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農業についてもっと聞きたいということで。
古代以前、食べられる実がなる木を移植するなど行われていた形跡があります。
そして人類にとって都合が良い植物、穀物と出会い、主力生産物となります。
また、それ以外にも食べられるものと毒物と長い時間をかけてより分けていきました。
そのなかでより都合が良い植物を育て始めます。
リスク分散という意味もあったのかもしれません。
穀物だけでは不足する成分があると気づいたのかもしれません。
ともあれ、野山でしか取れない植物と、栽培する植物はしっかり分けられていましたね。
生産性と食味、育てやすさなど、気候や地理などの条件もあって地域ごとに生産される植物は分かれました。
自分が知っている主力穀物だけでも、コメ、麦、いも、とうもろこしなど複数種存在します。
野菜となると無数に。
天下を取ったと言えるのは砂糖が取れる植物でしょうか。人類は砂糖に魅了されてしまった。
それ以外は地方の特色がありますが、砂糖だけは圧倒的支持を得ていますね、多分ですけど。
さて、伝統的な栽培法としては、畑と水田があります。
畑は地面を耕したもの、水田はさらにそれを水で満たすものですね。人工的な湿地と考えてもらえばわかりやすいでしょうか。
水田は湿地に適性のある植物を育てるのによいほかに、土中の植物育成成分や温度の管理に有効な手法です。
また、雑草や虫の排除にも役に立ちます。
それでも大変な手間がかかりますが。
さて、そんな農業ですが、植物の生態を利用してより効率化し生産性を上げられるようになっていきました。
経験則で行われていましたが、徐々に分析が進みまして。
植物の生育に必要な物、まず水とお日様の光、そして気温。
さらに、土中の三つの成分。
そして病気や虫、獣への対策。
これらが必要だと理解されるようになりました。
その過程で生まれた農法をいくつか知っています。
一つは、輪作。
特定の作物ばかり栽培していると、土中の成分が偏ったり枯渇していきます。そうなると生育が悪くなるばかりか、作物が病気になったり虫に食われやすくなります。
これに対して、肥料をすき込んで補給するということは行われてきました。
それとは別のアプローチで、畑を三つや四つのエリアに分け、それぞれ別の作物を植え、それを毎年順番に入れ替えていく方法が考え出されました。
作物によって消費する成分が違うことからできる方法です。
つまりそういう作物を見つけて組み合わせる必要がありますね。
穀物と、豆とか根菜とか、あとは放牧するとか、牧草として何か育ててたような覚えも。
もちろん自分の世界ではですが。
次は温室です。
これは暖かい地域で育つ作物を寒い地域でも育てる手法ですね。
そのための設備を作るためコストがかかります。
それが輸送費用と比較してどうかというところですね。
あとは鮮度が重要な作物など。
光を通す素材で畑を覆う家を作るのが一般的でした。
植物の生育は日照時間と気温の蓄積が重要だということで。
寒暖の差が必要な植物もありますね。
作物に合わせて環境を整える、そのために最適な環境をよく調べることが重要でしょう。
品種改良は以前お話ししましたよね。
環境を変えるのではなく、作物の方を変える。
時間をかけて取り組む手法ですが、完成した種を盗むやつがいて問題になっていましたね。
農薬。
虫や雑草を排除する薬を使う農法です。
扱いを間違えると環境を破壊して不毛の地にしてしまうのが欠点ですね。
比較的安全なものから、劇的なものまで模索されていました。
水耕栽培。
土を使わない農法です。
設備が揃えば非常に高効率で、低リスクの栽培が可能です。そうなると農業の工業化とも呼ばれていましたね。
「どういうものだ?」
土の代わりに必要な成分を溶かした水に根を漬けるんです。なんでもそれで育つわけではなく、適した作物を選ぶ必要はあると思います。
小規模なものなら花瓶や植木鉢のようなものでも可能でした。
水と光と熱、そして三つの成分を与え、虫や病気から隔離することで効率的に安全に栽培を行います。
光と温度の管理に大きなコストがかかるのと、植物に対する十分な知見、それから
あとはカビなどが天敵じゃないですかね。
必要条件を満たせるなら、例えば、三階建ての水耕栽培農場を作れれば3倍生産できますよね。そんな単純じゃないでしょうけど、土地面積に対する効率をあげられます。
これもコストの問題になってきますね。
普通に開拓するのとどっちがいいかは難しい問題です。
しかし非常時の対策に、リスク分散として行うという手もあるでしょう。
ただ、穀物の水耕栽培はあまり聞かなかったように思います。何か課題があったのだと思います。コストとか。
コストをかけて収益を上げる構造は、直接市場原理にぶつかります。
あ、はい、市場原理は需要と供給によって決まる価格と、コストを積み上げて算出される総額の比較によって商売が成立するかという、まあ安くできないと淘汰されるという話ですね。以前触れたときは市場原理という言葉は出してませんでしたか。
技術が発展し、分析が進むと、性質から逆算して生産を行う環境を作る手法で効率化されていきます。
農業に限りませんけどね。
今扱っているモノがどういうものか、それを突き詰めて研究し、新たな知見を得て、それを生かせる体制を作ることが発展の重要な要因だと思います。
持続的にそれを続けることが、ですね。
一つのアイデアだけで世界が変わるようなことはそうそうありませんし、あったとしてもそれに盲目になって細かな修正すべき点を見逃しては後々追い抜かれてしまうでしょう。
ですが成功体験にこだわってしまうのはわかりますし、失敗したときの損害を考えると少し変えるのも大変な力が必要ですよね。
そのパワーがなければ競争を勝ち抜いていくことは難しくなっていくわけですが。
そこも含めてコストパフォーマンスでしょうかね。
※記録者注
研究者に出せる予算を算定
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