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先生のために咲く花  作者: ムラカワアオイ
17/23

スーパーはくと鳥取行きに乗車。スーツケースが三つ。ありがとう、姫路。いざ、鳥取へ。砂丘、きっと、癒されるんだろうなぁ。ガタンゴトンと特急電車。車窓に、「恋山形駅」というピンクで統一されたかわいらしい駅が。ここんとこ、恋愛もご無沙汰だもんな。いい人に巡り合えますように。人生か。「陽子、なにしてるねん。ここを写真に撮らんでどうするんや。師匠が喜ぶと思うから、この駅舎、撮っとけ」

「はい」

私は急いでカバンから一眼レフを取り出し、恋山形駅を連写するのであった。吉本さんも、私の隣で写真を撮る。我聞は、寝ている。お疲れだもんなぁ。列車が動き出した。癒しにはピッタリ、デッサン旅行。水を一口飲む。今日は何曜日で何日だったっけ。忘れちまえ。吉本さんはF1の話を、また始めた。

「やれ、セナ、中島悟、ルノー、オリビエパニス、鈴木亜久里、リカルドパトレーゼ、セバスチャンベッテル、ルーベンスバリチェロ、ロンデニス、鈴木利夫、オリビエグルイアール、ルール、ルカバドエル、ルチアーノベネトン、あ、うん言うてもた」

「好きですね、ほんと」

「おうよ。もうすぐ、俺もパパやからなぁ。陽子、お前、ほんまに彼氏、おらんのか」

「しつこいですよ。本当にいませんよ」

「そ、そうか」

少し、ビビる、兄弟子吉本一樹。優しい人だ。美穂は元気かな。美穂、お母さんになるんだね。私も結婚できるのかなぁ。本音、辛い、寂しい、淋しい、孤立、孤独。コンプレックスのカタマリな私という人間。でも、理解者は、師匠、吉本さん、我聞、美穂。幸福って難しいね。吉本さんと鳥取に着くまで雑談すると、しよう。画家の笑顔の行き先は、世界中。

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