Carelessly(軽率)
Carelessly(軽率)
その日、俺は講座主任としての責務を終え、自室で晩酌をしていた。夏にはまだ間があるが、西日が窓から射し込み部屋を暁色に染め上げていた。
『か~さんが~。よなべ~をし、ピッ!』
「もしもし只野だ。――あぁ? なんだ急に? ――確かあると思う、ちょっと待て」
瀬戸石と言う生徒からだ。生徒からは恐怖の大王呼ばわりされ、距離を置かれがちな俺だが。瀬戸石にはあまり関係が無いようだ。俺のクラスでは無いが、色々とあって何かと接する機会が多い。俺はデスクからファイルを取り出すと携帯を肩に挟み一枚一枚早回しでめくっていった。
「――――ちょっと待て、今探してる。――あった、確認するから、もう一回さっきの数字を言ってくれ」
まったく、せっかく人が気持ちよく晩酌をしてる時に電話してくるなんて、自分の担任にでも聞けば良いものを――――。
響はその日も唐突に現れた。ドア越しに叫びながらドンドンとドアを叩いている。
俺は鍵を掛けるのを止めていた。ベッドから起き上がりながら返事をする。
「開いてるから勝手に入ってくれ」
ドアの開く音が聞こえ。定位置に向かう俺。定位置に着く頃には響は当然のように無言で室内に侵入していた。
デスクに座った俺は玄関の方へクルリと向きを変え響を見る。
「輝輔これみて! 僕のインスタンスで生成した!」
そう嬉しそうに言いながら両手一杯に小さなサイコロの様な物を抱えていた。そんなことよりも山のようにサイコロを抱えてどうやってドアを開けたのか? と言う事に意識が集中した俺は返事もすることなく考え始める。
「聞いてないだろ! 見て見て! ほらー」
そういって響は両手のサイコロを部屋に放流した。片付けることを考えると頭が痛くなりそうだった。
「今から一個作るから見てて!」
作るから両手のものを手放しただけらしい。俺は頭がズキズキと痛み始めるのを感じていた。なぜだ、なぜ静かに地面に置くという選択肢が存在しない……。どういう脳の構造をしているんだ。自室と勘違いしているのではないか?
しかし今は響の適正合格を祝福しようではないか。念願かなった響の右手首には予想通り赤色系のインスタンスが巻かれ。ゆっくりと手首を中心に回っていた。しかし赤色系統と言う事はRのはずだが物質生成?。
「……なぁ? 響、お前Rだよな?」
「うん、そうだよ! 『R200・G43・B10』だった」
そう嬉しそうに言いながら、一センチ角の立方体を右手の上に構築していった。模様は無い、材質は……良く分からない。
「Rでさ、物質の生成って珍しいよね。その立方体で何が出来るの?」
Rといったら普通は攻撃的というイメージが先走る。俺もそれは同じで、何かを生成するだけのRなんて聞いたことも無かった。
「わかんない! まだ今日貰ったばかりだし、なんかエレメント表と照らし合わせて特徴を把握するようにってプリント貰ったけど、 大学に忘れてきた!」
「なっ!!」
俺はその瞬間全身の血の気がスーッと引いていくのを感じた。今俺の部屋にばら撒かれているのがただの立方体? ありえない、そんなスキル聞いたこと無い。なんだ? 何かの化学反応を起こすように調合されているものなのか? 手榴弾の類か? それとも外部から何か力を加えることで作用するような物なのか? だが俺の部屋がテロ行為を受けているのは間違いない!
「響ぃい! 動くな! しゃべるな! 作るの止めろ!」
珍しく大声を張り上げた俺に少し驚いた表情を浮かべる響。
「でも今」
「黙れ!! 死ぬかもしれんぞ!!」
響は一個作り終えて黙ってこっちを見ている。目を可愛らしくパチパチしてる。もしかして何か不味い事をやってしまいました? 見たいな感じだと思う。
「いいか響、俺も良くはわからんが。この小さな立方体がただの立方体で無いのはわかる。爆弾か何かだと思え。言ってることの意味わかるよな?」
響は周囲に大量に散乱した爆弾を見回し『え!? これ全部? もしかして凄く不味い!?』みたいな顔芸をしている。俺もそう思う。
「可能性は低いが使用者が一定距離以上離れたら消滅するかもしれない。が、其れが起因で何かが起こるかもしれない。お前はここまで持って来たと言う事は、現状変に刺激しない方が良い。だから動くな。そして普通に考えて他のインスタンス同様に能力発動宣言の言葉があるはずだ。宣言は全インスタンス共通だが、本人の意思もしくは声にしか反応しないように作ってある。教える事は出来るが、お前の場合教えたら逆に怖い! 少なくとも俺はそれに命を懸けることが出来ない。だから今はとても教える気になれない、後で教える」
響はコクコクと両手を口に当てて大袈裟に頷いた。
「俺は今からそれが何か調べる。物によってはアパートの入居者ともども避難するかもしれない。その時のために入居情報も必要だから少し退室する。その間に出来るだけ静かに、かつ迅速に、一つも残らずそのゴミみたいな立方体を集めろ。何個作った? 百個か? 二百個か? 気合で集めろ」
響は『行かないでー』っと言う顔芸を見せてくれた。俺は無視して時計をポケットに入れると、床一面に散乱した立方体を丁寧に避けて部屋を後にした。ドアの外にも落ちてた。捨て置くわけにも行かず一つ拾ってポケットに入れる。しかし、道路にもテンテンと立方体は落ちていた、ヘンデルとグレーテルを読んでいるような気分だ。
拾うのは諦めた、パンの欠片を辿って大学の門まで来た。範囲的にも本人が離れたら消滅する可能性はかなり低いようだ。只野に電話することにする。時計を取り出し只野のアドレスを呼び出す。時計のアドレス件数は一桁で我ながら凄いと思った、正確には5件だ。
「あ、先生ですか? 大至急調べてほしいことがあるんですが」
取り敢えず、あれが何か調べないと先に進まない。
「エレメント表を手元に持ってませんかね? 急ぎなんです!『R200・G43・B10』のスキルがどんなものか調べてほしいのですが」
しかしB10とは、最低値じゃないか? 一般的に生徒の間では『馬鹿はR』『偽善はG』『引き篭もりはB』と言われている。一番高い値がメインエレメントとなり、使えるスキルは対応するエレメント表の中で三色が一致する物になる。GやBは2~5種類程度のスキルしかないのだが、Rだけはスキルが多種多様に存在しかなり個性の強いものとなっている。
「わかりましたか? ――――はい」
只野がエレメント表を手元に持っていたのはラッキーだ、かりにも教授なんだから当然と言えば当然なのだが。
「はい『R200・G43・B10』です。――――はい、それは何か起因があって発動するということですよね。――――一般的にどれぐらいの威力まで上昇するものですか? ――逆に言えば経過時間さえ短ければたいしたこと無いってことですよね?」
ふいに後ろから声を掛けられた。
「あれー。こんな所で野生のオオナガレトビケラを発見!」
声の主に右手をかざして静かにしろと制圧し、時計に集中する。
「はい、わかりました。――――まぁそんな所です。失礼します」
大体の事は把握できた。想像ほど危険では無かったが、繁華街で目視可能な人間が、全員逃げ出す程度には危険な物だった。すぐにアパートに向かって引き返す俺。きっと響は今頃ガクガク震えながら立方体を集めているのだろう。俺は足元に落ちている、響の腕から毀れた立方体を拾いながら歩いた。
「いつまで黙っておけばいいんですか?」
「もう話してるじゃないか」
「そですね。――何拾ってるのですか?」
「うん? 銃弾みたいな物」
「私もそれ持ってます、学校で拾いましたよ?」
「ばっ!! よこせ、危ないから」
「なんなんですかコレ」
「響のスキル。危ないから20分くらいアパートから離れてて」
「いやです。楽しそうです」
「……。響いるからインスタンス外しとけよ」
「はい」
アパートの中の響は体育座りでテーブルの上の立方体の群れと対峙していた。
「やっほっ。吉田さん。体育座りで何やってるんですか?」
「歩美ちゃーん!」
響は嬉しそうに振り向いて琴梨に挨拶をした、頭をスリッパで叩きたかった。
「言葉を発するな!!」
顔芸で何か言ってるが何を言ってるのか良く分からなかった。新しいネタだ。
「ちょっと説明するから覚えてくれ。その立方体は、その空間に点在す……」
響に分かるように説明しないと意味がない事に気付き言葉が詰まる。
「あー。そのサイコロはサイコロに掛かっている力を蓄積する。長い時間力を掛け続ければどんどんサイコロの力は強くなる。わかる?」
コクコクと響が相槌を打つ。琴梨は立方体を手にとって眺めている。方向を変えないで欲しかった。
「それで、そのサイコロは何か便利そうだけどそんな事は全然無い。そいつは生成した瞬間から質……。位置エ……。重力を受けている。わかるね?」
琴梨は理解したのかそっとサイコロを元に戻した。
「そのサイコロの質量に対し……。そのサイコロに分かりやすく力を掛けない限りは基本的には重力が掛かる。ライターであぶったりしたら熱を溜める」
響はコクコクと相槌を打つも、だんだん怪しい挙動になって来ている……。
「基本的に重力を溜めることになるから、下の面に向かって落ちていく。つまりサイコロの蓄積を終えて、下だった面を上に向けて開放したら、上に向かって落ちていく。取り敢えず下の面がどこか分かるように必ず細工しろ! 蓄積する時に増幅も同時にするから、落ちるとは言っても時間経過によっては軽く音速以上で落ちて行くらしい。ライフル弾だと思えマッハ3程度だ、わかる?」
響はコクコクとせずに、眉間に皺を寄せている。駄目だどうやって説明すればいいんだ最大の難関だ……。
「説明文を考える時間をくれ。落ちるという表現がいけないのか……。琴梨、響に説明することが出来るか?」
琴梨は『頑張ってやってみる!』みたいな顔芸をした。琴梨の顔芸は変化がほぼ無いので難易度が高い。
「響くん? このサイコロを見て」
そういって琴梨はバックから修正ペンを取り出し、響の作った立方体に1~6の数字を書き込みサイコロに変えた。
「響ちゃん? このサイコロの1を下にしてエネルギーを溜めます。そして溜め終わりました。頭大丈夫ですか?」
琴梨の教え方はゆっくり一つずつ、そし何故かわからないけど棘が生えていた。響はウンウンと凄く大袈裟に相槌を打っている。犬の尻尾を見ているようだ。
「ひーくん。このサイコロを使うときはどんな時も必ず1の方向に飛んでいきます。わかりますか? 1を自分の方に向けて使ったら死にますよー?」
琴梨は、響の目の前にサイコロをかざし、1を見せながら説明を続ける。恐怖という感情を使って印象的に記憶にしているようだ。なんという応用力の高さ。
「響様が間違って変な方向に飛ばすと死人が出るので。必ず目印をつける様にしてください。出来たら訓練して立方体では無く、違う形のものを作れるようになってください。ご理解して頂けましたか?」
響は目を輝かせて琴梨を見ている。どうやら分かったらしい。俺は琴梨に宣言方法を伝え残りの説明も任せた。
「響さん……。このサイコロは、作ったらすぐにエネルギーを溜め始めます。もうそろそろ溜めるのは止めようと思ったら『テロス』と唱えて下さい。頭の中で結構です。わかりましたか? テロスはギリシャ語の終わりって意味ですよ」
響は高難易度の顔芸をしている、響マスタリー初歩の琴梨には理解できる訳がない。そう思い、通訳をすることにした。
「琴梨、響は一応理解はしたが、何か疑問点があるようだ。たぶん他のサイコロを見回しているから。沢山ある時はどうするの? とかそんな感じだと思う」
響は『流石輝輔!』と言っている。任せろ! 勘だ。
「えっと、沢山あっても思ったとおりに宣言は伝わります。例えば1個だけまだ溜めたいと思っていれば。溜めたいと思っている1個だけは命令が伝わりません。全部頭で思った通りになります。インスタンスはヨッシーと同じことを考えていますから大丈夫です」
ヨッシーにはギリギリご理解頂けたようだ。
「では、使い方の説明に入ります。ヒビポンが、使いたいと思うサイコロを頭に思い浮かべて『アルケー』と頭で思うか。言葉で発すれば。溜めた力が開放されます。アルケーはギリシャ語で始まりって意味です。
でも今はやらないで下さい。私達がタダではすみません。飛んでいく方向が分からない以上、これだけ大量にあると、高確率で死ぬと思います。――以上です」
今度から響に何か教えるときは琴梨に頼もうと心から思った。
「響。もう話していいぞ。あとインスタンス見せろ。作った物で未開放の物がいくつあるかくらい、制御してる側が把握してない訳がない。何個あるのか調べろ」
響は恐る恐る口を開き、少し残った疑問点を俺達に聞いた。少し手間取ったが理解させ終えると次の行動に移る。
「取り敢えず今すぐに『テロス』の宣言をして全ての蓄積を止めよう」
響は要領を得ないのか口に出して3回ほど宣言をする。
琴梨がインスタンス経験者なので色々調べてもらった結果、マーカーが在るとの事。自分を中心に大まかに生成したものの位置や数などがそこには表示されていた。
「では、開放方法の話をまとめる。作られたサイコロは全部で163個、うち部屋にあるものが144個。残り19個大学内に落ちているか、拾われている。日のある内はまずこれらの探索にあたって、日が落ちてから開放する。
探しきれなくてもマーカーから安全だと推測される位置のものは無理して集める必要はない。それは開放しても垂直に兆弾するか地面にめり込むので問題無い。人が拾って無いのが確認できれば夜に開放する。でいいかな」
と言うことで3人で大学の響が最初いた所まで散歩することになった。
「二人ともごめんね、僕があんまり理解してないのに作ったから」
「いいじゃないですか、毎年この時期はそういうことが多くて怪我人が一杯です」
「良くない、今回のは下手したら死人が出る。ほら落ちてるぞ」
「輝輔さんはそう言いますが。理解してないってことは開放も恐らく出来なかったはずです。危ない事に自分で気付いたら、先生なり輝輔さんなりに相談してやはり同じ結果になっていたと思いますよ? 終了宣言も知らないから二重のブロックです。ここの側溝にも落ちてます」
「うんうん、全く分かってなかったから。僕自身は色々な物が作れるようになるって思ってたし」
「どんな物を作る予定だったんだよ」
「僕としては役に立ちそうな……。ショベルカーとか? 後11個」
「サイコロしか作れない分際で夢がでか過ぎるだろっ」
「あはは、いーじゃないですか。夢は大きいほうがいいです。どうやら、ヒータンは靴を履く時に大量に落としたようですね」
「後何個?」
「うーん、検索範囲が被ってて数字が一気に増えた。2階かも」
「あーなんで三次元マーカーじゃないんだよ」
「僕に言われても知らない!」
「まぁまぁ、あと少しですし」
「おい、机の周りにも大量に落ちてるじゃないか。どういう神経してるんだよ」
「うーん……。揃ってる、揃ったよ輝輔!!」
「まだ分からない、二次元マーカーなんだから一度門まで戻って再度チェックしよう」
奇跡的なのかどうか判断は付かないが、琴梨以外の人間が興味を示して拾う事は無かったようだ。門に戻ってもマーカーの中心に163個全てが揃っており。それから皆で近場の橋の上から海へ投下した。開放宣言は念のため深夜にするようにと響に念を押して帰路に就く。
響のアパートは橋の向こう側なのでそこで別れた。集め終わった後も終始不安そうにマーカーをチェックしていたのが印象的だ。最後にも確認したが163個全て海の中に眠ってくれたようだ。
帰りは恒例の琴梨病である。ワクチン完成の目処は立たないようだ。
「デートみたいですね」
「俺は彼女作らないよ」
「失礼ですねぇ。私にも選ぶ権利があります」
「ダウト」
「細かいですねぇ。大体あってるじゃないですか」
「そんなに恋愛ごっこしたいなら響のアパートいけよっ! すぐそこだって」
「今のは少しカチンと来ました。訂正を要求します」
「……うーん。あのさ前々から思ってるけど、琴梨の要求することって全体的に難易度が高いよね?」
「そんなことないですよ。ちゃんと相手の力量をみて実現可能な要求をしています」
「全部?」
「全部です」
「それ、思い込みでは無い確証あるの?」
「ありません。特に貴方は推し量れません」
「じゃあ何で言い切れるんだよ」
「推し量れないなら、私に出来る事は出来るはずです」
「どういう理屈だよ、それにさっき響に説明したのは琴梨だったろ? 俺には出来なかったよ?」
「あれは、貴方がやろうとしなかっただけです。貴方は気が短いのか、どうしても一度に沢山のことを、伝えようとしてるように見受けられます」
「確かに気は短いね」
「そうでしょう。そうでしょう」
「何か釈然としないなぁー」
「私が貴方の予定通りにならない生物だからですか?」
「あーそれもある。普通ならこれで大丈夫。って所で全く諦める気配がない」
「それは、そうしてるからです」
「参考にさせてもらうよ。今度からは追い返す時は初めて部屋に来た時みたいにする」
「あれは利きましたよ。泣きそうでした」
「よく『帰れ』の違いがわかるね、結構本気で全部言ってるんだけど」
「勘です勘」
「まぁどうでも良いけどさ」
「すぐそれです、そうやって言われる相手のことを考えたことがあるんですか?」
「無いから言えるんだよ」
「また嘘です」
「ダウトの続きでもしようか」
「そうやって話をはぐらかします」
「疲れて来た」
「私と話すことにですか?」
「色々とね、少し琴梨とは仲良くなりすぎたからね」
「どういう意味ですか?」
「あまり、俺の内面を覗こうとしないでって言う意味」
「どうして……、普通自分が周囲に理解されることは嬉しいことのはずです。何故、貴方はそうやって毛嫌いするのか理解が及びません。私なんかに俺を理解して貰わなくてもいいっていう、そういう意味ですか!」
琴梨は少し声を荒立てて立ち止まった。だが今日は相手にするつもりは無かった。響だけでも辛いのに、これ以上は俺には無理だ。
「そうだけど、何か問題ある?」
「……その言葉が、嘘か本当か分かりません!!」
「あのさ? 別に俺のことを好きって訳でもないでしょ? 別に嘘だとか本当だとか考える必要も無く。俺はそういう他人を見下した人間。その事実を認識すれば自ずと答えは見えてくるよ。ご期待に添えなくて申し訳ないけどね」
俺は立ち止まっている琴梨を返り見ることも無く。真っ直ぐにいつものペースでアパートへと戻った。振り返っても振り返らなくても、俺が見る景色は同じはずだし、振り返る意味を考えたくなかった。ポケットの時計は午後七時を指そうとしていた。
ほんの少しだけ気が参る事があった為か、それとも響のせいで緊張状態が続いたからなのか。俺はアパートに戻ると着の身着のままベッドに倒れこみ、そのまま夢の中へと吸い込まれていった。




