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一章キャラクター紹介

〇レオディーナ


 本作の主人公。一話開始時7歳、一章終了時9歳(もう少しで10歳)。母親譲りの鮮やかな緋色の髪と褐色の肌、父親譲りの紫の瞳を持つ。

 同世代の少女と比べて小柄で、猫を連想させる可愛らしい顔立ちの美少女。髪型は、スラム時代は背中で纏めていたが、旧貴族街の家に引っ越してからは左右に分けて纏めたツインテールにしている。愛称はディーナ。

 素の一人称は「あたし」で、目上の人物に対してや猫を被っているときは「私」。


 魔力量は測っていないため正確には不明だが、大の中以上。


 前世(現代日本で生活していた四十代の人物)の記憶を持っている影響で、良識等倫理観が現代日本寄り。

 強大な魔力とそれを扱う才能とセンスを持っている。


 そのため同世代の子供と比べて、「大人びていて慎重、また自分の利益を優先する利己的な性格」だと本人は思い込んでいる。そうした面もあるが、当人が自覚しているより精神的に動揺しやく、欲求に正直(我慢は出来る)。

 また、会ったことのない人や自分の責任が及ばない範囲の人々に対しては鈍感さを発揮するが、会ったことのある人物に対しては同情的になる。


 特に、信用できない他人が多いスラムで亡き祖母や母を頼りに生きていたからか家族、友人や身内とみなした人物に対する思い入れが強い。

 また、生まれる前に起きた戦争の影響で褐色の肌を不快に思う人間が多かったので、コンプレックスを抱えている。


 物語の舞台になる王国屈指の強大な魔力と魔法式を編む天才的な才能に恵まれているが、師匠がそれをはっきり告げてないため、ぼんやりと「あたしってなんか凄いらしい」と思っている。

 亡き祖母によると、曾祖父母が「自分達は貴族だった」と言っていたらしいが、あまり関心はない。寧ろ、曾祖父母が没落する原因になったやらかしが、自分や母に降りかかるのを恐れているためあまり触れたくない。


 趣味は魔法とその開発研究。最初は生活の為だったが、出来る=楽しいという認識になっている。

 使える魔法は生活のために始めたことと、両親と師匠の教育方針によって生活魔法や回復魔法、防御魔法が中心。植物の急成長や地下室の建造、各種結界や欠損部位や毛根の再生等、農業土木、警備に医療と多彩に活躍している。

 また、前世の記憶にある料理を再現するため発酵食品の制作に取り組んでいる。


 ただ、攻撃魔法も習っていないだけで素質が無いわけではない。


 スラム街で暮らしていた時から裁縫や算数、歴史などを学んでおり、旧貴族街の家に引っ越してからはアルベルトにねだって家庭教師をつけてもらった。

 魔法以外の科目の評価は、数学は天才的(現代日本の中高生ぐらい)、国語や歴史も同世代の子供と比べると物覚えがいい。裁縫、音楽や絵画等芸術分野は並。マナーやダンスは、同世代の貴族令嬢と同じくらい。

 なお、全体的に教育態度が良く家庭教師達からの受けがいい。


 魔道士ギルドに登録しており、社会的立場は「魔道士バンクレット・ギュスタンの弟子」で、「ピッタリア商会と専属契約している魔道士見習い」。一章の時点ではアルベルトに正式に認知されていないので、法的にはオルフェ伯爵家の庶子ですらなく、ただの私生児。


 前世の記憶で現代日本の食文化や利便性を知っているため、食に関する執着が強い。半面、自身を着飾ること……ドレスや宝飾品に対する執着は薄い。関心がないわけでも無頓着なわけでもないが、優先順位は高くない。


 ルナリアと出会って彼女の境遇を知り、「ドアマット系ヒロインっぽい」と思ったが、「まさかね」と否定している。


 もし前世の記憶と魔力に目覚めなかった場合、毎日ギリギリのスラムでの生活を送っていた経験から、欲しいものに貪欲で得られる幸福は奪ってでも手に入れる性格の少女になっていたかもしれない。


・他の登場人物に対する感情

ナタリー:大好きなママ

アルベルト:最初は期待していなかったけど、迎えに来てくれたから大好きなパパ

メアリー:お祖母ちゃん代わり的な感じ。手料理が美味しい

パウル:油断できないパパの友達兼信頼できる上司

バンクレット:超スゴイ頼れる師匠

ギルバート:金蔓兼友達 → 友達! 家名を知って距離が離れたように感じたが、今は平気。未来の雇い主?

テッド:出来る年上の友達。未来の同僚?

ラング子爵夫妻:ちょっと怖いけど良い人? お菓子美味しい

ルナリア:初めまして! なんだか大変そう。パパとあたし達がごめんね

曾祖父母:いたねー、そういう人たち



〇レオ


 銀髪青瞳に白い肌の、スラム街に似つかわしくない容姿の美少年。その正体は「変色」の魔法を使って髪や肌の色を変え男装しているレオディーナ。

 演技の経験があるわけではなく、さらに礼儀作法を習ってからは咄嗟に淑女のマナーが出てしまうことがある。


〇レオナ


 レオディーナが男装したレオがルーセント辺境伯家でメイド見習いに女装している形態。本人も混乱する程ややこしい。

 しかし、性別は正しいので挙動から演技を見破るのは難しくなっている。


〇ナタリー


 レオディーナの母親。褐色の肌に緋色の髪と瞳をした美女。小柄で可愛らしい顔立ちだが、豊かな胸や腰つきの魅力的なプロポーションの持ち主。年齢は一章終了時で二十五歳。

 スラム生まれのスラム育ちで、教育らしい教育を受けずに成長した。それと肌の色のせいでちゃんとした娼館ではなく、スラムの酒場で店主に場所代を払って春を売りながら生計を立てていた。


 十五歳で初めて取った客がアルベルトで、以後三か月ほど彼の専任。そして別れた後妊娠が発覚。アルベルトが別れ際に渡していた金と母(レオディーナの祖母)のお陰で無事出産することが出来、以後は娼婦としての生活に戻っていた。

 一度目の人生の転機はその約五年後に、レオディーナが五歳の頃魔力に目覚め、独学で編み出した生活魔法で生活を充実させ始めたこと。


 おかげで生活、何より精神的に余裕が出来た。今日明日ではなく将来について考えて、スラムから外に移住することを目指すようになる。娘の希望に沿ってスラムで可能な教育を受けさせるために対価を払うことが出来るようになったのも、そのため。


 そして二度目の人生の転機が、アルベルトが迎えに来たこと。彼が用意した旧貴族街の家で体を売らなくてもいい豊かな生活をおくれるようになった。娘と一緒に家庭教師の授業を受け、魔法を学び、それらの合間に家事をしてメイドのメアリーから料理を習う。

 そして螺旋訓練法のお陰で魔力が増えて生活魔法をいくつか習得。もしアルベルトが失業し、財産を失ったとしても娼婦に戻らずに生活できる力を手に入れている。


 基本はおっとりと穏やかな性格。元々は惚れっぽかったがアルベルトと出会ってからは、「演技」をすることはあっても心から客に惚れることはなくなった。また、娼婦としての計算高さやスラムで生活するのに必要な警戒心は持ち合わせている。しかし、アルベルトには後者の側面はあまり見せない。


 自分が貴族の血を引いていると聞いても、レオディーナが魔力に目覚めるまで全く信じていなかった。

 金銭や宝飾品に対してはそれなりに執着があるが、アルベルトからの贈り物とそれ以外の物とは別物扱い。今の生活が維持できればそれで十分と思っている。


 そんなナタリーの性格はレオディーナの影響によって形作られている。もし彼女が前世の記憶や魔力に目覚めていない普通の少女だった場合、スラムで今日明日食べる物にも不自由する生活が続いた彼女の性格や価値観は今とは大きく変わったものになっていたはずだ。

 愛していたはずのアルベルトも信じ切れず、宝飾品でもドレスでも貪欲に執着し、蹴落とさなければ自分の立場が危うくなると思えば娘と同じ年頃の少女でも容赦なく迫害する。そんな悪女になっていたかもしれない。


 その分レオディーナとアルベルトに対して依存している傾向があり、二人がいれば何があっても大丈夫だと思っている。

 現在第二子妊娠中。


・他の登場人物に対する感情


・アルベルト:アトリ、最愛の人。私の王子様

・レオディーナ:ディーナ。最愛の娘。

・パウル:夫のビジネスパートナー

・バンクレット:頼れる先生

・正妻:存在は知っている。

・ルナリア:は、初めまして。なんだかごめんなさい。





〇アルベルト・オルフェ


 中肉中背、茶髪に紫色の瞳の男性。一章終了時の段階で三十代半ば。魔力はあるにはあるが、一日に一度簡単な生活魔法を唱えられる程度。


 元男爵家出身で、生まれた順が遅く家も貧しかったので文官として王都で働いていたところを、前オルフェ伯爵のクラハドールに指名され、伯爵家の入り婿になってしまった。


 当初は夫としてカタリナに寄り添おうとしたが、カタリナ本人だけでなくオルフェ伯爵家の人間全員にその気がなかったため、心が折れた。

 その後、社交担当の使用人扱いをされていた時に身分を隠して行った店でナタリーと出会う。オルフェ伯爵家で全く得られなかった慈しみと愛情を彼女に与えられ、夢中になる。

 以後はカタリナと別れてナタリーと一緒に生活することを夢見て活動。パウル率いるピッタリア商会とはがっちり手を組んでいる。


 当初レオディーナの存在を知らなかったが、出会ってからは娘として彼なりに愛情を注いでいる。

 同じ実子のルナリアに対しては、懐妊や出産を知らされていなかった。彼女が生まれた後もクラハドールやカタリナによって関われないようにされていたので、過ごした時間はほぼない。そのため、自分の娘と言う認識が薄い。娘として愛していないことに対して若干の罪悪感を抱いているが、ルナリア本人に対して憎しみや恨みは持っていなかった。


 また、オルフェ伯爵家の家臣達を敵視しており、領地やそこにある町と村、そして領民に対しても愛着は一切ない。カタリナに出している要望や、ルナリアに毎年贈る誕生日プレゼントも「夫としての義務を誠実に果たしていた」というアリバイ作りに過ぎない。


 レオディーナが魔道士としてすこぶる優秀だったことで、人生の目的が「円満な離婚とその後のナタリーと安定した生活を過ごす」から、「離婚と合法的なオルフェ伯爵家への復讐、その後の家族との生活」にシフト。しかし、予期せぬカタリナの急死でさらに変化しているかもしれない。




・他の登場人物に対する感情


・ナタリー:最愛の女性

・レオディーナ:愛娘

・パウル:同盟、もしくは共犯者(今のところ違法行為はしていない)

・カタリナ:政敵

・ライオット:政敵

・ルナリア:娘……ではある。時々存在を忘れる。

・カルナス:こんな家と縁をつないでしまった本当にすまない。

・クラハドール:今でも憎んでいる。




〇カタリナ・オルフェ


 銀色の髪とアイスブルーの瞳をした、すらりと背の高い女性。顔立ちは整っているが、滅多に笑わず口調も暗いため老けて見える。また、屋外に滅多に出ないため肌が不健康に白い。年齢はアルベルトより一つ年上。

 魔力は少ないが持っていたが、制御法だけで魔法を学んでいなかったため生活魔法も使えない。


 いわゆる頭でっかちな性格で融通が利かず、ファザコン気味。節約狂と評される父の統治方針を、彼亡き後も続けた。また、ルナリアにもそれを受け継ぐことを望んでいた。

 価値観もクラハドールの教育の成果が色濃く出ていて、コストをカットするのが優れた統治だと考えている。逆に社交や信仰、領民が受けられる福祉や教育、そして医療のために金と時間をかけるのを嫌う。

 領民に対しても書類越しにしか知らないため、同じ人間どころか生物として認識しているかも怪しい。


 アルベルトを嫌う理由は、父が「奴に心を開くな」と教え込まれたから。ライオットやルザム達家臣団もそれを肯定している。それに価値観が合わない。だというのにルナリアが生まれた後も離婚していないのは、必要な社交を担当させられるのが伯爵家には彼しか存在しないため。

 目障りであるが同時に便利な存在でもあった。


 王国政府に対しても彼らが口出ししてきたせいでアルベルトと結婚するはめになったので、隔意を抱いている。


 しかし彼との間に出来た一人娘のルナリアに対しては愛情を注いでいる。その結果が貴族令嬢ではなく文官に育てるための英才教育だったが。

 また、彼女の婚約者のカルナスのことも嫌っており、瑕疵をでっちあげ彼有責で婚約を解消することを企んでいた。


 無自覚に悪政を続けているが、破るとリスクがあるという理由で王国法は基本的に順守している。そのため、上記の企みも法律に触れない範囲で実行するつもりだった。


 彼女の病は長年の心労や不健康な生活(日光を浴びない、長時間のデスクワーク)によるもので、治療を不確かな民間療法に頼ったために手遅れになるまで悪化してしまった。

 そして自分亡き後に残される一人娘の味方があまりに少ないことに気が付き、せめて今からでもと遺書と遺言を残した。


 レオディーナが前世の記憶と魔力に目覚めなかったとしても、あまり変わらない。ルルモンド商会がピッタリア商会に圧力をかけるよう要望してこないので、心労の種が一つ減る。しかし、同時にキノコの栽培事業が行われないのでオルフェ伯爵領の財政が僅かに悪くなり、毎日の食事の質が少し落ちる。その程度。



〇ルナリア・オルフェ


 母親譲りの銀色の髪にアイスブルーの瞳をした美少女。透明感のある美貌で、控えめだが上品な雰囲気。また、同世代の少女と比べてやや背が高い。

 年齢はレオディーナと同じで、彼女の数か月前に生まれた。


 魔力は持っているが、制御法しか学んでおらず魔力量を計ってもいないのでどれほどかも不明。


 素直で従順な性格で、物事に対して受け身であることが多い。両親を愛している。幼い頃からカタリナの英才教育を受け、閉鎖的な環境で育っている。その甲斐あって九歳の段階で伯爵家の文官や官吏として書類仕事が出来るまでになった。しかし、淑女として必要な礼儀作法は必要最低限以下で、社交ダンスの経験も無い。また、オルフェ伯爵家と関わっていない王国の歴史にも疎い。

 つまり、書類仕事で使わない知識全てが欠けている。さらに、領地領民に関しても書類越しにしか知らないため自身が統治者の一族であるという自覚も薄い。


 父が纏めた婚約者のカルナスを慕っており、恋に恋している状態。


 世界の中心だった母が亡くなり、父に愛人と隠し子がいることが判明と次々にショックな出来事が起き、自分と母の部屋まで奪われ――ていたら絶望に打ちひしがれ全てを諦め、逃げることもせず人形のように生きていたかもしれない。が、その隠し子に助けられた形になり困惑中。


・他のキャラクターへの感情

・カタリナ:最愛のお母様。しかし何故今までの教育方針とは真逆の遺言を残したのか分からない。

・アルベルト:最愛のお父様。しかし愛人と隠し子がいたことを知って失望。

・カルナス:大事な婚約者。とても大切な人。母が気に入っていないのが悲しかった。

・ナタリー&レオディーナ:父の愛人とその隠し子なのは頭では理解しているが、心が追い付いていない状態。何故自分を助けてくれたのか聞き、良い人なのは分かっている。

・ライオット:物心つく前から知っている大人。祖父や父代わり。

・クラハドール:物心つく前には亡くなっていた祖父。


〇カルナス・ウェンディア


 ルナリアの二歳上の婚約者。現在十二歳。ウェンディア伯爵家の次男。名前だけ登場。


〇ライオット


 オルフェ伯爵家の家令。実際にはそれ以外にもカタリナの秘書、文官のまとめ役、庭師等複数の役割を兼任している六十代の男性。

 先代伯爵のクラハドールとは兄弟同然に育っており、本来は伯爵家の家令を任せられる家格ではない。しかし、伯爵家の後継者になった彼によって任命された。


 その後王立学校に入学するクラハドールの従者として王都に付き従っており、現オルフェ伯爵家の家臣で伯爵領の外に出た経験がある数少ない一人。

 恩人でもある主君に忠誠を誓っており、その方針を維持することに疑問を覚えたことはない。カタリナに代替わり(アルベルトは彼の認識では主君ではない)しても忠誠は変わらなかった。


 クラハドールの方針を妄信しているためオルフェ伯爵領の衰退は、先々代の借金や悪天候、時勢によるものだと思い込んでいる。また、他の家臣団と同じく彼の世界は伯爵領だけで完結しているため、伯爵領の外のこと全般を遠い世界のことのように思っている。

 実の娘のように思っているルナリアが貴族令嬢として歪な状態にあることや、彼女の味方の少なさにも気が付いていない。


 現在はカタリナの急死と彼女のルナリアへの遺言が彼にとって衝撃的で、何故そんな言葉を残したのか理解できず、しかし目まぐるしく事態が動くのでそれに対応するのに精いっぱいになっている。今後どうすればいいのか、何を目指せばいいのか決められず流される状態。


 独身だが弟夫婦の間に生まれた甥がおり、カタリナはその甥をルナリアの夫にしようと画策していた。


 また、カタリナの葬儀に関してラング子爵夫妻を含めた周辺の領地を治める貴族に報せていない。悪意ではなく、普段から没交渉であり他所の貴族を招くという発想がなかったから。

 そのため、カタリナの葬儀を執り行ったアルベルトが葬儀を知らせなかった詫び状を各貴族家に出している。


・他のキャラクターに対する感情


・クラハドール:実の兄弟同然に育った。自身を家令に任じた恩人でもある主君。

・カタリナ:主君。急死してしまい内心では打ちひしがれている。

・ルナリア:主君の忘れ形見。実の娘のように思っている。

・アルベルト:政敵。主君を汚した男。

・ナタリー&レオディーナ:どう判断するべきか分からず警戒しつつも悩んでいる。




〇クラハドール・オルフェ


 先代オルフェ伯爵。銀髪にアイスブルーの瞳をした瘦身の男性。節約狂と義理の息子に評された通りの性格で、王侯貴族を憎んでいる。ルナリアの苦境の主な元凶。

 実父であるビルギットとその愛人の一人だった平民女性の間に生まれ、魔力は中の中。ただ魔法に興味がなく、制御法以外には簡単な魔法を学ぶ以上のことはしなかった。


 自身の正妻を家臣の中から選んでおり、生まれた一人娘のカタリナにも家臣から夫を選ぶ予定だった。しかし、それを察知した王国政府に横槍を入れられたので、仕方なくアルベルトを入り婿に指定する。

 彼を娘婿に選んだ理由は、親戚でしかも格下の家なので自分の意向に逆らえないと思ったから。それ以上でも以下でもない。


 結婚後のアルベルトに対する仕打ちは、「アルベルトが自発的に行方をくらませれば彼有責で離婚ということにして、改めて娘に家臣から婿を取らせよう」と企んでいたため。

 そしてルナリアが生まれた後、アルベルトは種馬としても用済みになった。ただ、その頃には自身が煩わしく思っていた社交を押し付ける使用人として彼が有用だと気付いていたため、そのまま利用することにした。


 アルベルトが娼婦ナタリーに入れあげていることは密告によって知っていたが、別れさせた後娼婦がどうなったかは把握していなかった。


 死因は事故死。屋敷の屋根を自分で修理しようと魔法で浮遊していたら、制御を誤って転落。意識を失いそのまま亡くなった。



〇ビルギット・オルフェ


 先々代オルフェ伯爵。伯爵家の分を超えた豪勢な暮らしをし、領内の神殿を華美に改装し、劇場等様々な施設を建造させた。

 また、正妻はいなかったが何人もの愛人がおり彼女達に産ませた庶子も大勢いた。その中の一人がクラハドールで、彼を将来迎える正妻との間に生まれる嫡子の家臣として育てようとしていた。


 在任中に後に魔龍大禍と呼ばれる、魔龍ブラックデスロアーによる魔物災害が発生。武功を得るチャンスと主力の騎士や雇った腕利きの魔道士達を率いて挑んだが、彼も含めて全員返り討ちに遭い全滅してしまった。


〇パウル・ピッタリア


 ピッタリア商会の三代目商会長。やや背が低く小太りな体型で、一見するといつも笑っているように見える。しかし、それは丸顔で目つきが細いからそう見えているだけ。本人はそれを自覚しており、利用して顧客や従業員の前では柔和な人物を演じている。


 商売が好き。ただ拝金主義ではなく商会の経営をライフワークとしている。また、長い視野でものを考えられる。「蓄積した疲労のせいでミスをすると不利益になる」ので従業員の就業時間を定め、休日を保証。従業員が怪我や病気で働けなくなるのも不利益であるため、医療費の補助制度を以前から考えていた。

 なお、ラドグリン王国の労働基準法に相当する法律と労働者の権利は、産業革命時代のヨーロッパや明治時代の日本と同等かそれ以下である。


 アルベルトとはビジネスパートナーであり、友人でもある。ピッタリア商会で雇っているトーラス達腕利きの傭兵達も、彼によって紹介されたもの。

 アルベルトの目的も昔から知っており、承知でお互いを利用している。ナタリーを囲う際にも協力した。レオディーナの存在は当初知らなかったが、知ってからは彼女に対する評価が爆上がりしている。


 当初は「アルベルト様をつなぎ止めるための愛人の間に生まれていた私生児。政略結婚を仲介すれば利益になる」だった。しかし、翌日レオディーナが魔法で裏庭を畑にするのを見て「金の卵を産むガチョウ」に変更。今では「白金の大鉱脈」。

 彼女に魔道士としての仕事を斡旋する紹介料で、それなりの利益と貴重なコネクションを得ることに成功している。


 また、テンプラやカラアゲ等の料理からレオディーナがただの魔法の天才でないことにも気がついている。


 伯爵領で行われている悪政も知っているが、駆られているのは義憤ではなく「ビジネスチャンス」であるという商機。

 レオディーナと組んで彼女の希望である「持続可能なビジネス」でもあるキノコの栽培事業をオルフェ伯爵領で行う。それによって彼女に安定した収入を、アルベルトには復讐計画の前進を、そして領民には新たな働き口を与え、自分達は利益を得る。


 逆に言えば不利益をもたらす存在には冷淡。グレーゾーンぐらいなら平気で犯す。


 独身であることを利用してナタリーとレオディーナをアルベルトが囲う際に故意に「ナタリーは自分の愛人で、レオディーナは自身の隠し子である」と言う噂を従業員の間に流している。

 また、事情を知らずルーセント辺境伯家からの依頼をレオディーナに斡旋している。


 レオディーナが前世の記憶と魔力に目覚めなかったら、数々のビジネスも実行不可能だったため彼女に入れ込むことなく、「友人の娘」以上の価値を見出さなかった。

 もちろんキノコの栽培事業等のレオディーナの魔法を使った商売も実行不可能。


・他の登場人物に対する感情


・アルベルト:ビジネスパートナー兼友人

・ナタリー:彼女との信頼関係がアルベルト、そしてレオディーナとの良好な関係を維持する重要事項。最近では従業員の一人でもある。

・レオディーナ:ピッタリア商会が王国屈指の大商会へ躍進する鍵。

・カタリナ:カモ。

・ルルモンド商会:容易い相手。カモ。

・ルナリア:存在は知っている。




〇メアリー


 五十代の女性。商家で家政婦をしていたが、引退。しかし息子夫婦が失業したため再就職先を探していたところ、ピッタリア商会の募集広告を見て応募。そのままレオディーナ達が暮らす家に就職する。


 当初は愛人とその隠し子の世話に、「給金はいいけどその分ワガママに悩まされそうだ」と思っていたが、すぐに評価をひっくり返した。

 レオディーナには回復魔法の練習台と言う名目で髪や肌のケア等をしてもらっており、孫に回復魔法もかけて貰っている。


 料理の腕を評価されており、ナタリーにも教えている。また、レオディーナが留守の間は畑の世話や地下の栽培場の管理も任されている。当初の仕事には含まれていないが、その分パウルが給金を上げており収穫物――平民では手を伸ばし辛い市場価格の果物などが食べられるため、トータルでは得をしている。


 レオディーナが前世の記憶と魔力に目覚めなかった場合、彼女達に対する評価と仕事は当初抱いたものから変化することはなかった。




〇バンクレット・ギュスタン


 四十代の顎髭を生やした男性。日頃からマントを羽織り様々な装飾品を身に着けている。

 少年時代は自己評価が天より高かったが、王立学園に入学後周囲の学友たち(特に同級生の天才少年に)負けたことで、自己評価が低くなった。その裏返しでプライドが高く見栄っ張りな性格をしている。また、根が真面目であるため生徒に対して面倒見が良く、苦労性でもある。


 平民出身だが生まれつき魔力を持っており、そのため「将来は大魔道士になるのだ」と高い自己評価を抱いていた。その魔力を見出したピッタリア商会の仲介で、ギュスタン男爵家の養子になって王立学園に入学することもできた。


 しかしそこでの成績も、魔力量も中の中で、使える魔法の種類も普通のもの。魔道士として決して劣っているわけではない。少年時代の自己評価が高すぎたのと、身近に同世代一の天才がいたため劣っていると思い込んでしまった。

 王立学校卒業後は魔導大学に進まず、訓練法は続けていたものの新たな魔法の習得や研究から離れており、魔道士ギルドにも寄り付かなくなった。


 卒業後はピッタリア商会と専属契約を結んでおり、主に政略結婚に臨む貴族令嬢の魔力量を高める家庭教師として高給を得ている。しかし、魔道士としては馬鹿にされる類の仕事なのでますます劣等感を募らせている。

 しかし出会ってから上がり続けるレオディーナからの評価や、再会してしまった元同級生の天才から依頼されたルーセント辺境伯家令息の家庭教師等を通じて、自己肯定感を取り戻しつつある。


 魔力量を増やすための訓練法の中で最も難易度が高い「螺旋訓練法」の最年少習得者としての記録を持っており、それを教える達人。生徒の貴族令嬢の魔力量が少なかろうが、飽きっぽくこらえ性が無かろうが、長くても一年以内に螺旋訓練法を習得させてきた。

 なお、本来なら「螺旋訓練法」は魔道大学に入学する才能と熱意のあるプロの魔道士が習得を目指しても、一年以上かかるのが普通。


 実は魔力制御の天才で、それをもとに他人に指導することが可能。これまでの経験も合わせると、螺旋訓練法を教授することに関して稀代の大師匠と呼べる人物。しかし、それに当人も魔道士ギルドも気が付いてない。


 そのため天才であるレオディーナに入れ込んでおり、彼女を大魔道士に育てることで自身の名も歴史に残せると期待している。そのため、彼女の事情をパウルから知らされた後も協力しているが、アルベルトが違法行為――娘伯爵家の乗っ取り――を企まないことを祈っている。


 ピッタリア商会がセッティングした見合いで結婚しており、その妻との間に子供が二人いる。


 レオディーナが前世の記憶と魔力に目覚めなかった場合、そもそも彼女に出会わず師匠になることもない。もちろん、レスタトと再会することもなくルーセント辺境伯令息の家庭教師を依頼されることもない。


・他のキャラクターへの感情


・パウル:油断できない雇い主

・アルベルト:頼むから危ない橋は渡らないでくれ。

・レオディーナ:期待の愛弟子。

・ナタリー:生徒の一人。愛弟子の保護者

・レスタト:劣等感を抱いている元同級生の天才。しかし、頼られると優越感からつい頷いてしまう。





〇レスタト・ヒルゼン


 四十代の細面で柔和な雰囲気の美形。最年少で宮廷魔道士に加わった天才で、バンクレットの同世代の中で頭一つ以上抜きんでていた。魔力量も学生時代の段階で大の中。現在は大の大。


 しかし、魔道制御に関するセンスではバンクレットに数歩劣って(それでも平均よりかなり上)おり、そのことに気が付いたのは自身が宮廷魔道士になり魔導大学で弟子に教える立場になってから。

 ラドグリン王国でバンクレットの真価に気が付いている数少ない一人で、彼が生徒ではなく弟子として魔道士ギルドに連れて来た少女にも期待している。


 ヒルゼン侯爵家の出身だが、生まれた順から後継者になるとは自他ともに思わず育っており、腹芸は苦手。社交は一通り熟しているが、好きではない。そうした気質のため、生徒のギルバートからは「悪い人間ではない」と見られていても「王国政府の人間で部外者」なので立場を超えた信頼を寄せられるまでには至っていない。


 また、鈍いわけではなく初見でレオディーナの男装を見破っている。しかし、「何か事情があるのだろう」とバンクレットを直接問いただすようなことはしていない。何かあれば力になると伝えたが、当人からは社交辞令だろうと思われている。


 ちなみに、温和な性格だが攻撃魔法の達人でもあり、十三人の宮廷魔道士の中でもトップクラスの戦闘能力を誇る。


 レオディーナが前世の記憶と魔力に目覚めなかった場合、バンクレットと再会することなくギルバートの指導に悩みつつ奮闘し続けることになる。




〇ギル(ギルバート・ルーセント)


 黒髪に金の瞳の少年。凛々しい顔立ちの美少年で、一章終わりの段階で十一歳。

 複雑な身の上で、元々はとある貴族の私生児だったが固有魔法の魔眼を生まれ持っていたためルーセント辺境伯家の養子となった。魔力量は不明。


 魔力を視覚的に捉えられる魔眼の効果で相手の嘘を見抜くことが可能。そのせいで母、そして母の親友のタニアと家族以外に心を開けなかった。そのため気難しい少年と周囲からは見られている。

 特にルーセント辺境伯家の養子になってから会う機会が増えた、貴婦人や令嬢が苦手。耳当たりの良い言葉を発するが、それが全て嘘という貴族女性を多く見てきた結果、「薄気味悪い」と思うようになり女嫌いになってしまった。


 なお、辺境伯家の使用人の中にも養子の自分や第二夫人の母を良く思っていない者がいるため警戒対象。


 初対面からレオ(レオディーナ)の嘘にも気が付いていたが、なのに悪意が無いのと自分が使えない魔法を唱えられて便利なので、利用していた。

 そうしているうちに絆され、便利な駒から餌付けしている小動物、そして立場を超えた友人と向ける感情が変化している。


 また、レオのお陰で母を救われた一件でさらに好感度が高まっており、他の理由もあるが「将来あいつを傍に置くためにも」とルーセント辺境伯家の後継者になる将来に向き合うことを決意した。

 以後は勉強に加えて礼儀作法やダンスにも取り組んでいる。

 また、宮廷魔道士であるレスタトの魔法の指導を受け、バンクレットから螺旋訓練法も教わっている。訓練法の習得にはやや苦戦していたが、レオの魔力を体に流す協力によって感覚を掴んだ。


 魔眼で嘘は見破れるが真実が分かるわけではないので、レオの正体には気づいていない。

 さらに、報酬と評してバイカラー(自身の色)の魔晶石のブローチを贈る等友人相手には重すぎる感情を向けていることにも無自覚。


 レオディーナが前世の記憶と魔力に目覚めなかった場合、彼女が男装して働かないので巡り会うことはない。そのため神殿の炊き出しを手伝った際にそのまま呪いを受けることになる。のみならず、後に母を呪い殺され、犯人を捕まえることも出来なかった。

 もちろん辺境伯家や自身の将来と向き合うこともなく、早い段階で辺境伯領へ赴くこともグレンを信用することもなかった。


 さらに、レスタトと再会したバンクレットの講義を受けることもないため、螺旋訓練法を少年時代に習得することも出来ない。

 将来は自身が治める領地領民に愛着が持てず、社交と女嫌いで笑顔を見せることのない氷結の若き辺境伯と呼ばれる青年になっていたかもしれない。


・他のキャラクターへの感情


・レオ:立場を超えた友人。彼を傍に置くためなら努力も惜しくない。

・テッド:心を開ける存在。親友。

・クロエ:女嫌いの例外。姉のような存在。

・タニア:母の親友。もう一人の母に等しい。

・ガラテア:大事な母。

・グレン:義父の忠臣。信用はしている。

・義父:複雑な感情を抱いている。ただ自分を養子にするだけでなく、母を第二夫人に迎えてくれたことには感謝している。(おかげで今もガラテアを母と呼べるし、タニア達も連れてくることが出来たから)

・義母:義父と同様だが、上記の配慮を提案したのが彼女であるためより感謝している。




〇テッド


 ギルバートの乳兄弟で、一章終了段階で十二歳。緑色の髪にライトイエローの瞳をした細目の少年。

 両親がガラテアの実家に代々仕えている家系出身で、薄いが貴族の血が入っている。そのためか魔力を持っており、植物を変化させ手紙を入れられる程度の隠し場所を作る魔法を使うことが出来る。


 ルーセント辺境伯家の身分はボーイ、からの執事見習いだが、実質的にギルバート専属。

 歳の割に聡く出来る少年でギルバートの側近候補筆頭……と言うかほかに候補がいない。

 しかし、「スラム育ちの少年」という先入観が強いためレオの正体には気づいていない。しかし、「レオナ」の姿を見て違和感は覚えている。


 もしレオディーナが前世の記憶と魔力に目覚めなかったら、一連の事件はテッド達一家にとっても辛い出来事として記憶に残り彼らを苦しめ続けただろう。


〇タニア


 テッドとクロエの母親。元々はガラテアの実家で働いていたメイドで、彼女がギルバートの実父の家に侍女として働きに出ている間にカニングスと結婚し、クロエとテッドを出産。

その後、ガラテアがルーセント辺境伯の第二夫人になる際に彼女の侍女として家族総出でついていった。魔力は生活魔法が使える程度。

 レオについては直接見抜いていないが、クロエから言われて「言われてみると確かに」と思うようになった。


〇クロエ


 テッドの姉。一章終了時点で十三歳。カスタードクリーム色の髪と若葉色の瞳をしている。

 ルーセント辺境伯家のメイド見習いだが、実質的にギルバート付きになっている。


 レオについて、レオナ姿の時に気が付いたが女嫌いのギルバートと彼と距離が近いテッドにはあえて教えていない。母とガラテアには相談した。


〇カニングス


 タニアの夫でテッドとクロエの父。魔力は持っていない。名前だけ登場。元はガラテアの実家の執事見習いで、彼女とタニアは幼馴染だった。彼女がルーセント辺境伯の第二夫人になる際に家族と共についていった。

 一連の事件では蚊帳の外だったが、ガラテアが無事回復して犯人も黒幕も捕まり、坊ちゃんが前向きになったので大満足。


〇ガラテア


 黒髪黒瞳の三十代の女性。元々は男爵家の令嬢だったが家が領地経営に失敗したせいで経済的に苦しく、弟達の学費のために貴族令嬢として生きるのを諦め、とある伯爵家に侍女として奉公に出た。

 その先で伯爵家の跡取り長男に手籠めにされ、妊娠。しかし「使用人の身分で主人を誘惑するなんて」と侮辱され、追い出されてしまう。


 他に行き場がなく実家に戻ったと頃に妊娠が発覚。ギルバートを出産する。その後、彼に魔眼が備わっていることが判明し、彼の物心がついて暫く経った頃にルーセント辺境伯家に第二夫人として嫁ぐ事になった。

 とはいえ、それは彼女が養子になるギルバートと母として一緒にいるためのもので、現ルーセント辺境伯との肉体関係はない。


 また、この際辺境伯家の計らいでギルバートとの実父とは法的に他人であることを示す書類を作成し、提出している。


 一連の事件で呪われ昏睡状態にまで陥ったが、レオディーナの『解呪』によって呪いを解かれた。その時、状況がよくわからずに周りに合わせていたら、現れたグレンがかけた『快方』によって劇的に回復してしまった。それで諦めて彼の回復魔法で治ったことにした。


 クロエからの相談や自身で交流してみたことで、レオが少年でないことは気づいているが、息子の性格を考えてあえて黙っている。また、息子自身も自覚していない気持ちも察している。

 本来なら辺境伯爵家を継ぐ息子とスラム育ちらしい少女の接近は止めるべきだが、彼女の中では感情的にも理性的にも「応援すべし」と答えが出ている。


 もしレオディーナが前世の記憶と魔力に目覚めなかったら、呪いによって殺されていた。周囲には原因不明の病を得て儚くなったと思われ、その死の真実は後々まで明らかになることはなかっただろう。




〇グレン


 ノミで彫ったような堀の深い精悍な顔つきの、筋骨隆々とした大男。毛皮のマントや棍棒としても使える杖を愛用している。

 ルーセント辺境伯家のお抱え魔道士の一人で、魔力は中の上。現辺境伯爵の忠臣。


 一見すると傭兵か賊のような強面で、見た目通り礼儀作法も社交も苦手で腹芸の類も出来ない。しかし、見かけにそぐわぬ生真面目さと高い職業意識を持っている。

 また、頭が悪いわけではなく独自に古文書を紐解き回復魔法を短期間で習得することに成功している。


 辺境伯爵夫妻の一人息子であるゲオルグに辺境伯爵家を継いでほしい気持ちがあるが、それはそれ。主君の期待に応えるため誠意をもってガラテアとギルバートに仕えている。

 もちろん、ゲオルグに家を継がせるためにギルバートの排除や彼を陥れようなんて考えたこともない。


 ギルバートにその気質を買われ一連の事件の解決に協力を要請されたのと、ゲオルグが正式に他国に婿入りすることが決まったことで、彼に心から仕えている。


 レオに関しては全く気づいておらず、友人としてギルバートを頼むと言ってガラテアやタニアをはらはらさせた。


 もしレオディーナが前世の記憶と魔力に目覚めなかったら、『快方』の魔法でもガラテアを回復させることが出来ず、彼女の死を自分の無力さが招いたものだと悔やみ続けることになっただろう。



〇カロス


 ルーセント辺境伯家の王都のタウンハウスで働く、青年執事。当主の従兄の紹介で本領から来た期待の新人で、執事長のアドニスから自身の後継と目されていた。

 その正体は当主の従兄のスパイ。黒幕である当主の従兄の指示で、ギルバートを監視。彼が辺境伯家を継いだ時、ガラテアが専横を働くのを防ぐためと言う理由で、彼女を呪い殺すよう命じられ指示に従った。


 上手くいきかけたがギルバートの依頼に答えたレオディーナによって、ガラテアの呪いが解かれてしまった。そして焦った挙句独断で黒幕の伝手を使いガラテアの暗殺を企て、それによって捕まってしまった。

 現在は貴人、しかも仕えている主家の夫人の殺害を試みた罪で収監され、過酷な労働に残りの一生を費やすことになった。


 また、黒幕の辺境伯爵の従兄は急な病のため職を辞し、環境の良い修道院で療養していることになっている。


 もしレオディーナが前世の記憶と魔力に目覚めなかったら、ガラテアを指令通り無事呪い殺すことに成功していた。その後は何食わぬ顔でアドニスの次の執事長となり、後々まで潜伏していたかもしれない。

 そしてギルバートが特定の異性と親しくなったときに再び黒幕からの指令を受けて犯行に及んだ可能性もある。




〇アドニス


 四角い顔つきの壮年の男性。ルーセント辺境伯家のタウンハウスの執事長を務めている。

 真面目な性格で長年仕えていたが、後継者と目していた青年がスパイでガラテアを暗殺しようとしていたことを見抜けなかったことにショックを受けている。


 自身も薬を盛られ危ないところだったが、素早く救出されたことで難を逃れている。上司としての責任を取って職を辞そうとしたが、ガラテアに慰留され執事長を続けることになった。


〇イネス夫人


 ギルバートの礼儀作法とダンスの家庭教師。

 ルーセント辺境伯家の家臣ではなく、依頼を受けて授業を行う個人事業主の家庭教師。


〇ゲオルグ・ルーセント


 名前だけ登場。ルーセント辺境伯夫妻の一人息子だが幼い頃から病弱で、王国の北の守りを担う辺境伯家を継ぐのは難しいと思われていた。

 他国への婿入りが内定している。


〇ルルモンド商会


 名前だけ登場。先代のクラハドールの時代にオルフェ伯爵家唯一の御用商人になり、伯爵家との商売を独占している。

 キノコの栽培事業を始め、事業拡大中のピッタリア商会を目障りに感じて、圧力をかけるようカタリナに働きかけ続けていた。


〇トーラス


 ピッタリア商会と契約している傭兵。歴戦の腕利きだが、片目を失い脚も悪くしたため一線を退き、護衛として雇われている。

 アルベルトとは以前からの知り合いで、ピッタリア商会に雇われているのも彼の紹介によるもの。


 レオディーナの回復魔法によって目を取り戻し脚も回復するが、彼女への恩に報いるためにもピッタリア商会との契約を続けている。


 多くはないが魔力を持っており、生活魔法や強化魔法を使うことが出来る。また、妻帯者で娘が一人いる。


〇キリム


 キノコ栽培場の建設工事の現地作業員の青年。そのまま稼働した栽培場で働き続けている。

 ぎっくり腰をレオディーナの回復魔法で治療してもらった。


〇オランド


 キノコ栽培場の建設工事の現地作業員。壮年で、妻と息子夫婦、そして孫と暮らしている。

 去年畑が不作だったうえに、孫が手に火傷を負って指がくっついてしまい、その治療費を稼ぐためにも働いていた。


 レオディーナの回復魔法とパウルが実施した医療費の補助制度のお陰で、孫の手はレオディーナの回復魔法に寄って治り、元通りに動かせるようになった。

 現在はキノコ栽培場で働いている。


 レオディーナが前世の記憶と魔力に目覚めなかったら、キノコ栽培場の仕事もなく孫に回復魔法もかけて貰えないため、長く苦境が続き領主一家に対して恨みを募らせていたかもしれない。


〇コルネオ・ラング子爵


 三十代の男性貴族。治めている領地がオルフェ伯爵家の隣であり、ビルギットやそれ以前の当主には寄り親として世話になって来た一族。しかし、クラハドールの代になって以降は迷惑をかけられ無礼を働かれ続けている。

 そのためカタリナに対しても良い感情を持っておらず、その娘のルナリアにも期待してない。

 アルベルトもその伯爵家の入り婿だが、同情と彼が貴族としての礼儀を保っているため交流を続けている。


 レオディーナが生まれる前に起きたラドグリン王国と敵国との戦争では、領地が戦地から離れていたため直接は参戦していない。そのため、褐色の肌に忌避感や差別意識は覚えていない。


 魔力は小の上で、魔力量自体は多くないが特定の魔法に習熟している。その付与魔法と強化魔法を併用した弓は魔物を一撃で射殺すほどの腕前を誇る。また、バンクレットから螺旋訓練法の授業を受けている。

 結婚して数年の妻との間に長男のハンニバルが生まれており、一章終了時点で二歳になる。


〇ルクレツィア・ラング子爵夫人


 金髪に青い瞳をした貴婦人らしい貴婦人。二十代前半。魔力は小の下。生活魔法がいくつか使える程度。最近バンクレットの講義を受け螺旋訓練法を習っている。

 ラドグリン王国西部出身で、地元のフルーツのプラベリーが好物。洞察力に優れるが、話術はレオディーナが評価しているほどは匠ではない。本当にそうなら、相手に自覚させずに欲しい情報を聞き出せている。

 夫同様褐色の肌に対する忌避や差別意識は覚えていない。


 夫の影響でオルフェ伯爵家にはいい感情を持っておらず、アルベルトが不倫していた件について口ではカタリナに同情しているが、本心では愉快痛快ねと思っている。


 アルベルトの色のリボンをしたレオディーナを一目で彼の娘だと直感。隠し子を引き合わせた彼の意図を計りかねている。しかし、彼女が稀代の魔道士であることと良い娘であることが分かったので個人的に気に入っている。


 カタリナの娘のルナリアについては、存在していることは知っているけど会ったことがないので知らない。カタリナの葬儀には、ライオットが知らせなかったため出席していない。


 夫婦仲は良好で、夫との間に一章終了時点で二歳になった息子のハンニバルがいる。


〇クレッツェン・カソート


 ラング子爵家のタウンハウスの執事長。生活魔法や簡単な強化魔法が使える。


〇レオン・ベルメン男爵


 オルフェ伯爵領の近くの領地を治める男爵家の当主。


〇ビビオ・ポーネ子爵令息


 ルクレツィアの従兄の少年。ポーネ子爵家の次男で、騎士を目指して王立学園に通っている。


〇ブラックデスロアー


 名前だけ登場。五十年前にアーガイル公爵領の森で発生した魔物化したドラゴンで、魔龍大禍を引き起こした。

 なお、この作品の舞台となる世界ではドラゴンやグリフォン等は魔物ではなく、野生動物の一種。それが魔力の偏在地で魔物化すると魔龍などと呼ばれる存在になる。


 先々代オルフェ伯爵のビルギット率いる一団を返り討ちにし、アーガイル公爵領に壊滅的な被害を及ぼしたが、当時の第一王子率いるパーティーによって討伐されている。


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誤字報告ありがとうございます

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パパのルナリアへの対応は「家族の行き先に転がる石ころ」 だからルナリアから部屋を取り上げる事に躊躇が無かった 好意の反対は憎しみでは無く無関心 殆ど会った事も無く名前だけ知ってる「他人」に特別な感情…
パパん、今まで通りに堅実に信用と実績を積み重ねるかはたまた改革路線でいくかすれば良いのにどうしてこんなことを… 復讐にしても貴族らしくもっとやりようってものがあっただろうになぁ 面識ほぼない娘ちゃん…
このままだとアニメ化が!?
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