城』は閉鎖型の迷宮で、戦場は一つ一つの部屋になっている。対照的に、『東の森』のような迷宮は開放型で、地形の決まりがなく、戦闘は遭遇戦になる。俺たちは部屋の隅に腰を下ろした。ルミは自然に俺の隣に寄りかかる。まあ、「ルリ」ならこんなことは大したことじゃない。


「お兄ちゃん、お水どうぞ。これ、アリネーの分。ねえ、アリネー、どうして”無詠唱”ができるの?」


「それは……。普通の人にとって、詠唱は魔法の演算を補助するためのものなの。だから、熟練した魔法なら、詠唱なしでも式を思い浮かべて発動できるようになるわ。」


ふむ……一般論としては、そうだろうな。


「じゃあ、アリネーは違うの?」


ははは、ルミは本当に鋭いな。いつも核心を突いてくる。


「うっ…それは……。」


「アリシアは天才だからよ。本棚から本を取るみたいに、魔法式を取り出して、演算領域で処理できるのよ。」


「え?」


「ふふっ、アリシア、この例え、なかなかいいでしょ?」


「べ、別に……間違ってはいないけど……。」


「わあ!すごい!お兄ちゃん、よく知ってるね!」


「もちろんさ!前に聞いたことがあるんだ。天才にからかわれたりもしたしな!」


「からかわれた?どんな風に?詳しく聞かせてよ!」


「うぅ~」


「秘密なの~?」


「えぇ!?」


「え?ひどいよ、お兄ちゃん!途中まで話して、気になるじゃん!」


「そうか?俺はプライバシーを尊重してるだけだよ!ははは!」


「むぅ!…って、違う?じゃあ、どうして魔法の名前を呼ぶの?」


「そうそう!アリシア、それって『詠唱省略』ってやつじゃないの?」


「その通り!基本的な『無詠唱』は、魔法名を呼ぶだけの『詠唱省略』のことよ。実戦ではかなり使えるわ!でも、あたしはわざと呼んでるの。チームプレイだから、みんなに聞こえるようにね。」


「うんうん、最初のころアリシアは何も言わずに魔法を使ってたよね。そしたら魔物が突然倒れてた。でも今は違うね。」


「はぁ!? 」


「ははは──はいはい、休憩!休憩!もうやめよう!」


──約1か月の実戦訓練を経て、ルミはすっかり戦闘に慣れていた。そして今日、アリシアも文書仕事を終えて正式に復帰した。俺たちはすぐに『地下城』の深層攻略の準備を開始した。まずはルミに『地下城』の中層を慣れさせつつ、3人の連携を鍛える。次に中層の階層主を討伐し、ルミに『討伐の証』を手に入れさせるのが目標だ。


ルミの加入により、アリシアは前衛の役目を俺に任せ、自身は魔法火力担当に回った。そして、彼女は新しい『術式魔装』を特別に作り上げていた。今回の『術式魔装』は以前のものとは異なり、豪華なドレスに加えて魔法使いのマントが付いており、まさに典型的な魔法使いの装いだった。……それに、なぜかツインテールにしていた。うん……とにかく可愛い。可愛すぎて、俺は何もコメントできなかった。


「アリシア、さっきのは何だったんだ?お前の赤いコウモリ、自分で魔法を放てるのか?」


「ふふん!これはあたしの新発明よ!今はこの子たちも魔法を撃てるようになって、全方位から至近距離の魔法爆撃ができるの!これなら魔法の威力を最大限に保ちつつ、魔物の死角から攻撃もできる!さっきが初の実戦テストだったけど、思った通りの効果だったわ!」


「アリネー、すごい!その装備、自分で作ったの?めっちゃ綺麗!」


「そうよ!魔法使い用に設計した、中・遠距離特化の装備よ!『術式魔装』って名付けたの!世界に一つだけのね。まあ、その特性上、あたしにしか使えないけど。それとね、ルミィ、これは秘密兵器だから、他の人には内緒よ!」


え?アリシアが何のためらいもなく『術式魔装』について話したぞ?ルミが大切な妹だからか?


「わぁわぁ、すごい!秘密は守るよ!でも、さっき見たんだけど、色々なものを作り出せるの?あのコウモリ、自動で戦ってたよね!」


「完全自動じゃないわよ?あたしが指示を出してるの……うーん、半自動?みたいな?」


「前のとは違うね。今回のコウモリ、マントから出てきたよな?」


「えっ?どういうこと?お兄ちゃん?」


「言うな。」


「ん?」


「言うなって。」


アリシアが俺の耳をつまんで、小さな声で言った。声は小さいけど、明らかに威圧感のある指示だった。そういえば、アリシアは『それは秘密』って言ってた気がするけど……さっきルミに堂々と『術式魔装』の説明をしてなかったか?どこが問題なんだ?


「安心しろ、俺は言わない。」


「ね?ねーね、ねーー、アリネー、どういうこと?どこから出てきたの?」


ルミの洞察力には感心する。しっかり核心を突いてきたな。


「えっと……その……。」


「俺は言わないぞ。ルミ、俺に聞くなよ~。」


うんうん、俺は立場をはっきりさせておこう。


「ねーね、ねーー、アリネー、秘密なの?」


ははは、ルミのおねだり+追及のコンボは本当に手強いな。


「別に……ただ……今思うとちょっと恥ずかしいだけ。」


「恥ずかしい!?何それ!?気になる!教えてくれないと、色々想像しちゃうよ!」


「わかったわかった!前の『術式魔装』は、あたしのドレスだったの!コウモリはそのドレスから変化したのよ!」


アリシアはついに降参し、羞恥心と戦いながら大声で暴露した。


「え!?ってことは、使用する時……ど、ど、どうなるの!?アリネー、ま、ま、まさか裸に!?」


裸……?いや、ドレスがなくなっても、さすがに下着くらいは着てるはずだよな?ルミ、お前、わざとだろ?


「裸とか言うな!ちゃんと下にもう一着魔法装備があるのよ!別のスカートよ!それに……ちゃんと下着も着てるから!」


アリシアの顔は真っ赤だった。可愛い!ルミ、よくやった!


「なるほど!──アリネー、驚かせないでよ!それなら別に恥ずかしがることないじゃん?」


「設計するときは、あたしもそう思ってたわ!でも、そのときはまさか、まさか、まさか男の子とパーティーを組むなんて思いもしなかったの!ずっと一人で探索してたんだから!」


男の子?それって俺のことか?


「で、結果は?あっ!分かった、お兄ちゃん!もしかしてお兄ちゃんがアリネーに何か言えないことをしたんじゃないの!?」


俺?俺か!?俺なのか!?俺が何をした!?しかも言えないことって!?ま、まさかあのこと?確かに少し言いづらいが、でも、俺から仕掛けたわけじゃないぞ?だったら、俺がしたってことにはならないはずだ!


「えっと…そんなことは…」


「違うわよ!!!ないから!あたしたち、触れてすらないし……あれ?違う違う違うっ、ただ、急にちょっと恥ずかしくなっただけ!そ、そう!何もなかったのよ!ただ、あたしが甘く考えてただけで……」


「私からすると、ただ男の子の前で上着を脱いだだけじゃない?違う?もしかして、お兄ちゃんのことを意識してるの?」


「知らない!もう言いたいことは全部言ったわ。とにかく…あの服はもう気軽に着ないから!」


「えー!?あれ、可愛かったのに!」


「はぁ!冒険者くん!」


「ごめん、ごめん。ただ、ちょっと残念だなって思っただけだよ。」


「ふんっ!」


「お兄ちゃん、エッチ。」


「え?俺はただ本当のことを言っただけ……ごめんなさい、俺が悪かったです。」


すぐに頭を下げて謝る。


「えへへ、でもエッチなのは別にいいと思うよ?ほら、ギューってしてあげる!アリネーほど胸はないけど、私だって悪くないし?それに、私は──ぜんぜん──気にしない──よ?」


ルミはまた俺の右腕に抱きついて、ぴったりとくっついてきた。この子……大きくなっても、やっぱり俺に甘えてくるんだな。はぁ、この感触……なんというか、やっぱり成長したんだな……俺は仕方なく、指で彼女の額を弾いた。


「きゃぅ!」


「そういうのはやめろ、小娘。」


「わ、私は本当にギューってしたかっただけだもん〜!それに、ちょっとくらい服を少なくしてお兄ちゃんに見せるの、ぜんぜん気にしないし!だって小さい頃、一緒にお風呂入ってたじゃん?」


「お、お前何言ってんだ!!!」


「あら、本当?一緒にお風呂?しかも小さい頃?何歳のとき?六歳と十歳?」


アリシアが笑顔でこちらを見てくる。でも、それは優しい笑顔じゃない。殺気!明らかに殺気を感じる!闘気が体にまとわりついている!左手が俺の肩に置かれた瞬間、全身が震えた。


「ねえ、嘘よね?ルミィ?一緒にお風呂なんて?」


アリシアはルミにもあの笑顔を向ける。


「えぇー!?ひどい!なんでアリネーには全部バレちゃうの!?」


「あたしを甘く見ないことね〜。あたしの前で嘘は通じないわよ。」


「うぅー!でも、本当にギューってしたかったのに〜!昔みたいに〜!」


「ははは、ふざけるなよ。俺たち、休んだらすぐ出発なんだからな!」


「むぅ、ギュー……」


ん……それにしても、アリシアはどうして俺とルミの昔のことをこんなによく知ってるんだ?ルミが話したのか?


「そういえば、お兄ちゃんの剣技、また上達したよね?」


「うん、数日前に剣技の上位バージョンを習得したよ。」


「わぁー、すごい!どうやったら剣技を習得できるの?私、そんなの全然ないんだけど。」


どうやって?どうやって習得するんだ?何をすればいいんだ?


「別に勉強しなくても、戦ってるうちに自然に覚える…って感じ?」


「え?どういう意味?お兄ちゃん?」


ルミ、お前に聞かれても俺も説明できないよ?そうだ、アリシア、お前が説明してくれ。


「冒険者くん?」


「ん?どうした?」


「あなた、本当に知らないの?」


「え?それって村人ならみんな知ってる常識?」


「あなた…剣術はどこで学んだの?どうやって、なぜスキルを習得するのか、師匠に教わらなかった?」


「いや、戦い続ければ自然に覚えられるって習ったぞ?」


「それは結果論よ!なぜ知識を学ばずに、新しい剣技を自然に使えるのか、考えたことある?」


「え?習得できるならそれでいいじゃん?別に理由なんて考えたことないよ?食べなきゃお腹が空く、疲れたら眠くなる、それも全部理由を考えなきゃいけないのか?」


「はぁ…冒険者くん、じゃあ聞くけど、人族が『神の民』と名乗る理由を知ってる?」


「それなら知ってる!常識だろ?人族は創世神オリシウスによって創られたから『神の民』って呼ばれてるんだ!昔、神官様がそう言ってた!たぶん!」


「ルミ…あなた、何か言ってあげて。」


「お兄ちゃん!大間違いだよ!本当に授業聞いてたの!?私、覚えてるよ!昔、孤児院でお兄ちゃん、いつも授業サボってたじゃん!」


「な、何だよ?俺は別に授業なんて受けなくても、本読めるし字も書けるし、それにオリシウス聖典を読んだって強くなれるわけじゃないし、意味ないだろ?」


「授業を受けなくても字を読める?冒険者くん?どういう意味?孤児院で読み書きを習ったんじゃないの?」


「違うよ。お兄ちゃん、最初からできたから、ずっと授業サボってたの。」


「それってどういうこと?」


「俺、子どもの頃にお父とお母から読み書きを教わってたんだ。だから孤児院の授業は必要なかったんだよ。」


「なるほどね。お父さんとお母さんが教えてくれたんだ?でも君って農村出身じゃなかったっけ……?いや……あぁ、そういうことね。」


え?アリシア、その反応はどういう意味だ?俺、何か変なこと言ったか?


「ってことは、お兄ちゃん、『聖典』も読んだことないの?」


「ははは、読んだことないよ。授業をサボった時に何回か捕まって、ちょっと聞いただけだな。」


「仕方ないなぁ、じゃあ神官の私が少しだけ教えてあげる!人族が『神の民』と呼ばれる時の”神”は、直接的に創世神オリシウスを指しているわけじゃなくて、オリシウスが創った、世界で唯一の『神人イレヤ』のことなの。そして、私たちは『神人』の子孫なのよ。」


「それって、『オリシウスによって創られた』ってのと、大きな違いがあるのか?」


「もちろんよ!じゃあ、魔族の起源は知ってる?」


「いや、知らない。」


「魔族の起源、初代魔王『ドアッミン』は、オリシウスによって直接創られた存在なのよ!」


「え?違いが分からない。」


「じゃあ、聖典の原文を教えてあげる。”…そして、彼は自らの姿に似せて、『神人イレヤ』を創造した。彼女に子を産む力を与え、万物を創造する能力を授けた。”」


「うん…?」


「簡単に説明するわ。『ドアッミン』は天使で、オリシウスが必要に応じて創り出した”道具”なの。」


アリシアが補足した。やっぱり彼女の方が説明が上手いな。


「一方で、『神人』はオリシウスが『新しい生命』を創ることを目的に、自らの姿を映して創り出した存在なの。だから、人族は神に最も近い種族と言われるのよ。でも、魔族は違う。『ドアッミン』は見た目こそ神に似ているけど、新しい生命を生む目的で作られたわけじゃないの。だから、同じオリシウスが創った存在でも、『神の民』であるあたしたちと魔族は、まったく異なる存在なのよ。」


じゃあ、『神人』と『天使』、もしくは『魔王』って、完全に違うものってこと?


「おぉ!なるほどね!じゃあ、それが『剣技』とどう関係あるんだ?」


「うーん…『闘気』を使って発動する剣技や強化スキル、正式には『血統スキル』と呼ばれるものね。それはすべて、『神人イレヤ』とその伴侶──天使『カシン』から受け継がれたものなの。つまり、人族の血統、もっと言えば魂の奥深くに刻まれているのよ。だから、知識として学ばなくても『本能』で覚醒したり、戦いを通じて習得するの。でも、どれだけ継承されているか、どこまで覚醒できるかは個人差があるわ。」


「えええっ!?そうだったのか!?」


え?じゃあ、すべてのスキルは『本能』ってこと?しかも個人差がある?もし俺にその血統が受け継がれていなかったら、どれだけ努力してもスキルは習得できないのか?それに、天使『カシン』って何なんだ?


「へぇ〜、そういうことか!」


ルミ、お前も知らなかっただろ!?聖典で何を学んだんだよ!?


「ってことは、お兄ちゃん、”九大種族”も知らないんじゃない?」


「そ、それは……」


アリシア、ちょっと待ってくれ。まずは情報を整理させてくれ、それに俺も聞きたいことがあるんだ。


「さて、今はそんな話をしている場合じゃないわね。決めたわ、冒険者くん、どうやらあなた本当に何も知らないみたいね?それはダメよ!じゃあ、明日の休みの日、あたしの家で授業をするわ!ちゃんと教えてあげる!」


「えぇ!?行かなくちゃダメ?」


こ、これは別の問題だろ!?授業なんて!?この年齢で、もう必要ないだろ!?


「ダメよ。基本的な常識もないままパーティーを組むなんて、信じられないわ!」


「そうだよ、お兄ちゃん!私も一緒に授業を受ける!」


「うわっ、ダメだって!勉強すると……その……そう!眠くなるんだ!」


「大丈夫よ、ルミィがいるもの!」


「そう!『魂の鼓舞』の奇跡を使えば、精神力を回復できるよ!」


「えぇ──?」


「よし!決まりね!出発しましょう!」


「出発!」


「は、はい……」






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