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異世界インタビュー ~転移者の世界の歴史  作者: ほすてふ


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おわり

(紙も筆跡も違い、破られて修復された痕跡がある。)



 殿下におかれましては大変お怒りのことと思います。

 それについては謝罪の言葉しかありません。ごめんなさい。


 教師をつけてくださりありがとうございました。

 おかげさまでそれなりの技術を身に着け、応用もできるようになりました。

 報告では進歩なしとなっていたかと思いますが、それは自分が教師を欺いていたのであり、うまく出し抜いた自分が悪いということにしてください。自分がこうする判断に踏み切ることができる能力を身に着けたのは教師のおかげです。それくらい有能な教師をまさか罰したりしないでくださいね。


 さて、欺くと言えば、殿下にお話ししてきたことは意図して嘘をお伝えするようなことはしておりません。記憶違いや解釈違いはあったかもしれませんが。


 最後にお話しした日、千夜一夜物語について尋ねられましたね。

 あれは説話集であると同時に、時間稼ぎをする話でした。


 浮気されて女性不審になった王様が、閨に呼んだ女を殺すようになったのですが、ある時、頭のいい女性が面白い話をして、次回に続く、次回はもっと面白くなりますよと毎夜話を終えることで、王が心変わりする日まで時間を稼ごうとしたという、工夫された説話集だったわけです。オチは知りません。


 説話集をさらに物語でまとめるという発想が面白く、中身は何本かしか覚えていませんでしたが、外枠の構造は覚えていました。

 


 自分としましては、未だこの世界に骨を埋める覚悟ができておらず、元の世界への帰還の可能性を追いたいと考えております。

 殿下とこの国はそれを許してはくれないかと思いますので、こうして黙って出奔しようと思います。改めまして申し訳ございません。

 この件で誰かを罰するようなことはしないようにお願いします。自分のために、殿下の手の者が無駄に減ってしまうのはよろしくないでしょう。


 また、自分を追うのはどうかあきらめていただきたいです。

 追われると敵対するしかなくなってしまうと思いますので。

 自分としては殿下に恩義と負い目も感じているので心苦しくなってしまいます。

 さらに言えば自分があきらめたとき、殿下のもとに戻る可能性を残してくださると嬉しく思います。

 殿下の利益を考えてもその方が望ましいのではないかと。


 それと、教えていただいたこの世界の技術に自分の世界の技術を組み合わせることで効率的な効果を得ることが出来ました。

 出奔のために隠匿していたため報告できませんでしたのでこの場を借りて少しばかり報告させていただこうかと思います。


 致命的といえる欠陥もありますので過度な期待はしないでください。


 成果といっても、科学的手法で導き出した自然法則を活用することでこちらの世界の技術の効率を高めるというだけのことです。

 火がより高温になるメカニズムを利用する、物体の状態の変化を利用するなど、そんな単純なことです。

 そして、欠陥というのは従来の技術と同じ方法で、より容易に無力化されてしまうという点です。

 従来の技術の応用の域を出ないということですね。


 しかしながら、あまり手を付けられていない分野ですから可能性は感じます。

 自然法則の追求だけでも役に立つこともあるかと思いますので、研究する価値はあるのではないでしょうか。



 さて、改めまして、今までありがとうございました。

 高い確率で自分はどこかで野垂れ死に、低い確率で帰還を果たすでしょう。

 できれば忘れてしまって殿下自身の必要なことを成してください。

 さようなら。









(一次資料は以上である。当時、転移者がどうなったのか記録に残っていない。捕まったのか、亡くなったのか、帰還したのか、それ以外か。殿下の時代は特定されているが、当時殿下と呼ばれる人物は複数いたため誰であったかも絞り切れていないが、政策の変化からこの資料の影響があったことは確からしい。)

お気に入りと評価してくれたらうれしいな。


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今後ともよろしくお願いいたします。

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