表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

87/99

87.こいついいやつ

「--あー、もしかして静哉がモデルしてるってついにバレたのか?」


「……は?」


 え? 雅人に教えた覚えはないんだが……。


「いやぁ、ガバガバすぎるからいつかはばれるって思ってたけど思ってたより早かったな!」


「……ガバガバ?」


「だってお前隠す気あるのか? って位隙だらけじゃねぇか」


「……え? でも今までバレたことないんだが……まじ?」


「いやぁ、決定的だったのは俺が悪いな」


「……白木くんは何で気がついたの? 麗華は声とかバッグとかで気がついたらしいけど」


 一ノ瀬さんがそう聞くと雅人は頭を掻きながら答えた。


「前に静哉の家で生姜焼き食った時にさ、静哉のスマホに石津涼風って人とマネージャーって人からメッセージ来たの見ちゃったんだよ。石津涼風って名前がなんか見たことあるなぁって思ったら……ってわけ」


「……にしては何も言わなかったんだな……」


「隠したがってたじゃん? だからまぁ教えてくれるまで待っておこうかなと」


「……なんだこいつ……良いやつかよ……」


 雅人の対応がイケメン過ぎる。正直なところもっとちゃらちゃらしているやつだと思っていた。それが表情に出ていたのか、雅人がからかうような表情で言う。


「お? 知らなかったのか?」


「まぁ、正直なところ知った秘密は一瞬で広げるタイプかと思ってたな」


「まじか……!」


「私も白木くんは何かを秘密にできないタイプだと思ってたよ! 意外としっかりしてるんだね!」


「一ノ瀬さんもかよ!」


「「あはははははっ!」」


 雅人は初対面の美咲にいじられるくらいとてもいじりやすい雰囲気を醸し出している。自分もそれを理解しているのか、ノリツッコミだったりそういうキャラを確立している。


 俺としても気軽に冗談を言える人だから是非このキャラを続けて欲しいと思った。まぁ、このキャラだからこそ口が軽いと思っていたわけなのだが。


「お兄ちゃんただいま! 無事合流できたね!」


「うわっ、びっくりした……美咲か」


 いきなり誰かに肩に手を置かれたと思ったら、耳元から美咲の声が聞こえてきた。場所を教えておいたおかげで合流できたらしい。


 江橋さんもいるのかと確認するために振り向く。


「二人で戻ってきたの……か……?」


「どうしたのお兄ちゃん?」


「いや、すごく満喫してるなって思ってな……」


 後ろを振り向いたら、美咲は側頭部に祭りで売っている定番の仮面をつけており、手には射的か何かで手に入れたであろう景品が詰められた袋を提げていた。


 江橋さんの手には焼き鳥などが沢山詰められた袋が握られていた。美咲とは持っているものの種類が真逆だった。


 江橋さんは俺に対して若干苦笑いを浮かべながら軽い会釈をする。もしかしたら美咲がそれらを持たせたのかと考えたが、多分それは違うだろう。


 俺には容赦なく荷物持ちをさせる美咲だが、俺以外にはそんなことをしないということを知っている。美咲は、逆に率先して自分から持つような性格だ。


「いきなり抜けてしまったお詫びとして、焼き鳥などをたくさん買ってきました。皆さんで食べましょう」


「おお! 良いね、麗華! 私も焼きそばとかいっぱい買ってあるからみんなで食べよう!」


「それが良いな! あ、静哉妹よ。はい、綿あめだぞ」


 そう言って雅人がサッと綿あめを後ろにあった袋の中から取り出す。その綿あめは袋に入れられており、確か一個500円位するはずだ。


 いつの間に買ったのかは分からないが、十中八九唐揚げを買った時だろう。


 それを見て美咲のテンションが一気に上昇する。


「おおお! 本当に買ってくれたんですか!?」


「おうよ! 俺は約束を破らないってことに定評があるからな!」


「た、食べちゃいますよ!? 返しませんからね!?」


「良いぞ良いぞ。俺は残念ながらペタペタになる綿あめは食べないからな。むしろ貰ってくれなきゃ困る」


「ありがとうございます! ……特別に雅人さんも名前で呼ぶことを許可しましょう」


 それを聞いて気がついたが、雅人は名前を呼ぶなと言われていたものまで律義に守っていたようだ。


 雅人はもしかしたら俺以上に約束を大切にするタイプの人間なのかもしれない。


「よし! こっちも食べよう! 焼きそばは一個ずつ配るね!」


「そうですね。せっかくですし、焼き鳥も温かいうちに食べてしまいましょう。……どうぞ、日裏くん」


「お? 江橋さんありがとう」


 俺は江橋さんから出された焼き鳥を()()()()()()()()()()()()()()()


 今考えてみればこれはただ棒を手渡しするために焼き鳥を向けられていただけだったのだろう。だが、その時の俺はなぜか自然にそのまま食べた。


「え? えっ? ええっ!?」


「わ、悪い! そのまま食べろって意味で差し出したのかと勘違いした!」


「そそ、そうですよね! び、びっくりしました……」


 俺は江橋さんからひったくるようなスピードで焼き鳥の棒を奪い取る。


「お兄ちゃん……」


「日裏くん……」


「静哉……」


 全員がジト目で見てくるが、これは俺が悪い。甘んじて受け入れよう。なぜそんな行動をとってしまったのは分からないが、今のは俺が百パーセント悪い。


「じゃ、じゃあ! 私も唐揚げ貰いますね!」


「そ、それが良いと思う! なんならケバブも食うか!? 激辛だけど!」


「激辛だったら要らないです!」


「わ、分かった! じゃあもう一本くーー」


「--あれ? もしかして静哉?」

たこ焼きの時に地味伏線あったんですよ。知ってました? 超地味伏線。いや、もろに言っているからこれは伏線とか言わないかもしれない。


後書きが無くなるくらい忙しいわけですが、ちょくちょく貯めていたストックもあと3話でございます。そしてまだ

夏祭りが終わっていない。これはピンチ、正直非常にピンチ。夏祭りが終わったらこの後の展開考え期間に入るわけですが、夏祭りが終わったらなぜ展開考え期間に入るのかがわかると思うんですよ。いやむしろどうしてここをスムーズに過ぎることができると思ったんだと言いたいですね。

難易度的には、ポケモンダンジョンのオートセーブ+戻れなポイントまで順調に来すぎて敵を倒せず積んでいるところくらいですね。

分かりにくい人はカメレオンさんを攻撃したところから始まるゲームと思ってください。

それでもわかりにくい人は大富豪で6とかいう微妙な数字が一枚だけで元に残っている状況で親が自分ではないと。

それでもわからないという人は! 麻雀でリーチをかけたがそのリーチの牌がすでに三つ捨てられている状況だと。

それでも! 分からない!! という人は、まぁ読めばわかると思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] この話が終わってしまったら、妹ちゃんの出番が終わってしまう。。 でも、涼風も好きだから、出て欲しい
[良い点] に [気になる点] ゃ [一言] にゃ 伏線(伏線とは言ってない) 隠す気あるの?はまぁ読者全員思ってたことだから……何なら一話から思ってたことだから……うん。ねぇ? 麻雀の地獄単機とか…
[良い点] にゃ~ん [気になる点] にゅ~ん [一言] にょ~ん 涼風合流はいつかな~? ここらで涼風合流とかしてほしいなぁ~ そんな自分は涼風メインヒロインになってくれ派です。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ