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槍とカチューシャ  作者: カーネーション


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第12話『シャーレンブレンド』

 またまた団長さんの馬に乗りながら、シャーレンブレンドへの旅がスタートした。


 何度か夏希に「馬を変えてくれない?」「あっちの人もいいなー」と提案したものの、あの便利な笑顔でごまかされてしまった。団長さんだって、わたしよりもっと可愛い子を乗せた方がいいと思うけれど、なぜかその提案は聞き入れてはもらえなかった。


 結局、団長さんのぬくもりを背中に感じながら、村を出て草原を駆ける。


 こちらの世界では開発が進んでいないらしく、自然が手つかずのままで残されている。開かれた大きな空と広々とした草原がどこまでも続く。遠くの方で野生の馬の群れが駆けていた。


「すっごい」


 視界いっぱいの大自然を目にしたのは、はじめてだった。あまりにも美しくて、体を乗り出してみたら、団長さんの太い腕が腰に巻きついた。壁のような胸板が背中に密着して、元の場所に引き戻される。確かに馬から落ちそうになって、危ないところだったかもしれない。


 一応、「ありがとう」なんて言ってみたけれど、通じるはずもなく、団長さんには華麗に無視された。


 草原も終わり、やがて、石畳の道が見えてくる。その上に人の姿がちらほらあった。そろそろ街が近いのかもしれない。道の途中にある井戸で休憩をとりながら、一行は街道を上った。


 やがて、二股に分かれた街道が合流する。道の先で巨大な石壁でできた門があった。跳ね橋が下がっていて、行き交う人たちでにぎわっている。緩やかに上り坂になっている大通りには、旅人を相手にした行商人がいた。まさに大都市といった感じだ。


 でも、わたしたちが群集に混ざろうとすると、彼らは左右に別れて道をゆずってくる。団長さんは何の迷いもないらしく、その真ん中を堂々と歩いていく。


 騎士団に送られる歓声。パレードじゃあるまいし、みんなの注目を集めすぎだ。元の世界みたいにカメラを向けられることはないから、まだいいけれど、みんなの視線がレンズ並みにきらきらと輝いている。わたしはその視線が恥ずかしくて、できるだけ馬のたてがみを見るようにした。


 ようやく人通りがまばらになってきた。門を抜けると、巨大な城が見下ろしてくる。意外と城の側面はゴツゴツしてるなあと思う。お姫様というより王様が住むところという感じだ。扉も窓も柱も、城を形作っているすべてが大きくできている。


 馬から降ろされると、ようやく城のなかへ。場違いな奴隷服の裾を少し直しながら、「よし」と気合いを入れて城に乗りこんだ。

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