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狐さんと行く歴史探索  作者: 貝石箱
歴史探索部

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25/34

25.

こんにちは。

ナレーターの山田項です。

本日はよろしくお願い致します!


 ほどなくして、熊谷君の頭上に降りて来たのは、全長2メートルほどもある全身黒ずくめの甲冑を纏った偉丈夫だった。


 あっ、あれは、……………………えっと? だ、だれ???

 おそらくは、『安芸熊谷氏』の誰かなんだろうけども。武田さんと熊谷君の関係を考慮すれば、『安芸武田氏』との関係が良好だった時代、あの有名な中国の『項羽』とも並ぶ武勇の持ち主という『武田元繁』さんと仲の良かった、猛将と誉高い『熊谷元直』さん辺りだろうか?


 ソレが熊谷君の中に消えて、ほどなく甲冑が熊谷君へと繁栄され、全身に甲冑を纏い、背には身長ほどもある太刀を背負う姿へと変わって行く。


 格好良いなぁ……甲冑。僕なんて犬だもんなぁ…………

 …てか、あの太刀、長すぎないか!?

 確か、佐々木小次郎の物干し竿でも3尺(約90センチ)とか4尺っていうし、熊谷君の背丈ほどの大太刀を元直さんが振り回して戦っていたのだとすれば、記録に残されていてもおかしくないと思うんだけど……。


 でも、まぁ、なくもないか。

 以前、住吉さんに降りた『福島正則』さんも水牛兜と日本号を同時に所持していたし、『熊谷元直』さんだって戦場で使われることのない大太刀を大切に隠し持っていたかもだし?

 そもそも、今、目の前で起こってる『神降ろし』事態が非現実的なんだもんなぁ……と、項は、これ以上深く考えることを放棄した。




 そして、ふと思った現実的な疑問。

 熊谷君、あの長さの太刀を背負ったまま抜けるのかな?


 項の心配を余所に、雨竜は、走りながら自然な所作で大太刀を抜くと、そのまま袈裟切りで死神を真っ二つに切り裂いた。

 死神は、切り裂かれた傷口から煙になっていき、やがてそのすべてが煙になり消えてしまった。


「七美ッ!……無事か!?」


 自身を呼ぶ声に振り返り、七美は雨竜の姿を視界にとらえると、雨竜の胸へと飛び込んだ。


「雨竜、どうしてあんたがいんのよ。……でも、ありがと♡…………あと、山田は明日学校でぶっ殺すッ!!」


 二人の惚気(のろけ)シーンを盗み見てたら不穏なセリフが耳に入ってきたんだが。えっ!?僕、明日殺されるの??……あっ、でも明日は日曜日だから学校に行かなきゃ殺されることはないな。

 だけど、いきなり武田さんの真後ろに大鎌を首に当てた状態で現れるとは思わなくて、助けに入るの遅れて怖い思いもさせちゃったわけだし、休み明けに武田さんにはそれとなく謝っておこう。


 再びカメラを二人へと戻そう。二人は互いに抱き合い、やがて甲冑の偉丈夫は目の前の美少女へと長く甘い口づけを……なんて展開にはならなかった。

 熊谷君の視線の先にオーブのような球体が、突如として現れたのだ。それを見た直後、チラッと僕のいる茂みを気にした辺り、目の前の異常な現象によって瞬時に冷静さを取り戻したのだろう。

 二つ目三つ目と球体はその数を増やし、あっという間に二人の周囲は球体に埋め尽くされてしまった。


 その数、数百。いや、千体以上か。


 球体は一斉に二人へと襲いかかる。……が、流石は熊谷君と言ったところか。

 次々と襲いかかる球体すべてを、光る刀身を持つ一本の太刀で捌き続けていた。

 しかも、武田さんを守りながらだ。

 熊谷君、剣術の心得もあったんだね。

 格好良すぎだろう。


 ちなみに、太刀の刀身だけど、見ると光り輝いていた。

 きっと、あの刀身はライトセーバーのような光剣なのだろう。だから背負ったまま、あの長さの太刀を難なく抜けたのだ。

 光剣を振り回す熊谷君の姿はまるで……フォースなのか!?フォースの力なのか!?って感じ。

 ま、まぁ、他の人の理解は求めてないから大丈夫。



 やがて……次第に捌き切れなくなった球体が、一つ、また一つと熊谷君へと直撃していく。熊谷君は、苦悶の表情を浮かべ……って、マズイじゃん。何これ、隠れてナレーションしてる場合じゃないじゃん。


「狐さんお願い!」

『まったくオマエは難儀な奴だのぅ。ホレッ』


 僕は、狐さんの『神降ろし』で犬化すると二人の元へと駆け出した。

 熊谷君が5つ目の球体の直撃を受けて、膝から崩れ落ちそうになる。

 僕は更に加速して、熊谷君の背中めがけて飛んできた球体をパンチで弾き返すと、熊谷君と背中合わせに立った。


「おせぇよ!」




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