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異世界インタビュー ~転移者の世界の歴史  作者: ほすてふ


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033 そして6

※記録者注

 雑談のため割愛




「つぎはそうだな、千夜一夜物語というのはどうなのだ?」


 ちょっと地元が違うもので詳しくはないのですが、知恵といいますか、機転を生かした物語が多かったように思いますね。盗賊に捕まったがうまく出し抜いて脱出するみたいな。


 物語を収集して編纂することで、その分野の権威となることはできると思います。

 事業としても意義のあることでしょう。

 ただ、子々孫々にその権威を残していくとなると違う気がしますね。


 支持される対象が作者や編纂者ではなく物語だからでしょうか。

 有名な物語なのに作者不明なものも結構ありますしね。



 そうですね、歴史に名を残したことで苦労した人の話をしましょう。


 その人は爆発物を発展させて使いやすく効率的なものを開発しました。

 安定性や安全度が大きく向上したことで、事故が減りましたし、軍事用途としても

非常に有用で大いに使われることになりました。


 彼は、遺言に、自分の遺産を使い、技術や学問の発展に寄与したものに与える賞を創設するように遺しました。


 その賞には彼の名前が付けられ、世界最高の権威ある賞として誰もが認めるものとなりました。


「その者はなにを思っていたのだろうか」


 物理学、化学、医学、文学、平和賞が設立されました。

 想像は出来ますが、断言できることはないですね、昔の人のことですし。複数の理由が絡み合っていたかもしれないですし。


「だが、賞を作るというのはよいな。その者の想いはその者のものとして、余は余の都合として同じことをしてみるとしよう」


 役に立てたようならよかったです。


 名誉はなかなか報われない研究者にとっては追い風となるでしょう。

 地味で儲からないけれど重要な研究というのはたくさんあります。

 先ほどの例の人物はめちゃめちゃ儲かった例ですが、逆もあるということで。


 以前、小さな国家のお話をしたと思います。

 国は最低限のことだけを行い、出来るだけ税金を取らず、市場原理に任せるという考えですね。

 この考えだと利益が出ないことが放置されてしまいますよね。

 インフラ整備とか。

 そういう意味では、国がすべき最低限のことに含めるべきなのでしょう。


 大河に恵まれたある国では、治水が政治という言葉の語源になったともいわれています。

 やるべき事業だと誰もがわかっていましたが、国ほどの規模でなければ手が出せなかったんですね。

 実際に国が傾く原因になるほどの国力を消費しましたが、その地方を大いに潤し後継の国々の治世に寄与した話もあります。

 まあ戦争もあったのでそれもあってって感じですが。

 国の限界を超えて頑張りすぎたようですね。



 学究方面、インフラのほかに国が行うべき事業は何でしょうね。

 治安維持と軍備は前提として。


 医療分野などはどうでしょう。

 人口は国力ですし、医療を市場原理に任せるのは怖い気がしませんか。安かろう悪かろうとなると

 しかし逆に競争がないのもよくない分野であるとも思われますね。命に関わることですから、高額に吊り上げるようなことがありそうです。


 自分の国では国と民間両方が母体の医療施設を運営し、品質と価格が大きく乖離しないよう双方の面で競争をする構図としていましたね。


 それとは別に、学究機関が出した成果を共有して相互に品質の向上を図っていました。

 さらに、保険制度を健康に適用し、高コストな治療に援助を出すなどしていました。


 はい。

 高額な費用が掛かるケースは医学的な意味でのサンプルとしても貴重です。

 おカネを持っている人々もいつ自分がそのような病気などになるかわからないですよね。自分の命にどれだけおカネを使えるかと考えると、お金持ちほど価値を感じているんじゃないでしょうか。金銭的な意味では。



 ほかには外交的な色が強い輸入交渉ですかね。特に戦略資源です。

 技術発展によって、そして世界が広がり、狭くなったことで、物資の価格ややり取りそのものが外交的な意味を持つようになりました。

 食料、肥料、エネルギー資源、希少物質、それに鉄などの原料などですね。

 生存や、軍事などに影響が出る資源がどこでも産出するとは限らず、また品質も場所によって変わります。

 世界中と取引できるようになったことで、世界中の資源を利用できるようになり、技術もそれが前提になりました。

 そうなると産出国の発言力が上がりますよね。

 そして、ブロック化のお話もしたと思いますが、そういった国を味方につけることが必要になります。

 これは国と国とのやりとりになりますね、産出国は多くの場合外交上の武器とするので。




 それから何よりも教育でしょうか。

 これを民間に任せると、国よりも経営母体に強い帰属意識が向いてしまいます。

 これは国防上危険です。

 外国から手が伸びてきますね、そんなスキを与えると。

 人口は力と言ってきましたが、それは国に帰属意識を持っていて協力的であることが前提であると思います。

 内側に敵を生むようなことになりますから、気を付けなければいけません。


 また、人が生きている間に発見や発明により社会が変わっていくのであれば、子供や若者以外にも新たな産業に切り替えられるような仕組みも必要になるでしょう。

 これも同じ理由ですよね。

 理想的な人材の割り振りの比率が変われば失業者が出ることは避けられません。


 それと同じような方向性で、何かしらに失敗するなどで生きるのも難しくなった人を救済し、社会に戻す仕組みも必要でしょう。

 これも民間に任せると、あとがなくてなんでもする状態の人間が誰かの恣意的な指導に従ってしまう可能性が出てしまいます。

 他国の工作員にとってはねらい目ですよね。



 こうして考えてみると国防上の理由というのはなかなか広く解釈できますね。


 以前マスメディアについてお話ししました。

 コストがかかるから国がやりにくいとその時は言いましたが、コストをかけてでも国が情報発信を行うべきかもしれません。

 民間のマスメディアとは別に政府の直下の機関を置き、常に比較できるようにするということですね。

 マスメディアの暴走をいくらか止めることができるかも。

 自分がマスメディアの立場であれば、税金の無駄と批判しまくりますかね。難しいな。



 最低限といいながらどんどん増えてしまいましたが、優先順の高い分野という意味では大きな政府の中でも意味がある議論になると思います。

 こういった方向性でもっと議論してもらいたいですね、一人の民の視点では。


 なんであれ時と場所と目的によって最善は変わります。

 歴史を学ぶと後知恵でもっといい選択があったのではと思ってしまいますが、当時の人々は最善を選んでいるつもりであったでしょう。

 どういった選択をするにしてもどうぞ後悔のないように考え抜いて選んでください。






※記録者注

 これまでになく実際的な話が含まれるが、焦らずこれまで通り分析を進めること。


お気に入りと評価してくれたらうれしいな。


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