『乙女の思考はキララ様至上主義』
この話しは、だいたいグランダ復興頃の少々落ち着いてきた時くらい
少々ガールズラブ要素に見えなくもないものが入っていますので
苦手な方はご注意下さい。
一応軽くですので、そう見える?見えない?くらいの感覚(私にとっては)
でも一応注意タグは入れておきます、期待している方には物足りないかもだけど。
グランダに新しい神様が訪れました、とても喜ばしい事です。
赤い、目を惹かれる程の赤い目に御髪をした優しい神様。
天空神ギメノグレアヌス・ハリエルマ・ガルカトス・イルベラ・ラクエマンティス
以前グランダで信仰していた神は、今では邪神に。
ずっと信じていた神様が私達を苦しめる邪神だと赤い神様に教えられた時
強い憎しみの気持ちが私の中を駆け巡ったのが分かりました。
私達を苦しめていたのが、ずっと信じていた神だと知った時
そして、グランダへの攻撃にどれ程の悔しさと虚しさが生まれたか。
でも、今はそれはどうでもいい事ですの
私は神様を信じてはいるけれど、不謹慎ながら私の優先する方は神様ではないのです。
私達グランダの統治者であるスオウ様。
金色の御髪に青い瞳の美しい方。
邪神によって苦しめられていたグランダを守ろうと、必死に傷つきながらも戦ってくれました。
赤い神様に救って貰った時、私が感謝したのは、生き残ったからではありませんでした。
私の敬愛するスオウ、キララ様が笑うようになったからですわ。
歳が同い年だという事で、遊び相手として
幼い頃からお仕えしておりましたけれど
この方ほどグランダの民を思いやっている方はいなんじゃないかしら?
執務をしている時の凛々しいお姿、お休み時のあどけないお姿。
あの金色の御髪に触れる時は、何時も緊張で一瞬呼吸を止めてしまいます。
あの方の御召しかえの時には、お美しい容姿に瞬きするのを忘れてしまうほどですわ。
何度如何わしい動きをする自身の手を必死になって止めたことか・・・ふふふ。
年々お美しく成長する姿に毎日私の胸が高鳴りますの。
以前まではどこか思いつめていた事はあれど、度々お優しい笑みを浮かべていたのに。
今では信仰している赤い神様が、邪神だと思い違いしていらっしゃった時には
もう、この世を恨んでしまう程に笑顔を浮かべなくなってしまわれました。
儀式を執り行うたびに、お美しい白いお肌から滴る赤い色を見るたびに
どれ程、磔にされている赤い神様へ止めをさしてしまいたくなった事か。
人の身でそのような事が出来るはずもないと分かっているというのに。
何度も愛用の短剣を錆びないよう、切れ味が良くなる様に
磨いでは磨いでは赤い神様へ想いを飛ばしておりました。
けれど、ええ、今は感謝しておりますわよ?
前神である天空神を退け、復興され始めたグランダを見て喜ぶ我が主、キララ様の笑顔が拝見できましたから。
ええ、ええ
キララ様が赤い神様を信頼し、己を赤い神様のイケニエだと思っていようとも、ええ、感謝しておりますの。
元気になられたキララ様の様子を優しく見守る赤い神様・・・ふふ、キララ様のあんなにお美しい笑みを
一番近くで拝見できるなんて・・・図々し・・・おほん、いえ、なんて運のいい神様なのでしょう。
しかし、キララ様とのイケニエを解消した時の、あのキララ様のお顔・・・
私としては解消されたのはとても喜ばしい事なのですが・・・
悪戯にキララ様のお心を弄びやがっ・・・ふふふ。
キララ様も、復興の為にいらっしゃったモンジャの民と仲が良くなっておられて
私はとても嬉しいですわ。
たとえ、少々邪魔な存在がいらっしゃられても。
その存在のお陰でキララ様の愁いが取り除けるのであれば、私は何者であろうと
そう思ってしまうのがどれだけ不謹慎であろうと、利用する所存で御座います。
勿論、信頼し感謝しておりますので、ご心配なさらず。
あら?そろそろ、キララ様のお食事のお時間ですわ。
早く行かなければ、キララ様の配膳は私の大切な役目ですもの。
好物が出た時のキララ様の物欲しげな表情は、一晩眠れなくなるくらいには興奮しますのよ?
ああ、それは私だけが知っていればいい情報でしたわね、お忘れ下さいませ。
失礼、何事にも優先せねばならない所用が御座いますので。
此度は貴重なお時間を、お付き合い頂き有難う御座いました。
ささ、どうぞ民への祝福のお時間へお戻り下さいませ。
ああ、そうですわ・・・
・・・赤い神様にも、どうぞよろしくお伝え下さいませ。
何時でも、心の底から
赤い神様のグランダへの訪問、お待ちしておりますと。
・・・赤い神様がいらっしゃると、キララ様の笑顔が何時もよりも特に光輝いておりますので。
本当に・・・悔しい事に・・・ほほほ。
そっと一礼をし、颯爽と振り返る事なく立ち去る少女の背中を見送り
グランダへと祝福や復興の手伝いをしに来ていたエトワールは
天使として文句のつけようのない整った顔立ちを引きつらせた。
「・・・赤井君に、グランダに来た時には背後に気をつけておけとでも・・・伝えておくか」
何か、途轍もなく恐ろしいものの片鱗を垣間見たような気分になったエトワールは
先ほどの少女には己が天空神ギメノグレアヌスだったという事を、決して、けっっっして!!
知られないように生きようと、というか、絶対知られませんように・・・と
良く晴れた空を眺めながら、そう思った。
はい、期待損ですね、分かります。orz
乙女の思考は
キララ様>>>(越えられない心の壁)>>>赤井様>>男衆>>>>>天空神
なんじゃないでしょうか、どんだけ壁が高いんでしょう。私にも分かりません。
キララ様の最近の悩みは、きっと城のどこに居てもどこからか熱い視線があるように感じる事でしょうね。
拙い文でしたが、拝読有難う御座いました。