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EP.4 剣聖・モルカリア①

星願都市は東、南、西、北にそれぞれ出入りを管制するゲートを設置してる。他国のスパイや身分不明者の潜入を防ぐのはもちろん、ゲートは魔法を施されて、外敵から人間を守る機能を果たしてる。


俺は光の元を探すために南のゲートを出た。そして案の定、()()がそこにいた。

金の髪が流麗に流し、黄金の剣を片手に持つ若い少女はーー


剣聖ーーモルカリア・ペンドラゴン。純白の戦闘用軽装を着用してる彼女は、魔物の群れと対峙する。


人型魔物、鬼族、虫型、、、彼女は数十の魔物を目の前にしても、怯えることなく、後ろに下がることもなく、ただひたすら敵を注視し、もっとも効率よく敵を殲滅することを考える。程なくして、彼女は動いた。


シューー


風を切る音が耳に入った時、彼女は既に何体の魔物を仕留めた。


(早い…!)


ギリギリ目で追えるスピードだ。彼女は止まらず、次の獲物を素早く定めて、剣を振り下ろす!

一匹、また一匹、魔物が切り裂かれ、倒れていく。黄金の閃光は舞うように弧を描き、魔物を殲滅していく姿は、見る人に希望をもたらす。


そして数分後、あれ程いた魔物の群れは、今は音出せない骸となり、地に横たわる。


「ふう…」


モルカリアは深呼吸して、剣を鞘に納めて、そして俺の方へ鋭い視線を向けてきた。


「何でじっと見てたの?少しは手伝ってください」


口を開けた彼女からの最初の言葉は、非難する内容だった。


「いや、あの程度、君なら余裕だと思ったから」

「関係ないわ。仲間だったら手伝うべきよ」

「はいはい。今度気を付けるよ」

「…それに、私だってあなたの戦う姿見たいし…」

モルカリアは続いて何かを言った様子だが、風に搔き消されて聞こえなかった。

「え?何だって?」

「何、何でもない!」


彼女は慌てて否定した。反応が一々面白いけど、それより今は…


「この魔物の群れは何だ?」

「分からないわ。朝、いつもみたいにユーグの周りをパトロールしたら、ここに魔物数匹がいて、それらを殺した後、すぐに森の中からまだ別の集団現れたの」

「それでこの状況か」

「そうよ。戦う音に惹かれて来たと思ったけど、そもそもこの辺は…」

「そうだ。邪神との戦闘を邪魔されないように、魔物を予め一掃したはずだ」

「…魔物がまた集まったってこと?」

「分からん。しかし今朝、隣国も邪神顕現の兆しが現れた。その影響もあるかもしれない」

「…ラグド種ですか」

モルカリアは眉間に皺を寄せた。


邪神が最初に出現したあの日、大量の手下ーー今は「邪神(ラグド)種」と呼ばれる謎の生き物を連れていた。ラグド種は人類だけではなく、魔物も敵を見なし、殺戮の限りを尽くした。世界中の生態もその日ガラッと変わった。

アイツらは一定の外見と行動習慣はなく、その上に通常の魔物より力が強い。だから対応が難しく、剣聖程じゃなくても、戦闘に慣れた上級者が3人ぐらいでやっと倒せるかどうか。

ラグド種のただ一つの特徴として、両目の色が違うということ。右目は金色、左目は赤色。それは邪神達と同じ特徴だ。だから敵が魔物ではなくラグド種と判明した場合、救援を要求するよう世界中に警告を出した。


そして、目の前にいる剣聖、彼女も同じ色の目を持ってる。その関係で邪神が現れた後一時期、モルカリアは「人類の裏切り者」と叩かれた。それでも彼女は人々を守ることを決意し、今日まで戦ってきた。16歳の少女に思えない行動だ。


「…何?私の顔をじっと見て。何か付いてるの?」

頬を少し赤らめながら俺に尋ねる。しかしその顔まんざらでもない。言わないでおこう。

「いや、凄いなと思って」

「褒めても何も出ないわよ」

「別にいいよ。何か欲しくて褒めた訳じゃないから」

「…その言い方、ずるいよぉ…」

また小声で何かぶつぶつ言ってた。からかい過ぎたか?

そうやって他愛のない話をしてる時に、()()が来た。


「「…!」」


モルカリアは俺と同時にユーグの上空を見上げる。

ユーグの市中心向けて、真紅の炎に包まれてる隕石が落ちてくる!


「来たか…!迎撃準備!」

「はい!」


俺たちは飛ぶような勢いでユーグへ戻った。

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