63.水着!!
涼風がプールという単語に遅れて反応を見せた。いや、あれはどちらかというと俺とプールというのに反応を見せたのだろう。
「ほら、たとえ相手が俺だとしても一緒にプールに行くのは嫌なんですって」
「でも二人でこの前水族館に行ったんじゃなかったのかしら?」
マネージャーさんが何が違うのかしらという感じで言う。
「水族館とプールは確かに同じ水辺かもしれませんが、水着かどうかというのが重要なんですよ。……というか、なんで俺たちが一緒に水族館に行ったって知ってるんですか?」
「あら、自分でフォロー飛ばしてきたじゃないの。雑誌のSNSを動かしてるのは私よ?」
「そうだったんですか……」
確か、事務所関係のものと同じ事務所に所属している中で会った事のある人にフォローを飛ばしたはずだ。涼風とあと二、三人程度だったが、知らない人にフォローを返していたらきりがないらしいからこれで良いと思っている。
……というか、水族館に行ってからSNSを動かしていない気がするから通知とかが凄いことになっている気がする。
「で、肝心の明華ちゃんは光生くんとプールに行く事についてどう思ってるのかしら?」
「え、わ、私は静哉が行っていいと思ってるなら行ってもいいかなーなんて……」
涼風が少し恥ずかしそうにしながら答えた。……行っていいのか……。
「ということらしいけど光生くんはどうなのかしら?」
「えっと……俺も涼風が大丈夫なら別に行っても構わないけど……その、大丈夫か? なんか無理してないか? 水着みられるのを嫌がるのは普通のことだと思うし別に断られても気にしないぞ?」
無理やりとか嫌々行ってもただつまらないだけだし、せっかく行くのならプールを一緒に楽しみたいからな。
だが、そう聞くと涼風は手をぶんぶんと振りながら
「無理してない無理してない! ……むしろ見せることができるというか……」
「ん? なんて言ったんだ?」
「とにかく無理はしてないの!」
「そ、そうか……なんかごめん」
と、そこでマネージャーさんが手をパンパンと叩いてから言う。
「結局のところ二人とも一緒に行く事に問題はないってことでいいのね?」
「ま、まぁそういうことになりますかね……?」
「なら良かったわ! 実は隣で撮影をするから駐車場を借りる許可を貰いに行ったら無料チケットを貰っちゃっていたのよね!」
なるほど、だからマネージャーさんは俺たちに一緒にプールに行く気はないかと言ったのだろう。前までは俺と涼風は仕事以外では関わらないというのが暗黙の了解のようなものだったから、その状態だったら言わなかったかも知れないが、SNSで一緒に水族館へ行ったということを知られてしまっている。
一回一緒に行ってるんだからいいんじゃね? みたいなノリなのだろう。
「で、でも……」
そこで涼風が何かを言いかけた。もしかしてやっぱり嫌なのかと思い声をかけてみる。
「どうしたんだ?」
「いや、去年の水着しか買ってないからと思って……」
「え、行くとしたら俺は去年の水着を着ようと思ってたんだけど……もしかしてモデル的にそれはダメだった?」
「いや、そういうことじゃないんだけど……」
「なら他に何か問題でも……?」
涼風がもじもじとしながら言う。
「その……ね? 去年より胸が……さ。お、大きくなっちゃって……。……た、多分サイズが合わないんだよね……」
そこで俺は視線を少し下げる。えっと、つまり……胸が大きくなったから……って……。
「ごごごごめん! そそそんなつもりで聞いたわけじゃなかったんだ!」
「わ、分かってるわよ! つまり、簡単に言うと今は着ることができる水着がないの!」
「じゃ、じゃあプールは辞めるか! それが良いな!」
「そ、そうだね! またの機会にした方が良いかもしれないね!」
二人でわちゃわちゃしながら話していたらマネージャーさんがパンパンと手を叩いた。その音にハッと我に返る。
「ちょっと二人とも落ち着いて! まとめると、光生くんは去年の水着しかなくて明華ちゃんは着ることができる水着がないってことよね?」
「そ、そうですね……」
「わ、私もその通りです……」
だからプールに行くのは無理だと言おうと思ったらマネージャーさんがにっこりと笑っていった。
「なら丁度いいわ! 明華ちゃん用にってわけじゃなかったんだけど、一緒の雑誌に載る予定だったビキニタイプの水着が全サイズ揃えられてるのよ。撮らなくてもただそれを着て歩くだけでも宣伝になるし、せっかくだから着ていかないかしら?」
「う、そ、それを貰えるなら着ていきたいです……」
「じゃあもう一回試着室に戻っちゃって! 一応色も種類があるから好きに選んじゃってちょうだい。あ、一応男物もあるけど光生くんはどうするかしら?」
涼風は試着室に戻っていった。
「え、俺はどっちでもいいんですけど……」
「じゃあせっかくだから着ていってちょうだい。あ、男物はサイズフリーだからこの袋のまま持って行ってもらえるかしら?」
「分かりました」
袋に入れられた水着がすでに用意されていたし、もしかしたらこうして渡すことも予定通りだったのかもしれない。
侮れないマネージャーさんに戦慄しつつ、涼風が出てくるのを待つ。
「決めました。これ、持ち帰りますね……?」
「分かったわ。あ、色は言わなくてもいいわよ。当日の光生くんのお楽しみを奪っちゃ悪いわ」
「お、お楽しみって……」
確かに、少しだけ楽しみかもしれないが……まぁ、そういう目で見られることは嫌がるだろうから俺はしない。
「じゃ、じゃあ?そろそろ帰らない?」
「そうだな」
ただいま19時43分なのですが、投稿された後に後書きを書くのもどうかと思うんですけど、何となく書きます。
江橋さんは個人的には浴衣が似合う体型です! だけど! 高嶺の花とまで呼ばれる見た目なので! 大きいです! 何がとは言いま……す! おっぱいです!
涼風は! 一年間でワンサイズアップしました!
太ったのではなく栄養が行きました! きっと恋する女の子は綺麗になる効果なのでしょう! 何が大きくなったかは言いま……す! おっぱいです! 明確なサイズはイルカに輪投げをしようとしたら少し邪魔と感じる程度の大きさです! おっぱいが!
最近は時間が無くて区切りが良いところでただ切るという生活をしていますが!
長い一話と毎日更新なら私は毎日更新を選びます! 長いことより毎日読める方が個人的にうれしかったからです!!
2000文字は超えてるから許してええ!




