№8 かふぇでみーてぃんぐ
カフェDE。
シャロット、莉子、ホロン女子3人はとぼとぼと帰宅の途についている。
みんなは無言のまま、街中へと入った。
「はあ」
ホロンが思わず溜息をつく。
「ん、どうした」
シャロットが声をかける。
「ああ、すいません・・・つい、なんだかなあって」
ホランは頭をさげる。
「ふむ、アタシも同意だ」
シャロットが微笑むと、つられてホランも笑った。
「アンタ達」
莉子が不意に立ち止まる。
「ん?」
「はい」
「よってく」
親指をたて示す先には喫茶店があった。
「じゃ、私パンケーキ」
莉子はメニューも見ずに手早く注文する。
「私はケーキセットの紅茶とモンブラン」
ホランはメニューからケーキセットを探し注文する。
「おい、莉子」
シャロットは肘で莉子をこづく。
「何よ」
「何を頼んだらいいんだ」
「好きなの頼みなよ」
「だから、何が美味しいのか、いいのか分らん」
「あ、そっか」
異世界転移だった彼女を思い出す。
「ごめん。じゃ、こっちで勝手に決めていい?」
「ああ、頼む」
「それじゃ、店員さん。この子には苺パフェをお願い」
「かしこまりました」
ウェイターは水とおしぼりを置くと、会釈をして去って行った。
「ふう」
莉子は溜息をつく。
「康治は囚われの身か?」
シャロットはコップの水を口つけ飲む。
「そうではないですけど・・・」
ホランは目を伏せた。
「あれは本人も望んでの事よ・・・だってヲタクですもん」
莉子の言葉にホランは頷き、シャロットは眉をひそめた。
「康治も望んでの所業とは・・・ヲタク?聞き慣れない名だ」
「ん~マニアック萌っ娘、大好き人間」
「そうなんですか?ヲタクにもいろいろありますし」
「アイツ魔法少女が好きなのよ」
「成程・・・」
「魔・法・少・女?」
シャロットが首を傾げる。
「あ~もう、なんか、ごめんなさいっ!ようは趣向・・・好みが二次元・・・そう、絵っ、絵の中の娘が好きなのよ」
「そんなっ!」
シャロットは驚き、立ち上がった。
ぐらぐらとコップの水が揺れる。
「まあまあ、安心して、アイツはアイツ、うちらのこと好きだったでしょ」
「そうか、そうだな」
シャロットは頷き、座る。
「?」
不思議そうな顔のホラン。
ことり、スイーツたちがテーブルに並べられる。
「あ~、ごめん。こっちのこと・・・なんだかな~、さっ、とりあえず甘い物、食べましょう」
莉子は髪の毛を撫でると、2人にスプーンを手渡す。
「いただきます」莉子。
「いただきまーす」ホラン。
「いただき・・・ます」シャロット。
パクリ。
苺のパフェを一口。
「うまいっ!うまし!」
「よかったね~」
お姉さんのような目で莉子とホランはシャロットを見た。
あれ、みーてぃんぐまでいってない(笑)。