№13 夏合宿がキターっ
沖福アニ研が海の家に~。
眩しい太陽、輝く海、そして美しい砂浜。
沖福アニメ研究会一同と乙女たちは夏合宿に来ていた。
「莉子ちゃん!焼きそば3つ!至急2番テーブルっ!」
「はい」
「シャロちゃん!5番テーブルさんにビールっ!」
「わかった」
「ホランちゃん、かき氷の注文、それからつくって!」
「わかりました」
海の家の女主人、江洲田芽瑠はテキパキと指示をだす。
年齢40歳、しかし彼女は年を感じさせることはないくらい、若々しくみえる。
Tシャツに短パン、エプロン姿は、普通の男達なら欲情をかきたたせるには十分すぎるほどの女性だ。
慌ただしく動き回る3人。
「ほらっ!厨房っ男ども!手を動かすっ!」
厨房で働くアニ研メンバーに、江洲田の声が響く。
「御意っ!」
「先輩っ!」
皿洗いをする絵馬が、恨みがましく露利田に言う。
「ん?」
鉄板で、やきそばを炒める部長が振り返る。
「話が違うじゃないっスか」
「働かざるもの食うべからずだ!」
「いやいや合宿でしょ」
と、同じく皿洗いの圭。
「そうそう」
頷く康治は、圭から皿を受け取り、厨房のテープの上に並べる。
「皆の衆、普通に食べて寝泊りしたら、いくらかかると思うのだ。わずかばかりの労働で合宿を堪能できるなんて夢のような話とは思わんかね」
「・・・ちなみに、いつ解放されるんですか?」
「ん?海の家の閉店が16時だから後片付けで17時ってところだ」
「なんですとっ!そんなにっ!」
男3人は目ん玉を丸くする。
「厨房っ!手っ、手を動かすっ!」
江洲田の檄がとぶ。
「御意っ!」
看板娘たちの到来もあって、海の家は大盛況であった。
みんなは時間も忘れ、駆けずり回る中、閉店時間を迎えた。
「よし、みんなよくやったね」
女主人、江洲田が労う。
「じゃ、女の子たちは遊んどいで」
「え」ホラン。
「本当?」莉子。
「いいのか?」シャロット。
「いいの、いいの。片付けは私と男達でやっとくから」
「えええ~っ!」
男どもは一斉に不満を漏らす。
「あたりまえじゃ!レディファースト」
「それって、男女差別じゃ・・・」
「シャラップ、都合のいい時だけ、そんな言葉は使わないっ!」
「・・・・・」
ぱん、ぱんっ!
芽瑠は大きく二度、手を叩いた。
「さぁ、あと少し頑張るよっ!」
男達に檄を飛ばすと、乙女たちにはウィンクしてサムアップしてみせた。
「いっといで」
「はい」
3人娘は浜辺へ駆けだした。
キターっ!




