1部
このエッセイは僕自身の備忘録としての役割も兼ねています。
また、僕の青春時代をアニメで塗り固めるきっかけとなった作品である、伏見つかさ先生の『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の設定などを参考に、今後のノベル執筆中に立ち返る場所、いわゆる原点を設けたいと考え、執筆します。
ゆえに、このエッセイには僕の偏った主観が多く含まれます。というより、僕の感性、趣味嗜好に関する小噺が多く含まれます。
熱狂的なファンの方や、ネタバレを避けたい方は閲覧をお控え下さい。
はじめに
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』が伏見つかさ先生の超ヒット作であることは、日本の多くのアニメ・漫画・ラノベ愛好家がご存知でしょう。僕はこの作品が全てのラノベ作家の教科書となっても良いのではないかとさえ思っています。それだけ、ストーリー、キャラの個性、設定が秀逸です。
僕は小学生の高学年で初めてこの作品と出会い、この作品がきっかけでサブカル趣味にドハマりしていきました。当時の僕は思春期のただ中にあり、「女の子」というものにものずごく惹かれていました。性的な情念だけでなく、もはや「女の子」という概念に取り憑かれていたといっても過言ではありません。そんな折に僕の眼前へと彗星のごとく(そう、それはまるでメルルちゃんのごとく)現れたのが『俺妹』でした。
主人公・高坂京介をとりまく、数多の美少女たち。当時の僕にしては刺激の強すぎた、「ハーレム」という環境。その他の魅力についても後々触れていきますが、俺妹のファンの方であれば、『俺妹』が思春期の少年に与えるワクワク感、ソワソワ感をご理解いただけるかと思います。まさに、一度その味を知ってしまえば虜です。深夜まで夜更かししては布団の中にDSiを持ち込み、インターネットブラウザを使って黒猫のSSを読み漁る日々でした。そして僕はこの作品を通して無事に「妹属性」「ロリ属性」「ツンデレ属性」「ヤンデレ属性」に目覚めることとなります。本当にありがとうございま(ry)。
冗談はさておいて、まさに『俺妹』は僕の原体験とも呼べる作品です。その輝きは、多様な媒体でアニメやノベルを楽しめるようになった今でも、僕の中で色あせることはありません。このエッセイも、伏見つかさ先生に最大の経緯を表して執筆させていただきます。
本論
早速ですが、『俺妹』の最大の魅力とは何か。それはやはりキャラ達の豊かな個性にあるでしょう。冒頭でも少し触れましたが、『俺妹』には多様な「属性」のキャラが登場します。桐乃=妹・ツンデレ属性、黒猫=ロリ・後輩属性、沙織=巨乳・お嬢様属性。もちろん幼馴染属性やヤンデレ属性の子まで登場します。いかがでしょうか。ここまでで世の男たちの8割はなんらかの属性に嗜好がマッチしたことでしょう。『俺妹』の作品としての秀逸さで語らずにはいられないのが、この点です。「ほぼ被りなくヒロインたちに個性を振り分けている」のです。なんだ、そんな当たり前のことか。と思われるかもしれませんが、ひとつの作品を仕上げるにあたっての必要条件ともいえるほど重要なことです。
ノベル執筆経験のある方ならば体験したことがあるであろう、「キャラ作りの過程でのキャラ被り」現象。たった一人で何人もの登場人物の設定を決め、そのキャラの個性を振っていくことは想像よりも容易ではありません(ハーレムものなら、同性のキャラが多くなるのでなおさらでしょう)。どうしても自分の嗜好に偏ってしまい、なんとなくどのキャラも同じようなテイストで仕上がってしまいがちです(僕は自分の作るキャラに愛着が湧いてしまい、皆をいい子に書いてしまう傾向にあります(笑))。ところが『俺妹』では個々のキャラに個性が満遍なく振られ、それぞれのキャラが一人の女の子として完璧に仕上がっています。ハーレムものでは特に大事なことですね。
さらに面白いことに、伏見つかさ先生は恐らくその点を意識しながら書かれていたようで、過去のインタビューにて、先生のお気に入りのキャラは沙織だと語る文脈で、「お気に入りではありますけれど、自分の好き嫌いでひいきはしません。」と語っておられます。キャラへの愛着と、作品の展開を分けて考えておられることがわかりますね。また、この作品のメインヒロインとも呼べる桐乃に至っては、「一番出番の多い桐乃は、いまだに大嫌いです。腹立つくそがきだと思っています」と答えています。なんとも清々しい言いっぷりでしょうか。ですが、桐乃の生意気さというのは、『俺妹』の作品中でも大きな意味を持っており、アニメ第一話でわかるように、「生意気な妹」こそこの作品の顔であり主題なのです。良い個性はもちろんですが、悪い個性を盛り込んだキャラ作りを行うのも、作品の魅力をひき立てる要素となるのかもしれません。
引用 http://blog.livedoor.jp/geek/archives/51093120.html
次回に続きます。
現在毎日投稿を目標に『創刊ジャーナる!~何のとりえもない俺がド田舎高校の新聞部でハーレムジャーナリスト生活することになりました~』を連載中です。
そちらの方も是非よろしくお願いいたします。
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