学園でのはじめてのランチ
教室のチャイムが鳴り、昼休みの時間がやってきた。初めての学園ランチ——腐敗した体を抱えたまま、私は少し緊張しながらお弁当箱を取り出す。見た目は普通のサンドイッチやフルーツ、サラダ。しかし、腐敗した体では味覚も消化もまだ不安定で、食べられるものは限られていた。
「どうしたの? 食べないの?」
隣に座った栗色の髪の女の子が心配そうに聞く。私は小さく首を振り、「ちょっとまだ慣れなくて……」と答える。彼女はにっこり笑いながら、私の弁当のサンドイッチを半分差し出した。「一口でいいから、試してみて!」
恐る恐る口に入れると、思ったよりも食べやすい。少しずつ噛むたびに、胸の奥がじんわり温かくなる。腐敗した体でも、優しい友達のおかげで、普通の学園生活に触れられる瞬間を味わえる——そのことが嬉しかった。
クラスメイトたちも興味津々で話しかけてくる。「ゾンビなのに、制服も似合ってるね!」「髪型どうしてるの?」最初は質問攻めに戸惑うが、笑いながら答えていくうちに、教室が明るい空気で満たされる。腐敗と華やかさ、滑稽さと美しさのギャップが、逆に笑顔を生んでいた。
食事が進むにつれ、私は少しずつリラックスしていく。笑い声、フォークとナイフの音、外の風で揺れる木々の影——すべてが心地よく胸に響く。腐敗した体での生活はまだまだ試練だらけだけれど、こうして友達と過ごす時間は、確かな癒やしと希望を与えてくれる。
「ねぇ、放課後に一緒にお散歩しない?」
彼女の誘いに、私は少し考え込みながらも微笑む。「うん、ぜひ」
腐敗した体での学園生活は、まだぎこちなくて大変だけど、友達と一緒なら少し勇気が出る。笑いあり、胸キュンあり、ちょっぴり切なさもある——そんな初ランチは、心に小さな温かい光を灯した。
昼休みの終わり、私はお弁当箱を片付け、窓の外の青空を見上げる。腐敗した体でも、学園で生きている感覚がここにある——そう思うと、胸がぎゅっと熱くなる。今日という一日も、少しずつお嬢様として、そしてゾンビとして歩き出せた証だった。
「腐っていても、私はここに居られるんだ」
心の中でつぶやき、私は小さく笑う。笑い声と木漏れ日、友達の優しさ——それが、ゾンビお嬢様の学園生活を輝かせる、小さな魔法のようだった。




