The language of flowers(花言葉)
The language of flowers(花言葉)
『もし! お嬢さん』
「は……い……」
振り替えた少女は私のことを覚えていたようだった、あれだけ酷い事を言ったのだ忘れる筈があるまい。
「少し、話をさせて貰っても宜しいかな?」
言い終わるよりも早く、少女は私に歩み寄って来ていた。
「あの時は……、本当にすいませんでした。私にもっと、もっと! 力があったら!」
歩み寄った少女は涙を流しながら、私の手を取って謝り続けた。悲痛の叫びだった。
違うんだ、違うんだよ。謝るのは私の方だ。
「待ってくれ、それ以上謝らないでくれ。違うんだ、キミのせいじゃない。誰のせいでも無いんだ。私こそあの時酷い事を言ってしまって。本当に! 本当にすまなかった!」
少女は私の手を握って下を向いたまま顔を横に振り、顔をあげて私に言った。
「構いません、私には助ける事が出来る可能性はあったのです。その可能性を見ずに『しょうがない』で済まされる事ではありませんでした。私がそれから目を背けたら、一生あの方を大切にすることが出来なかった筈です。私自身が一生立ち直る事も出来なかった筈です。私はきっと救われました。だから、私にも奥さんを大切にさせて貰っても宜しいでしょうか」
彼の言うとおりだな、良く少女の事を理解してあげているのだな……。
「ああ、私からも宜しくお願いします」
暫く少女は私の手を握って涙を流していた。見ず知らずの妻のために、ここまで愛を注いでくれて、本当にありがとう……。
「ありがとう」
私にはそれ以外少女に掛ける言葉を見つける事が出来なかった。人はこんなにも優しくなれるのかと少女に教わったようだった。
「彼が待っているから、あまり引き止めてはいけないね」
落ち着きを取り戻した少女は、涙を拭きながら返事をした。
「彼氏ではないのですがね、残念ながら私には興味が無いみたいです」
とてもそんな風にはみえなかったが……。それに二人とも『残念ながら』と言っているから普通に考えて相思相愛ではないのか?
「彼は『自分には勿体無い』とキミの事を言っていたよ。やはりキミと同じように『残念ながら彼女ではない』とも言っていた。それに、とてもキミを理解した上で心配している様に私には映ったのだが……」
「……。今日は声を掛けて頂いて有り難うございました。私そろそろ輝輔さんの所に戻りますね。素敵な知らせも有り難うございます」
少女はそう言って軽く会釈を私にすると、彼の向かった方へ駆けて行った。
余計な事を言ってしまったかも知れないが、少女には幸せになって欲しいと素直に思えた。妻もきっとそう思ってくれるだろう。妻の分まで幸せになっておくれ……。
私も下ばかり向いてないで頑張らないといけないな。
読んで下さりありがとうございます
書き貯めていたものを一気に投稿しているため更新窓にも載らないと思います。
人の目に触れることは少ないとは思いますが、読んで頂いている稀有な方々、ポイント評価までお付き合い頂けると幸いです。ありがとうございました。




