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№3 アニフェスにK(康治)3、颯爽と登場

 アニフェスっ。


 ここは某県にあるPaiPaiドーム球場、アニメフェスの会場である。

 コロナ渦による2年ぶりの開催とあって、ヲタたちの熱気に包まれている。

 中央には大ステージ、その周りには販売ブースがある。

 我等が沖福学園アニメ研究会の面々は、場所取りの抽選に打ち勝ち、ステージ近くの最高の場所に身構えている。


「結局、この売上って学校に寄付って形になるんだろ」

 圭はブースの飾りつけをしながら言った。

「原則、うちの学園はバイト禁止だからな・・・バレたらアウトだし報告したらこうなるよな」

 康治は簡易テーブルの上に自慢のフィギュアを並べる。

「じゃあ、どうあがいても部長は大損じゃん」

 絵馬は言った。

「うん・・・分かってんのかな・・・いや、分ってやってるんだろ、あの人・・・」

 康治はちらり、一心不乱で開店作業に勤しむ部長を見た。

「ああね」

 2人も彼の言葉に頷いた。

「皆の衆っ!今は全集中で、イベント開始に備えよ。怠るなっ、ここは夢舞台ぞ!」

 露利田の声が興奮でうわずる。

「御意っ!」

 熱気あふれる会場の熱に押され、アニ研のメンバーも否が応でも気持ちが高まった。


 それからアニ研のブースの準備が完了した頃、

「おまたせ~」

 深夜アニメ「中華かな天使リンシャン解放っ!」のリンシャンのチャイナドレスに扮した莉子が、

「これが・・・こすぷれ」

 一昔前に流行し、同人誌ブームをけん引したDVDアニメ「なんちゃって異世界転生でコニャニチワ~ボクのハレム一代記~」のヒロイン、女神わるきゅーれのケルト風衣装を身に纏ったシャロットがぽつりと呟いた。

「やっぱり・・・恥ずかしい」

 康治が愛してやまないアニメ「魔法少女大戦チームMGS(マジック、ガール、スーパー)VS超能力軍団」の魔法少女メロンのフリフリロリロリプリプリコスプレに扮したホランが俯き、顔を染めている。

「イッツ、エクセレントっ!」

 康治はホランの姿をガン見し、ええ顔をして横文字を言うとサムアップした。


「やあやあ、皆の衆」

 露利田は拍手をしながらコスプレ乙女たちの元へ行く。

「団長、だんちょ」

 3人は軽く会釈をする。

「うんうん、思った通り。完璧・・・完全無欠だよ君たちは!目の中に入れても痛くない・・・決して・・・そう、間違いなくっ!」

「はあ」

 コスプレの羞恥心もあり、彼のテンションについていけない3人だった。

「よろしく頼む御三方」

「はあ」


「これで事はなった!」

 露利田はステージに向かって両拳をつきあげ、くるりと振り返り、皆の元へ走り寄る。

 そっと右手を差し出す。

「円陣を」

「御意っ!」「はい」

 康治、莉子、シャロット、ホラン、絵馬、圭が輪をつくり、手を差し伸べる。

 すーっ、部長の息を吸い込む音がする。

「アニ研~ふぁいっ!」

「しゅーてぃぐ!」

 男どもが人差し指を天に向ける。

「なにコレっ?」

 戸惑う女子たち。


 はっじまるよ~。

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