№10 かふぇでみーてぃんぐ➁
お茶会よ。
ところ戻って、喫茶店。
シャロットは二杯目のチョコパフェを、目を閉じ夢心地で食べていた。
莉子とホランはパンケーキとケーキを食べ終えて、お冷と紅茶を飲んでいる。
「さて、どうしたものかしらね」
莉子は話を切りだした。
「ほぇ」
唇の端に生クリームをつけているシャロットが素っ頓狂な声をだした。
「いいから黙って食べなさい」
「ふん(うん)」
シャロットは黙食した。
「どうしたものかといいますと?」
ホランが尋ねる。
「う・・・うん」
莉子はチラリと横目でシャロット見る。
彼女はスプーンを持つ手を止め、頷いた。
「まあ、いずれこうなるのは運命なんだから・・・あなた康治好き・・・好きになったでしょ」
「ほぇっ!」
突然のド直球の質問にホランは顔を真っ赤にして固まってしまった。
「やはり・・・・」
「なんで・・・なんで・・・」
彼女は見抜かれた驚きを隠せない。
「まぁ、こっちは一日の長があるってことね」
莉子の言葉に頬張るシャロットがこくりと頷く。
「私達は康治を愛している」
「あいし・・・」
ホランは剛速球に立ち眩みを覚えた。
「まあ、いろいろあってね(詳しくはご覧ください。笑)」
莉子はふっと薄ら笑うと黄昏れた表情を見せる。
ごっくん。
トンっ。
シャロットは食べ終えたグラスをテーブルに置く。
「ホラン、君はどうなんだ」
彼女は真っすぐに彼女を見る。
「わたし・・・私は・・・」
ホランの心が揺れ、鼓動が高まり脈打つ。
「まって」
莉子は手で制する。
「シャロット、彼女はここの人。ポラン(異世界のヒロイン)とは違う」
「・・・そうか・・・そうだったな」
シャロットは呟いた。
「すまないホラン」
シャロットは頭をさげた。
「いいえ」
ホランはそっと右拳を胸にあてる。
「私も彼のこと・・・す、好きです」
「うん」
「ほう」
2人は正直な告白に感心した。
ごにょ、ごにょ。
「流石。前、ヒロインだな」(シャロット)
「ええ、これは強敵よ」(莉子)
「えへへへ」
2人は作り笑いを見せる。
「上等」(莉子)
「こうでなくちゃだな」(シャロット)
「うふふふ」
2人は作り笑いを見せた。
「では、共通の目的に向かい。まずはフェアにいこう」
シャロットの言葉に、
「異議なし」
2人は答える。
「目下のイベントは、体育祭ね。それが終わったらGW」
「体育祭?GW?」
「あ~シャロット、また後で説明するね」
「では、まずそこで」
と、ホラン。
「ええ、誰がイニシアティブをとるのか・・・」
莉子が頷く。
「だが、まず障壁を取りぞかなければ」
シャロットは言った。
「ああ、男どもね。でも、まあ、基本、あいつ(康治)は、うちらのこと好きっしょ。でも、邪魔になるようだったら考えないとね」
莉子は自分の頬をなでる。
「楽しくなってきました」
ホランの目が輝く。
「うん。つーことで」
莉子は人差し指と中指で素早くレシートを取った。
「ここは私の奢り」
「そんな払います」
ホランが立ちあがる。
「いいから、ライバルよ好意は受けなさい。貸しなんて言わないから」
莉子は笑った。
「莉子さん、シャロットさん・・・なんだか、以前に会ったことがあるみたいっ!」
ホランは思わず言った。
莉子とシャロットは顔を見合わせ苦笑してしまった。
若いっていいわね。