№9 決着
アニフェスを魅了。
緊張と幻かのような舞台が終わり、みんなは息をきらせ微笑み合う。
「まだ、私、心臓がばくばくいってます」
ホランはきゅっと左胸を抑えた。
「その割には」
右に立っていた莉子が、ハイタッチすべく左手を広げる。
「ノリノリだな」
シャロットは少しだけ意地の悪い笑みを浮かべると、右手を広げる。
それは彼女にとっては高い位置にある。
「莉子さん、シャロットさん・・・えい」
ホランはジャンプをして、両手を広げる。
ぱちん。
ハイタッチする。
「もう」
3人は破顔した。
「皆の衆」
露利田は高揚し続ける気持ちを抑えつつ続けて、
「よくやった」
「部長」
3人は言った。
「なんか・・・」と絵馬。
「いいスね」圭が続ける。
「ああ」
康治は頷くと眩しそうに乙女たちを見た。
「K3と愉快な仲間たち」
アーサーは自虐的な笑いを見せ、振り返るみんなにそっと手をさしだした。
その時。
観客の興奮とどよめきでステージが揺れた。
「結果発表~!優勝はK3と愉快な仲間たちっ!」
「完敗だよ」
アーサーは正直な気持ちを告げる。
「完勝だな」
康治は言った。
「・・・君は」
「ん」
「何もしてないんじゃ?」
「まあね」
「ふ」
アーサーは自嘲する。
「?」
康治は訝しがる。
「力の源か・・・」
彼は呟き続けて、
「まあいい。今回は潔く・・・だが次会う時には、この聖バーン学園アーサーならびにみんな容赦はせん」
後ろに控える黒百合隊は大きく頷いた。
「受けて立つ」
シャロットは堂々言い放った。
「ああ、いいっ!」
その凛とした姿にアーサーは身悶える。
こうしてアニフェスは沖福学園の大活躍によって幕を閉じたのだった。
次回もよろしくです。




