54.ネギトロのネギ取ろwwwwww
長いです。何が?後書きが。
「うーん……どれにしようかな……」
「色々な店があるけど、どれが食べたいとかあるか?」
「俺は特にないけど、暑いから冷たいものを食べたい気持ちと暑いからこそ熱いものを食べたい気持ちがある」
「つまり何でもいいと」
地下はレストラン街という名前がついており、和洋中さまざまな店があってどこの店に入ろうかすごく迷ってしまう。
ハンバーガー屋とかドーナツ屋などの、お持ち帰りで買ってフードコートで食べるという手もあったのだが、せっかくだし店で食べることにした。
「普段お家では食べられないものを食べたいです。その……作るのが大変な揚げ物とかお寿司とか……」
「確かに揚げ物は大変だから基本的に俺も弁当を買って食べてるな。じゃあ候補は寿司か、天ぷらか、とんかつくらいか?」
「その中なら寿司が良い! 今日は散財するって決めてるんだ!」
「なら寿司でいいか? まぁ、俺も久しぶりだから食いたいかな」
「私もお寿司というかお魚自体久しぶりなので賛成です」
「俺もそれでいいぜ」
寿司屋はもちろん一皿百円の回転寿司だ。回らないお寿司なんて一度も行った事がないからいつかは行ってみたいと思っている。
店に入ると店員さんに人数確認をされ、そのまま席に案内される。寿司じゃないけれど、刺身などを昨日も食べたが回転寿司は高校に入ってから初めて来たはずだ。
寿司は回っているレーンから取ってもいいみたいだが、液晶で注文するとレーンの上にあるシートの上を滑って運ばれてくるみたいだ。
「よし! 最初は何を頼もうかなっ! うん、これにしよ!」
「俺はとりあえずいくらを頼むわ」
「なら俺は今月のおすすめに載ってるサーモン三種盛ってやつにするか」
「日裏くんの見ているそれ良いですね。じゃあ私は特選マグロというやつをお願いします」
「はーい! よし、注文した! あ、そうだ! 寿司屋に来たらあれやらなきゃ!」
そう言うと一ノ瀬さんはスマートフォンを撮りだした。
カメラを起動したと思ったら、寿司屋を撮るわけでなく寿司自体を撮るわけでもなく、なぜかお茶用の熱湯が出る蛇口のようなものを撮り始めた。
寿司屋ならどこにでもあるものだと思うし、寿司屋によって形が違うとか地域によって違うとかいった差はないと思うんだが……。
「なぁ、なんでそんな写真撮ってるんだ?」
「それは私も思いました。熱湯の出るところじゃなくて寿司を撮ればいいんじゃないですか?」
「あぁ、それSNS用の写真だな」
俺と同じくSNS初心者だと思われる江橋さんも同じ疑問を持っていたようだが、雅人は分かっているらしい。
「できた! ん? なになにどうしたの?」
「いや、なんで蛇口の写真を撮ってるのかなって思ってさ」
「あっ! これね! えっと、これ見て!」
「ん? なんだこれ?」
一ノ瀬さんに見せられたのは、一ノ瀬さんのアカウントだろうSNSの投稿で、その投稿には先ほど撮ったであろう蛇口の写真と寿司屋に来たんですけどこれは何をするところですか?というコメントだった。
「えっと、明梨ちゃん。聞いてくれれば教えましたよ……?」
「熱湯注意って書いてある通りここからは熱湯が出て、お茶を作れるようになってるんだぞ」
「へぇ……なるほど……って違うねん! そんなこと知ってるから!」
「ふっ、甘いな。これはこうするんだっ!」
スマートフォンを操作していた雅人がそう言った直後、一ノ瀬さんの投稿に返信が届いた。
MASA @white_MASA_10
@Akari_15534
それは手を洗うところですよ! 寿司は生ものなので最初にしっかりと熱湯消毒する必要があるんです!
「いや火傷するわ!」
「このアカウントは……ふむふむ」
「みんなジョークって分かってるからふざけて面白い返信をくれるんだよね!」
「そうそう。ってお? これは、江橋さん俺のことフォローしてくれたんだ。ありがと!」
「いえ、こちらこそフォローを返していただきありがとうございます。昨日アカウントを作ったばかりなので、フォロワーはまだ白木さんで二人目ですよ」
「ほんとだ……あ、まだ何も投稿してないから良いと思うけど、もし日常的に投稿する予定なら鍵をかけたほうが良いな。ゲーム用のアカウントならいいけど、リア垢だとリアルのツイートが多くなってそれを見て特定しようとする馬鹿も現れるからな」
「あ、どうせ鍵をかけるならその前に日裏くんとフォロワーになったら? ……あ、もしかしてアカウント作ってない? 麗華も昨日作ったし……」
アカウントはあるが、それは昨日作った神代光生用のアカウントだ。まぁ簡単に言ってしまえばリア垢として使えるアカウントは持っていない。
せっかくだしリア垢?を作るのもいいかもしれない。
「まぁ、今はないけど後で作ったらフォローするからメッセージのグループの方にでもIDを乗せておいてくれ」
「えー、すぐできるから今作っちゃえばいいのに!」
「今は……ほら、寿司が来たから食べようぜ? えっと、サーモンが俺でいくらが雅人で、マヨコーンは一ノ瀬さんでいいのか?」
タイミングよく寿司が届いたおかげで助かった。そのまま開いていれば神代光生のアカウントが見られてバレること待ったなしだったからな。
「うん! マヨコーンはこうして……よし! マヨコーンが真横ーン! 投稿!」
「え、マヨコーンってそのために頼んだの?」
「それもあるけど好きだからね! あ、次私ネギトロで!」
「……ネギトロのネギを取るとか言わないよな……?」
「え? もちろんするよ! 日裏くん分かってんじゃん!」
「えっと、マグロの……何も思いつきません……」
「いや思いつかなくていいから!」
食べたサーモンは普通に美味しかった。その後おすすめなどを中心に頼んで食べたが、合計は一人千円前後に収まった。




