表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【プロットタイプ】愛を込めた独占

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

無意識ながらも愛が重い。

そしてさり気なく牽制をする。

そんな事してそう。

「はいこれ、上げる」

鏡花は気に入った奴に良くものを渡す。取り分け相手が日常的に使いそうなものを選ぶ。

その言葉には『物を使っている時に、自分の事を思い出して欲しい』という気持ちが多分に篭っている訳だが。

そう考えると、彼奴は俺が思っている以上に、独占欲が強いのかも知れない。使うもの全てが彼奴から贈られたものだったら、俺の全ての所有権は彼奴のものになるのだろうか?


そんな事を考えて寝落ちをしたら、高校時代の体育際の夢を見た。彼奴は借り物競争に出ていて、お題に沿った物を探す為、当たりを見回していた。

――瑠衣たん〜? ゆらりぃ〜? 〜麗衣ちゃま〜? はい〜!! 三人集合!!

名前を呼ばれた諭羅と麗衣は、先に席から立ち上がって鏡花の元に駆けていった。俺も一足遅れて、席を立ち上がると、強引に腕を掴まれた。

――ほら〜!! やる気ないのは分かるけど、クラスの為だよ。

うるせぇな。足が遅ぇんだよ。そんな事を考えていたら、何時もの様に麗衣が俺をおぶって走り出す。呼び掛けた張本人を追い越して、先にゴールへと辿り着く。

――はい。鏡花選手のお題は『好きな人』!! なんと三人纏めて連れて来て戴きました〜!!

校庭が熱狂の渦で沸き踊る最中、鏡花は晴れやかな笑顔で何かを述べていた。


キリが良いところで目が覚める。俺は椅子に腰掛けており、文庫本を持っていた。読書の最中に強い眠気に襲われて、そのままぽっくりと眠ってしまったらしい。

「瑠衣たん、おねんねするならベッドだぞ〜?」

鏡花の煽る声がする方へ顔を向けると、ニヤケ面で栞を弄る。この間、鏡花に貰った栞。金属で縁取られたステンドグラスの様な美しいもの。

「もう!! ちゃんとしてよね? 人から貰ったものなんだから」

「渡したのお前だろ」

そんな何時もの軽口を返しながら、鏡花の指先で弄ばれる栞を奪う。どこまで読んだかは薄ぼんやりと覚えている。だが、それよりも。

「お前、高校の時の体育祭、覚えているか? そこで借り物競争に出た事」

「覚えてるよ。瑠衣たんとゆらりぃと麗衣ちゃま連れてゴールした」

「あの後、お前はなんて言った?」

「『生涯に渡って好きな人です!! これからもめいいっぱい愛情を注いでいきます!!』だったはず。ちなみに麗衣ちゃまは照れて、ゆらりぃはうんざりした顔で、瑠衣たんは無表情でゲンコツだった気がする」

やはり独占欲は強いタイプらしい。

鏡花って気に入った人に贈り物をするのが好きなんですよ。

理由は使っているとき、自分を思い出して欲しいから。

結構、重い理由。

だから日常品か目に付く物を贈りそう。


でもその裏側では少なからず独占が見え隠れしている。

鏡花が渡したものでいっぱいになれば、他が入り込む余地はない。

と薄ぼんやり思った瑠衣たん。

そんなことを考えていたら、その片鱗は高校時代の体育祭から浮き彫りだったなと。


『好きな人』にお気に入りの三人呼び付けて、『生涯に渡って好きな人です!!』なんて普通は言いません。

『この子達は私のだから!! 誰にも渡さないから!!』という一種の牽制。

まあ、瑠衣とは約束してましたが、他二人はしてないので。


そんな事しなくても、一緒に居てあげるって。あの三人。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ