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№8 開演魅了ス

 夢舞台開演。

 

 ステージ裏にて。

 3人娘と露利田は綿密な打ち合わせをしている。

 鼻歌で曲をうたう莉子とシャロットに、部長は何度も頷いた。

 そして、

「了解した」

「・・・これで弾けるの?」

 莉子が尋ねる。

「問題ない。絶対音感かつ萌音楽は絶対離さない私の実力(じつりき)を侮るなかれ」

「すごい」

 ホランは驚く。

「それに・・・」

「それに?」

 シャロットがオウム返しに聞いた。

「前に聞いたことがあるような・・・心地よい曲」

「だな」

 康治、絵馬、圭は同意し頷いた。


 番手が回る直前となり、沖福メンバーは円陣を組んだ。

「楽しもう」

 シャロットが手をだす。

 こくりみんなは頷く。

「うん、楽しむ」

 莉子はその手に手を合わせる。

「私もです」とホラン。

「しょーがない、やったるか」と絵馬。

「兄の偉大さ見せてやるか」と圭。

「皆衆、我等の萌魂をみせつける時っ!」と露利田。

「行こう!」康治は叫んだ。


「開演時間です」

 スタッフが声をかける。

 みんなの心が引き締まる。


「んじゃ、K(康治)3と愉快な仲間たち!行くよ~!!」

 莉子が号令をかける。

「K3~っ!YN(愉快な仲間たち)~っ!」

 みんなは空に手をあげ叫ぶ。

「GOっ!」



「それではっ!電撃参加であります。沖福学園チームK3と愉快な仲間たちっ!」

 司会者からコールがかかり、表舞台へと飛びだすみんな。


 ステージ中央に左からシャロット、ホラン、莉子。後ろに控えるのはアニ研メンバー。

 誰?というまばらな拍手の観衆、アウェイ感満載の一見心が折れそうにもなる場面に、ホランの目が変わった。

 彼女の先程の怯えるような目つきから、光が宿る。

 莉子とシャロットは委細承知で頷き合う。

 ホランが誰であるか、2人は知っている。


「いっくよ~!」

 ホランは満面の笑顔とともに、右拳をつきあげる。

 ガラリ。

 会場の雰因気が変わった。

 露利田のシンセが前奏をかなでだす。




※「必ず掴む一番星」 作詞ポラン 作曲MyすぅいとーLOVEKOJI15


キラリ、キラリ、きらりん

シューティングスター、掴め、掴むぞ、一番星

叶えたい思い、願いあるならば

さあ、掴みましょう

3.2.1っ!

キラリ、キラリ、きらりん

キラリ、キラリ、きらりん

ふわ、ふわ、ふわりん

ふわ、ふわ、ふらりん

シューティングコースター

一番星で宇宙(そら)を駆けよう

瞬きなんてしてられないよ

だって、あなたが好きだから

MyすぅいとーLOVEKOJI15

奏でいずる思いは重いオモイ

キラリ、キラリ、きらりん

キラリ、キラリ、きらりん

ふわ、ふわ、ふわりん

ふわ、ふわ、ふらりん

シューティングコースター

いつか、星空の下また会おうよ



 正確無比な露利田シンセのメロディと、エアであるベース(康治)、エレキ(絵馬)、(ダンサー)の異色のバックがひときわ異彩を放っている。

 3人の乙女たちは息の合った動きで、ステージを踊り駆け回る。

 その愛らしさに観衆たちは釘付けとなる。

 

 アーサーは舞台裏で立ち尽くす。

「なんだこいつらはド素人じゃ!」


 露利田のドラムがビートを打つ。


※「アイドルだもん」    作詞 アリエル 作曲 ヒルダ


1、2、3、GOっ!

さぁ、扉は開いたのよ。

私たちのステージ、憧れの場所。

一夜限りのアイドルだけど。

だけどっ、だけど~っ!

アイドル、アイドル、アイドルなんだもんっ!

アイドル、アイドル、アイドルなんだもんっ!

巫女、乙女王女、こじらせ王女、メイド妹姉、エルフ母娘、大精霊、少年少女無双、ゴスロリ萌えおばあちゃん、ツンデレ文学少女、久しぶり嫁JKっ!

魔法少女、悪役令嬢、ハレムなんでもまとめて~。

アイドル、アイドル、アイドルなんだもんっ!

アイドル、アイドル、アイドルなんだもんっ!

私たちっ、アイドルなんだもんっ!

きめっ!



 花田鳴、来亜(らいあ)、星野ララ、石神留美の黒百合隊は呆然と立ち尽くす。

「こ・・・れが、アイドル」

「あああ」

「やるじゃねぇか」

「なんだか心地よい」


 会場のボルテージが一気にMAXへ。




※「康治様のうた」   作詞作曲ポラン=マロン


 康治様は強い(強い)

 康治様はカッコいい(カッコいい)

 どんな時も(どんな時も)

 笑顔忘れず(そうかな?)

 私達の英雄(ヒーロー)

 私の勇者様(きゃっ)


 だけど(だけど)

 時々(ドキドキ)

 ドジっ(そこがいい)

 私もドジっ(てへっ)

 二人は(ふたりは~)

 仲良しっ(そうだねっ)!


素敵素敵康治様(きゃっ)

素敵素敵康治(呼び捨てしちゃった)

素敵素敵康治様(お慕いしてます)

素敵素敵わたしの康治様(てへっ)


でもでもでもみんなの康治様

そうよねみんなの勇者様

やさしく素敵な康治様

わたしたちの康治様

かっこホントは一人占めしたい

康治様~。


 


 絵馬や圭に冷やかされ指さされながらも康治は、懐かしさを感じるこの曲をエアのギターで奏でた。


「ありがとうっ!」

 アイドルと化した3人は、スタンディングオベーションする観客に向かって大きく手を振る。




 ※は旧作品より抜粋。

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