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先生のために咲く花  作者: ムラカワアオイ
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「陽子さん、陽子さん」

「あ、駐在さん」

「僕、陽子さんのファンですから、これ、プレゼント」

「何、私、もう吸わないよ」

「そうですか。残念です」

「あんたさ、警察、辞めたんでしょ」

「はい、これからは本名で呼んでください」

「私、あんたの本名、知らないよ」

「我聞創路、ガモンイツジです。今は貯金生活です」

嬉しかった、こいつといると自由になれる。私は、我聞とコンビニ前でコーラを飲む。今日は8月31日。デッサン旅行の準備は、三者三様。日本語ってなんだ。我聞は、メロンパンをニコニコと食べている。貯金生活か。お金なぁ。そうすると、吉本さんから電話。

「陽子、今、逗子駅や。駐在、来とるか」

「はい」

「タクシー代、出したるから、駐在と駅まで来てくれ」

「わかりました」

私は我聞に、「行くよ」。とヒトコト。我聞は、嬉しそうに、タクシーを呼んだ。今、朝の6時35分。あ、来た来た。黄色いタクシー。我聞は大きなリュックサックを背負い、二人でタクシーに乗った。

「逗子駅までお願いします」

「はい」

運転手さんは笑顔で私と我聞を見ている。勘違いされてるのかな。我聞と私が夫婦かなんかに。

「お客さんたち、兄妹」

「いえ、僕、このお姉さんのファンなんです」

「あ、そう。いいね」

「はい、いいです」

私は笑った。スーツケースは重いけれど、旅が始まった。デッサン旅行。

「お客さん、着いたよ。1230円ね」

我聞は、嬉しそうに二千円を運転手さんに差し出し、笑っていた。

「領収書は」

「お願いします」

「はいはい」

逗子駅前に、吉本さん。本格的でいろんなものがここから始まる。珍道中か。

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