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完結編 Autumn~Winter~そして・・・

 衝撃・・・でもないか。


 2021年の12月某日、莉子とシャロットはある人物に呼ばれた。

 男は開口一番に2人に謝罪する。

「ごめんなさい」

「いきなり、どうしたのよ、作者」

「そうだぞ、アタシ達の露出でも増やすつもりか」

 2人の言葉に作者は首を振るばかりだった。


※以下、しばらく会話が続きます。莉=莉子、シ=シャロット、作=作者。


作「実は、今話でこの作品を完結しようと思う」

シ「はあ?」

莉「なろう会話でいうエタるってやつね」

作「・・・返す言葉もない」

シ「そう思った経緯は?」

莉「そういや、全く評価されてなかったもんね」

作「それは否定しない、書くモチベーションが下がったというか」

シ「ふむ、だが、いいのか、それで?」

莉「そうよ。アンタの唯一の取柄ともいえるのがエタらないでしょ」

作「それは・・・」

莉「まあ、もうそう決めちゃったんでしょ」

シ「お主は思ったら即行動の短絡脳だからな」

作「えらい言われようだな」

莉「だってそうでしょ。散々、私たちを動かしといて」

シ「評価貰えないから辞めるって」

莉「あんた、何様のつもり?」

シ「いちょまえのつもり?」

作「・・・・・・」

莉「あんた言っているわよね。読んでいただけるだけで満足って」

シ「それは嘘なのか?」

作「違う!それは違う・・・けど」

シ「けど何だ?」

作「やる気が・・・」

3人「・・・・・・」

莉「・・・私達は、どうなるのよ?」

作「中途半端だけど、きちんと完結させる」

シ「出来るのか?」

莉「あんた、ふざけているの?」

作「みんな(キャラ)にもみなさん(読んでいただいている方々)にも、申し訳ない。なんといっていいのか・・・ただ、こういう失敗と言うか、苦い経験もしとく方がいいのかなと思う自分がいるんだ」

莉「・・・失敗ね」

シ「苦い経験だと・・・」

莉「やっぱ、ふざけてるね」

シ「ふざけてるな」

作「返す言葉もないけど・・・まあ、聞いてくれ」

莉「聞きましょうじゃないの。どんな言い訳・・・理由があるのか」

シ「アタシ達のことだからな」

作「読んでいただいているみなさん、莉子さんにシャロットさん、それから本作に登場したみんな、本当に申し訳ない。書くモチベーションがあがらず、ジリジリ続けるより、考えた結果、一旦、終わらせようと思った次第・・・」

シ「それから」

作「うん。それで急遽完結させる為に、秋、冬編のざっくりとした構想を話して完結したいと思っている」

莉「納得できない」

シ「な」

作「本当にすまない」

莉「そう、一応考えた末の事で、あんたがそれでいいのなら、こっちは何も言わないけど」

シ「では、聞かせてくれ構想とやらを」

作「ああ・・・」

莉「待って、私達はいいから読んでくださった方々に、ここでしっかりと謝って」

シ「そうだな」

作「皆様、中途半端な終わり方となった申し訳ありません。ずっと、自分が楽しんで書いているから続けられると思っていました。だけど、話数を重ね字数も伸びていく内に、このままでいいのかなと、ふと思い、それからこれではないのかなと考えるようになりました。人ではなく自分だと強く言い聞かせて書き続けていましたけど、やっぱりそれなりの結果もでているので、しばらく考え踏ん切りもつきました。ただ、ひょっとして楽しみに読んでいる方がいたなら、本当にすいませんでした。ペース配分もわきまえず、書き続けた自分が未熟でした。次の経験と糧にして精進します。ごめんなさいとありがとうございます」

シ「・・・なんともな、自分の思いを貫き通せぬとは」

莉「・・・ま、分った。やる気がないんじゃ仕方ない」

作「ごめん」

莉「・・・出来る限り、納得する形で完結させて」

シ「そうだ」

莉「じゃ、話を聞かせて」

作「分かった。2人ありがとう。では、秋編は修学旅行と文化祭の二本仕立てで展開しようと考えていたんだ。修学旅行では、みんなとのいざこざをコミカルに描いて、文化祭ではいよいよ康治と2人の仲を描こうかと」

シ「ふむ」

莉「でも、メインイベントが2つもあるじゃない」

作「それがミソで最後に非条理な日常が分かる仕組みとなっている。次の冬編では、メイン3人の恋愛模様もを描き、クリスマスへ」

シ「ほう」

莉「それで、進展は・・・」

作「ありまぁす。チューはマストで」

2人「おお」

莉「だったら書きなさいよ」

シ「是非」

作「思考を止めてしまったから・・・」

莉「とんだポンコツね」

シ「まさに」

作「そして、最終話となり、再びの春だな」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

シ「じゃあ」

莉「本編いこうか」

作「よろしく頼みます」

2人「では、最終話、そして・・・また」

3人「ご清聴(読)、ありがとうございます」



 最終話 そして・・・また


 うららかな春がまた訪れる。

 高校3年となった康治、莉子、シャロットは沖福学園の裏庭にある大木、桜の木のもとに来ていた。

 学園にまことしやかに伝わる伝説がある。

その桜の木の下で告白すると、2人は永遠に結ばれるという、まあどこにでもあり、かつ安易な完結方法であるこの場所に3人は立っている。

 だが、一方で桜には怖い話もまた語られている、桜の木の下には○○が埋まっているとも・・・。


 桜を背に立つ康治に、莉子とシャロットが右左にトライアングル上に立っている。

「気持ちは決まった?」

 莉子ははやる気持ちを抑え、康治に聞いた。

「ああ、決めた」

 こくり彼は頷く。

「どちらが選ばれても恨みっこは無しだ」

 シャロットは、莉子を見て微笑む。

「うん」

 莉子も微笑み返す。

「さあ」

 莉子はつとめて明るい声で、

「どっち?」

 2人は同時に言った。

・・・・・・。

・・・・・・。

・・・・・・。

 しばしの沈黙の後、さーっと風が走り、桜吹雪が3人を包むように舞う。

「ふた・・・」

 康治が答えようとした刹那、桜の根元がぐらりと揺れる。

「2人だーっ!」

 ズボッと異世界のブ男康治が土の中から姿を現した。

「康治っ!」

「康治ぃ!」

 想いもよらぬ出来事に、驚き、叫びをあげる2人。


 バタンッ。

 その時、この世界が姿を現した。

 舞台のセットのように壁が倒れはじめると、3人はゆっくりと異世界へ向けて落下しはじめた。


「これは・・・」

 シャロットは言葉にならない。

「やっぱり、おかしいと思ったんだ・・・コロナだからって・・・いろんなことがあり過ぎたもん・・・」

 莉子は苦笑いを浮かべる。

「虚構空間というヤツか」

 シャロットはつぶやいた。

「まあ、そういうことらしいな。とりあえず2人が捕らわれなくて良かった」

 康治は言った。

「じゃ、これは・・・いったい」と、シャロット。

「幻なの」と、莉子。

「いいや、これは新しいはじまりだよ」

 康治は崩れ行く世界の上を見上げた。

 空間の切れ間から、虚構現世の康治が顔を覗かせている。

 絵馬や圭そして、露利田の姿もあった。

 みんなは、少しだけ寂しそうな顔をして手を振っている。

 現世の康治は叫んだ。

「またな!俺は二人とも大好きだ!」

 大きく手を振る彼に莉子とシャロットは即答する。

「うん」

 莉子は頷く。

「いつか、また」

 シャロットは笑う。

 ゆっくり、ゆっくり異世界に向かって落ちる3人。

「さすが、俺だな」

 康治は呟いた。

「ふーん」

 2人はじっと彼を見る。

「なんだよ」と彼。

「いや」

「別に」

 と、莉子とシャロットはくすくすと笑いだした。

「・・・・・・」

 ふてくされる康治に、

「ねえ」

「迎えに来てくれたのか」

 悪戯っぽい笑みを浮かべる2人。

「・・・まあな」

「ありがとう」

 莉子とシャロットは異世界康治の左右のほっぺにキスをした。

 ゆっくり、ゆっくりと3人は帰るべき場所へと。

「ありがとう」

 消えかかる虚構の世界に3人は感謝の言葉を伝えた。


                  おしまい


 一旦、結びます。

 読んでくださった皆様にはごめんなさいと感謝です。

 ありがとうございます。


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