怖くない話
※この話はすべてフィクションです※
あるところに、三城山という山がありました。
この山は自殺者が多いことで有名です。
そのため、村の人々から自殺山と呼ばれていました。
そうそう、
この山には、目以外の顔の無い化け物がいるとか……
山の名前を知らない人でも化け物が出ることは有名なようで……
おっと、自殺山にタクシーが迷い混んだようですよ?
取り返しのつかない事にならなければ良いのですが……
◆□■◇
「いったいどこなんだここは……」
タクシーから降りて周囲を見回す。
しかし見えるのは濃い霧ばかり、この霧じゃ車を運転出来るとは思えない。
腕につけた時計を見ると、短い針は<10>を指していた。
「とりあえず霧が止むまで休むとするか」
再びタクシーに乗り込み、タクシーを道の脇に寄せてエンジンを切り、俺は休養をとった。
――コンコン――
――コンコン――
「――ん?」
なんだ?今の音は、
眠気で垂れ下がった目を擦りながら腕時計を見る。
すると、短い針は<2>の少し左側を指していた。
「4時間か…ずいぶん長く寝ちまったようだな…」
――コンコン――
「おっ、お客さんかな?今開けるよ」
後ろのドアを開けると、女の人が立っていた。
長いロングコートに長い黒髪、そして顔にはマスクをしていて、ずいぶん暗そうなお客さんだ。
『………出して…』
「どこまで行けば?」
『……池…』
「池ですか……すいませんが私、今迷っていまして……案内してもらってもよろしいでしょうか?」
『……コクッ』
メーターが0になっていることを確かめ、タクシーを走り出させた。
ブロロロロ………
「いや~この辺の人がいて助かりましたよ、あのままだったら絶対孤独死してましたよ」
『みぎ……』
「おっと、了解でーす」
『ひだり……』
「はいはーい」
『ひだり……』
「了解ですよー」
『みぎ……』
「はーい」
『みぎ……』
「はーい」
『ひだり……』
「はーい」
「みぎ……」
「……はーい」
……無言だ…
出発してから道以外の話をしていない。
ここまで暗いお客さんは初めてだ。
あ~、早く帰って家の布団にくるまりたいな~
『……道…』
「え?どうかしました?」
『……この山から出るには……この道を真っ直ぐ…』
「ホントですか!?」
『……コクッ』
いや~やっとこれで帰れる♪
俺、ついてるな♪
あれ?でもこの人……池に行くんじゃなかったっけ?
「あの……お客さんは池に用があると…」
『あれ……嘘………山の出かた…教えるため……』
こ、こんないい人がこの世にいるなんて!!
まさについてるとしか言いようがない!!
『私……一人じゃ出れない…理由がある………この山出たい…』
「あ、じゃあこのまま一緒に行きましょうよ」
『……コクッ』
◆□■◇
『ねぇ……知ってる?』
「何がですか?」
『この山…なんて呼ばれてるか』
「いや……知らないですね…」
『……そう……』
『ねぇ……知ってる?』
「何がですか?」
『ここら辺ってね?化け物が出るのよ?』
「あ、それ知ってますよ。TVてとりあげられたりして、」
『……そう…知ってるの……』
「そういえば、TVで写真が出てましたよ」
『!! ……へぇ…』
「長い黒髪に、ロングコート……あ、そうそう丁度お客さんみたいな感じですよ。それで、顔が……どんなだったかなぁ?見ればすぐ分かると思うんですが……」
『へぇ………』
この女の人……笑ってる…?
『……顔……見たら…分かるの?』
「え?」
『もしかして……こんなじゃなかった?』
女の人がマスクを取る。
「こ……これは…」
『ねぇ…こんなじゃなか「これはビックリだ!!」』
『え……』
「いやーあなた!!うちのお袋にそっくりだ!!」
『あ……え?』
「あ、思い出しましたよ、TVの写真」
『そ…そう……じゃあこんなじゃなか「全然違いますよぉ~」』
『……ほぇ?』
「正直言うとねぇ……あなたよりTVで見たやつのが可愛かったですよぉ~」
『………………………………』
――フッ
「な~んてねwお客さん、気を悪くしたなら……あれ?」
あの女の人は姿を消していた。
「あの人まさか…………………
マジシャンだったのか!!」
◆□■◇
世界一鈍感な運転手と打たれ弱いお化けの話でしたぁー(^〇^)
――おしまい――
なんか……勢いで書いちゃいました 笑
自分でも良く分かんないですw