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先生のために咲く花  作者: ムラカワアオイ
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ガタンゴトン

「お、駐在、今日から、よろしくな」

「あの、いくらなんでも、駐在はないんじゃないですか」

「じゃあ、なんて呼べばええねん」

「我聞創路、ガモンイツジと呼んでください」

「はい、我聞君」

吉本さんは、白いワイシャツにボンタン、太いズボンで決めていた。我聞は青いTシャツ、黒いズボンで決めていた。私は、その長袖Tシャツにジーンズで決めていた。

三人そろって、東京行の切符を買う。吉本さんは我聞に、二千円を手渡し、意味ありげに笑う。

「陽子」

「はい」

「お前、てんかん大丈夫なんか」

「あ、はい、おかげさまで」

「そうか。ほな、まずは、横須賀線か、で、東京で新幹線の切符を姫路まで買う。おい、我聞」

「は、はい」

「お前、元警察官やろ」

「は、はい。吉本さん、怖いですよ」

「何が」

この二人、漫才やらせたら、いいコンビになることだろうな。笑えた笑えた。ボケと突っ込み。そうこうしながら、3番ホームに立つ、我ら三人。明日から、もう九月か。タバコも辞めたことだし、まずは、姫路へ行ってみよう。私は横須賀線の車窓を見ながら、さっき、首にぶら下げた、一眼レフで写真を撮った。フィルムの現像、まだなのかい。姫路から鳥取か。焦らない、焦らない。逗子トンネル通過、幽霊トンネルって呼ばれてる、トンネルだ。私は、眠い。吉本さんと我聞は腕を組み、静かにガタンゴトンとガタンゴトンと。笑える二人。師匠、待っていてください。必ず、いい絵を描いてみせますから。

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