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狐さんと行く歴史探索  作者: 貝石箱
歴史探索部

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郷土の歴史にふれて思った

このお話は読み飛ばして貰って大丈夫です。


 次の日の日曜日、僕は図書館を訪れていた。

 昨日、狐さんの言った呪い云々が気になって、この地域の歴史を少しばかり調べてみようと思ったからだ。その狐さんは昨日、帰宅後に眠いと言って眠りに入ってから起きてこない。


 ちなみに今日、熊谷君と武田さんは動物園デートらしい。熊谷君から送られてきたメールで知った。今回のことで武田さんとじっくり話す機会が出来た事と僕へのお礼の言葉も一緒に添えられていた。武田さんも感謝していたらしい。


 これって、休み明けに武田さんに殺されなくて済むんじゃね?

 ……って、もともと本当に殺されはしないだろうと思ってたけど。

 メールの返信どうすっかな。武田さんを送って行ってた家の表札が『熊谷』になっていた事とか、聞きたいことはあるけども……まいっか。

 ぼっち図書館の僕が、君たちに返す言葉なんて一つもないよ。今回は二人に上手く利用された気はするけど……まぁ、後は二人で勝手にやってくれ。




 僕は、郷土史コーナーから書籍や資料を片っ端から手に取ると、机に積み上げていく。

 窓から差す春の木漏れ日が心地よく、今日は日曜日という事もあり、人はまばらで、調べ物をするには丁度良い日だろう。

 さっそく、その一冊を手に取り読み始める。

 その本に書かれていたのは、合戦の歴史やそれにまつわる逸話で、その中で特に印象的だったのは、熊谷元直の妻の逸話だった。元直が有田合戦で討死して逃げ帰っ家臣を「遺体をなぜ持ち帰らぬ」と叱咤すると、単騎で馬を駆けて無数の屍の中から夫を探し出すも、非力な女の自分では持ち帰れぬと泣く泣く夫の右腕を切り離し、持ち帰った腕を井戸水で洗いその場に弔ったという。


 何と言うか、「すごい」と言う言葉しか出てこなかった。


 そうして何冊か読み漁り特に気になったのが、安芸武田氏の家系についてだ。

 中でも、資料によっては子供がいないとされている八代目当主の武田光和さんだが、実は婚姻関係のない実子が三人いて、上二人の兄が早死にした後、身を案じた三男の小三郎(後の武田宗慶)は香川氏に保護してもらって、その後、毛利元就さんによって欽明路に匿われたという。

 そしてもう一つ、武田信重さんの父親が武田元繁さんの家臣でもあり、娘婿とも言われている伴繁清だろうという事。注目すべきは、伴繁清が生涯『伴』の姓を名乗っているのに対し、息子の信重は『武田』を名乗っているところだろうか。


 これは、小学生の時に歴史好きな先生に聞いた話だけど、当時、戦国の世では、兄弟や親族をその手に掛けるという事が当たり前のように行われていたらしい。

 そういう時代背景が、狐さんの言う『呪い』に何か関係しているのでないだろうか。

 まぁ、これは全てただの推測に過ぎないが。今日一日調べて本当のところは何もわからないままだ。


、気付けば、日も傾きはじめていた。

 スマホを見ると、『未読メール1』とついていた。住吉さんからだ。内容は住吉パパからの呼び出しのようだ。ちなみに学校の裏山の祠は、住吉パパによって無事壊されたらしい。僕は大きく溜息を吐くと山積みの資料をもとの場所に戻し図書館を後にした。




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