表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

EP.2 女神

【どうしたの?ぼっとして】

横から聞こえる大人の女性の声に意識を向ける。

「来たか、セラトリス」

【それは当然。毎回確認するのは義務だから】

「ふう…」

俺は空を見るのをやめ、道のガードレールに腰を掛けた。

【で、今回は続くの?やめるの?】

白と黒の色が混ざった装いを纏い、全身キラキラと金色の光を放つ女性は、意地悪な笑顔で質問を投げてくる。

セラトリス…彼女こそ俺が時間を逆行できるようにした張本人。あの日、死に際の俺の前に突然現れた彼女は、自称「女神」だけど、聖なる力か魔なる力、どっちの立場なのか判断できないオーラを持っていて、本当に俺の味方なのかを疑う。しかし、過去に戻ってみんなを救える…それができるだけで彼女の存在はありがたい。


「…今さらやめられるわけがないだろう。今やめたら、997回も死んだこと全部無駄になる」

【そうだね。ごめんなさい。意地悪なこと聞いちゃった】

「その割に楽しそうにしてるのは気のせいか?」

【気のせいよ。うふふ】

「…はぁ、まあいい。それで今回はなんか手掛かりあったか?」

【私からは何も。あなたは?】


彼女の言葉で前回…997回のことを思い返す。



  ●



「そ…んな…この(わたくし)が…」

俺は片手で邪神・ラグドシフェアの胸を貫き、彼女を空へ投げ出す。

そして右手に聖力と魔力を集め、内なる能力を組み合わせ、昇華させる。


終焉神技ーーケイオス・シュヴェーアト!


ラグドシフェアの背後に術陣が出現し、そこに鎖が光る空間から伸ばし、彼女を束縛した。


「く…許さない…絶対に許しませんわ!」

「邪神の許しなどいらん。冥府に落ちろ」


彼女の周りに百を超える黒と白二色混同の剣が囲み、そして、俺の意思で一斉に彼女へと飛んでいく!


ぐさ。ぐさ。ぐさ。ぐさ。ぐさ。ぐさ。ぐさ。ぐさ。ぐさ。ぐさ。ぐさ。


邪神は全身に剣を受け、「核」も壊され、塵となって崩壊した。


「すごい…邪神をただ一人で…」


モルカリアは空に浮かぶレガスを尊敬の眼差しで見つめる。

「何~?天下の剣聖様、まさか大予言者様に惚れた?」

彼女の隣に同い年の碧髪の少女がからかうように話しかける。


フェーナ・アタント。他国所属の世界一の弓使い。「天弓」の二つ名を持つ彼女は、100キロ以外の敵も完璧に撃ち落とすという狙撃能力から、広範囲に敵を殲滅する技持ってることで、魔物と大規模戦争あった時に、よく手を組んで戦った数少ない私の友人。今回邪神の襲来に備えて、星願都市「ユーグ」に派遣する形で来た。


「な…違う!ただあの人の凄さに改めて感心したていうか…」

「はいはい…まあ、でも、分かるよ。あたしも彼に救われたもん。そして同時に何で彼はあそこまで強いのが気になった」

「フェーナ…」


モルカリアが見たフェーナの顔は、憧れに満ちてる。

(私…もしかしてそんな顔してる?)


自分の今の表情を気にしてる時に、上空からレガスの叫び声が響き渡った。


「気を付けろ!最後のが来るぞ!」

「…!」


最後。その言葉にこの場にいる全員が気を引き締めた。

やっと最後…と思って、気を緩める人、この場にいない。いちゃいけない。

その一瞬の気の緩みで命が失うだから。


ギリ…ギリギリ…


空間が割れる音が聞こえる。レガスがいる場所のさらに上、黒い空間が広がる。ただの空間ではなく、その中から漂う気配が、人を死へと誘うような感覚さえ覚える。

全員構えてる中、空間の中から「何か」が飛び出した。


「…避けろ!」


レガスの指示で、全員回避する行動を取った。

同時に「何か」が目で追いつけない速さでユーグを破壊していく。

100階ある高層ビルが簡単に両断し、広大な公園を一掃する。「何か」が通った場所は、残骸しか残らなかった。

モルカリアとフェーナは全力でやっと「何か」の攻撃を避けた。しかし体勢を立て直した彼女たちの目は、信じ難い光景が広がる。


「そんな…」

「ひどい…」


先まで綺麗で見慣れた景色は、ただの数秒で無残な姿に変わった。

何より、攻撃を避けることをできなかった仲間の死体…と呼べない程の肉片が、目に映る所に散らばってる。


仲間の死は何回もこの目で見てきたが、ここまで尊厳のない死を迎えたのを初めに目にする。


モルカリアは見上げる。この光景を作った元凶は、その空間の向こうにいる…!


「あらあら、触手相手でもただの数秒も持ったないの?ガッカリだわ」


空間の中から悠然とした声が響く。


「やっとのお出ましか…」


レガスは険しい顔で声の主を見つめる。

彼女はそれを気にせず、ゆっくりと歩き、レガスと対峙する。


「こんにちは、人間。そしてさようなら」


最後の邪神…今度こそ決着を付ける…!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ