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ようこそ、株式会社むすびへ  作者: 酒好き


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初めまして、

今日から部署移動だ。


会社の組織自体が移動ありだと言われればそうなのかもしれない。

だけど、私は認めたくない。


大学の新卒で入社した会社。でも、入りたかったわけではかけらもない。

いつまでたっても内定さえもらえない私が滑り込みで入った会社。

さほど思い入れもない。

ただ、ブラック企業ではない、割とホワイト寄りではある。

けど、やっぱり、たまに労働量と収入があってない気がする。

だから、労働量が多いからという理由でやめられるなら辞めたい。

けど、新卒というカードを失って3年が過ぎた私には何もない。

働けてもアルバイト。専門職でもない、ただの経済学部が入れる企業、ましてや雇ってくれる企業なんかそうそうない。

ここを辞めたらお先真っ暗がオチだ。

地元の田舎に帰っても働き先は見つからないし、過疎が進んでいくあの町に帰ったら本格的にまだ弱い25歳が終活を考えなくてはいけなくなる。

まず先にここで玉の輿に乗れなくても、そこそこの彼氏を見つけて二人働き続けて平凡な幸せを手に入れたい。

まるで、天使と悪魔が同時に私の頭の中でけんかしてるようだ。


こんなことしか願えない、今の状況は過去の自分に文句が言いたい。

まあ、無理だなことですが。


今日からの配属のこと、最近の悩みを吐き出せと言われるならばなら永遠と吐き出だせる。

それレベルだ。

笑える。

電車の中で、なぜこんなに感情の起伏を一人だけ起こしているのかわからない。

まあ、救いなことにまだ人が少ないこととほかの人が運転している車より事故率が低そうな乗り物に乗っているということだ。


そんなことばっか考えてるだけで、自然と足は会社に向かって歩いている。

なんて便利な習慣なのだろう。

気づけば、会社の前。

まるで内定式を思い出す、いや毎日か。

毎日毎日、あの日の憂鬱を思い出す。

どうしようもないほどの絶望と若干の希望が扉を入ってすぐに打ち砕かれたことも。


始める、また新しい部署で新しい生活。

知らない人しかいない。

噂では癖が強い人しかいない。

こんな無個性の私がここでどう生活するのか。。。



藤野詩織、25歳、はじめます。

どこにでもいる就活戦争で負けてしまった、無個性。

働き始めてみます。


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