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まほろく短編集  作者:
14/23

書いてみた12 (サブキャラたちのあれこれ③)

多数(平凡)女子の場合



▼イエーラ…3年。静かな水属性。なに考えてるかわからない点ではキサラと似たり寄ったりだけど、ちょっと大人。されど水だけど水。ちょっとしたとこで、変。

▼マツリカ…3年。ツンデレの地属性。ツンデレのはず。おしゃべり大好き。一番喋ってる。かっこいい男が好き。もっと言うならラディオが好み。今のところは。たまに変わってたりする。実は幼馴染みがいて、言い合いばっかしてるけど………。

▼ミィラ…3年。巨乳の炎属性。ふんわりやんわりが基本だけど、ひとたび戦闘になるとバーサーカー化したりしなかったり。

▼ミト…3年。貧乳に悩む風属性の常識人。苦労してると思う。だけど巨乳のことになると我を忘れる。滅びればいいって思ってる。風の力で切り裂いてやろうかって思ってる。ミィラはまだ巨乳であるけど友達だからおっけー。まだ。もっといけないのは同学年のぶりっ子。その彼女の名前はまだない。

▼…

▼ティトス…わんこ属性の地属性。キサラが綺麗だし強いから尊敬してる大好き。

▼ラベル…ミィラとミトがいちゃいちゃしてるのが好きな変態の砂属性。ただの変態。イケメンなのに変態。残念。



 どれだけ国や文化に違いがあったとしても、変わらないのはきっと女の子たちのかしましいおしゃべりだと思う。女の子と言う生き物は、集まれば何かしらネタを見つけ、それを広げ延々と話続けることに非常に特化した生き物だ。今、学園内の中庭の日当たりのいい芝生の上に腰を下ろし年相応の笑顔できゃきゃ声高く会話をする女の子たちだって例外じゃない。例外なのもまぁいるけど、彼女たちは世の中の女の子の定義にしっかりとはまっていた。

「もう、本当にかっこいいわ………」

「マツリカったら、また彼のこと?」

「なになに、誰のこと?教えてよ!」

「聞いてよ、最近マツリカったらねぇ……」

「あぁ、ひどい!」

 マツリカと呼ばれた少女は、頬を膨らませた。

「どうせ、ラディオ先輩のことでしょ」

「だってだって、すっごくステキじゃない?氷の王子さま。あの冷たい眼差しがたまらないわ」

「目元涼しい系なら3年にもいるじゃん、ほら、ティトスとかラベルとか」

ミィラは指折り自分の学年のイケメンをあげていく。

「だって、二人ともB級でしょ?イケメンだけならこの学園たくさんいるもん。」

「厳しいな」

 イエーラはもの静かな少女なのだが、思わず口を開いていた。

「イエーラは学年で一番強い女の子じゃない?なら分かるでしょ、自分より弱い人は嫌」

「まぁ、分からないでもないけどな、あの二人に関して言えば体術はそれなりのもんだぞ。ジャスラ先輩とクロード先輩とやりあってかなりいいとこまでいったって」

「ジャスラ先輩とクロード先輩?それはすごいね」

 感心したようにミィラが両手をぱちぱちさせる。この時、手を前に持っていったから自然と胸が真ん中により、ふくよかな体に似合った大きな胸の真ん中に谷間ができた。それをミトが悔しそうに見つめている。 魔法を発動させないだけましだ。

「へぇ、マツリカちゃんはラディオくんが好きなんだね!」

「そんなはっきり言わないでよ。照れちゃうじゃない」

「4年の先輩ってなんだか美形が多い気がしない?」

 ふとそんなことをもらすミトに、マツリカが激しく同意した。

「へぇ!たとえばだれ?」

「もう!何言ってるのよ!そんなの決まってるじゃない4年だけじゃないんだけど、他学年に比べてイケメンがたくさんいるのよね!それこそラディオ先輩でしょ、ジャスラ先輩レオ先輩!そんで、クロード先輩、ケイン先輩だって捨てがたいわ、あとはちょっと遊びすぎだけどイトマ先輩、ナルシだけどラムセス先輩、イザーク先輩だってミステリアスだし、ゼロス先輩だってとっても綺麗!あと、謎が多いけどT級Tのジャスラ先輩たち以外の二人!他にも何人か捨てがたそうなのがいるわよね」

 うっとりした顔で一人一人あげていく。詳しすぎるだろう。

「可愛い系でいけばアイリ先輩だよね」

「あのひとは女の子でしょ?」

「何言ってるのイエーラ!あの人は男だよ」

 いつもは冷静なその顔に驚きが宿る。

「見えないよね、でも付き合ってた子が言ってたよ」

「え、何それいいな!付き合ってた人いるの?!」

「うん。キーリがね」

「何それ何それ、ずっこーい!」

「見た目女の子なのにすっごくかっこよくてすっごく上手かったって」

 ミトが後半部分を声を潜めていった。マツリカがぼっと顔を赤くして、ミィラがきょとんと首をかしげる。イエーラは変わらない。

「上手いって、何が?」

「ちょっと、分かんないのミィラ?上手いっていったらアレのことに決まってるじゃない。」

 それでもなおきょとんと首をかしげるミィラの耳元でこそっと囁いてやる。するとぼふ!と顔を真っ赤に染め上げてあわあわと言葉にならない声をあげる。

「めちゃくちゃ優しくしてくれるらしいよぉ?ミィラもしてもらおうか?巨乳が好きみたいだよ。」

「ミトったら!」

「冗談冗談!」

「あんた、巨乳がからむと冗談に聞こえないんだわ………」

「他の男子はどうなんだろうね?ほら、ラディオ先輩とかさ!」

「ぶぶっ、やめてよ!そんな妄想させないで、あんな綺麗な人に……………ぶぶっ、ぶ!」

「マツリカ、鼻血吹きすぎだぞ」

「だめ、妄想が止まんない」

 マツリカ嬢の頭のなかではさぞかし素敵なラディオが手取り足取りイケない事を教えてくれているらしい。いっこうに止まらない鼻血がそれを物語っていた。

「ジャスラ先輩はそーゆーの初そうだよね!すぐ真っ赤になってあわあわしてそう。ってか、してるの見た。」

「ミト、あんた仮にも先輩に対してそれは酷くないか?」

「だってイエーラ!彼って男の子としか絡んでなくない?この前ね、食堂で後ろの席にジャスラ先輩とケイン先輩とクロード先輩が座ったんだけどね、ケイン先輩が急に下ネタをふり始めてね、そらがまた際どいのなんのって!そしたら先輩がね、おもむろに立ち上がって破廉恥だ、犯罪だ!なんて叫ぶのよ。もうその顔の真っ赤なことと言ったら!思わずきゅーんってしちゃったよ。ジャスラ先輩って高学年の女子からかなり支持あるけど、これは構いたおしたくなるよねーって本当に思った。」

「ジャーちゃんを愛でる会って高学年の女の子様が基本構成メンバーだもんね」

「ミィラ、詳しいね」

「おねえちゃんいるから、入ってるから」

「え?でもジャスラ先輩ってキサラ先輩と付き合ってなかったっけ?」

「そういえばラディオ先輩だってキサラ先輩とえーっと、そう!あの人ユーリ先輩とよく一緒にいるよね。」

「そうなの!やっぱりラディオ先輩どっちかと付き合ってるのかなぁ………でも、あの二人なら仕方ないよね」

「何故仕方ないの?」

「当たり前じゃない!あの二人はT級入りの有力候補なんだから!女子だと6年のトリシャ先輩とか、5年のロタ先輩とか本当に数えるほどしかいないのよ!体力や武力、魔力面においてどうしても越えられない男女の壁であるT級を越える可能性がある先輩なんだから憧れないわけはないわ。それに、ユーリ先輩は同じ属性として本当に素晴らしいなって思うの。あの金属性とのコンビネーションの『武将来』は芸術作品だよ」

 だからあの二人がくっついてくれたらすっごく幸せ。

「わたしもキサラ先輩のことは同じ属性の先輩として尊敬しているぞ。水の力を自由自在に操っているその繊細な魔法構造は本当に惚れ惚れする。威力も申し分ない。1年前の3年の昇級試験の時のDブロックの試合の時、たとえB級の相手とはいえ硬度では一位のはずの金属性の防御壁を水の刃一枚でまるでバターか何かのように切り刻んでいたな」

「金属性の防御壁を?ほぼ最強の防御属性なのに。」

「あぁ。もうあのときは、一生ついていきます、姐さんって気持ちだったな」

 イエーラがうんうん、と腕を組ながら感慨深げに言う。キサラファンはどこにでもいる。魔性の女。

「キサラ先輩と言えばさ、2年の夢見部のディーンが国立美術館展で銀賞とったじゃん?あのときの絵のモデル、キサラ先輩だったんだったね。水の女神様!」

「応接間の風の塔に飾られてるやつだよね」

「ほんっっとに美しいよね………」

「こう、凛とした女っていうのかな?」

「あーゆー女って憧れるんだよなぁ」

「しかも、この前ね美女で有名なルシアン先輩ににちょっかい出してる男がいたんだけど、キサラ先輩ったら有無を言わさず、首筋に水の刃を突き付けてたんだよ。『遊ぶなら、私と遊ばない?』ってあの澄んだ清流のような声で言われたら、まるで冷水かぶせられたみたいに真っ青になって相手の男、尻尾巻いて逃げてったんだよ」

 ミトとマツリカ、そしてイエーラまでもがうっとりとする。

「ユーリさんはどんな噂があるのかな?」

「ユーリ先輩はけっこうストイックなイメージあるんだけど」

「ちょっとあのぶっきらぼうな男口調がいいんだよねー。しかもね、この前碧の塔で先輩にぶつかっちゃったんだよね、こう、曲がり角で。そしたら先輩さぁナチュラル王子様座りしてね、助け起こしてくれたんだよ。『大丈夫か?あたしが前見てなかったんだ………けが、はないか………?』って言って、そのあとふっと笑って、『髪が乱れたな………本当にすまねぇな』って、前髪をさらっと直していってくれたんだよ!」

 マツリカがうっとりと両手を胸で組んだ。記憶は美化されるものだ。

「何それ、すてき………」

 そういった少女漫画的展開に胸を高鳴らせるのはミィラだ。口元を手で抑えて声をこらえている。

「胸が、胸がうずくぅ………」

「そうか、なら、揉みしだいた上で切り取ってやろうか」

「や、ちょ!ミトぉ!やぁぁん」

 ミトがミィラに襲いかかってその豊満な両乳を揉んでいる。ミトの手の形に揉みしだかれて、ミィラは見悶える。誰かさんが喜びそうな構図だ。

「やだ、もう、またおっきくなっちゃうぅ」

「おらおらおらぁ!ここか?!ここなのか?!」

「やぁぁぁあ」

「…………」

 他のメンバーからは、沈黙が流れた。

「そういえば、レオ先輩って、アイリ先輩と付き合ってるって知ってた?」

「え?!」

「あぁ、知ってるー」

 マツリカが驚いた表情で、ミトが喘ぎ叫びすぎて荒い息をしたミィラに跨がったまま、はーいと手をあげる。ミィラは潤んだ目をミトに向けて、ミトが挙げた手に手を伸ばす。

「ミト………やめないで………」

「ったく、仕方ないなー。だから巨乳はキライなんだよー。要求しすぎ。感度よすぎ。酷くしても感じるとか。」

「公衆の面前でやめなさい」

「ほら、イエーラに怒られたじゃんか。ミィラのせいだよ」

「あぅう………」

「ちょっとまって!そうなのそうなの?あの二人って付き合ってるの?!」

「知らなかったの?レオ先輩がすっごい周りに牽制かけまくってんだよ」

 ミトが、まだ荒く肩を揺らしているミィラに膝枕をしてやりながら手であおいでやる。

「え、だってアイリ先輩とレオ先輩って男だよね?」

「そうだよ」

「こいつらと一緒だよ」

イエーラが顎でミトとミィラをしめす。ミトがそれに唇を尖らせた。

「ちがうよ、あたしらは付き合ってないもん。この子があたしに苛められたがってるから、それに付き合ってやってるだけだもん」

「…………なんで、モテる同士が付き合うかなぁ!」

「今でこそ落ち着いてるけど、付き合いはじめのレオ先輩怖かったよね。至るところでアイリ先輩といちゃついてたもんね。その眼力がまたあの涼しげで優しげな風貌からは想像できないくらい鋭かったもんね。キーリなんて元カノなのにそばにさえ近づけなかったらしいもん。」

「アイリ先輩、あの容姿だからどっちからにも好かれてたしね。」

 ミィラがミトから身体を起こしていった。

「レオ先輩って執着型だったんだな。見た目があんなんだから、想像できなかったけど、ちょっと怖い」

「でも、レオ先輩と付き合ったことある人知ってるけど、そんなことなかったみたいだよ?」

「やっぱり、それはもうアイリ先輩だからか……」

「ぅぐぐぐ………」

「ミィラ、また胸がうずくの?」

 胸を抑えてうずくまるミィラに、マツリカが呆れたようにいった。隣ではミトがわきわき指をしならせている。イエーラが部屋でしろ、とミトをしかる。

「だってさ、ミィラ。あとでおもっきりなじってやるよ」

「優しくして」

「酷くしないと感じないじゃん、あんた。このドM」

「そういえば!」

 妖しい雰囲気になり始めた空気をいっそうするように、イエーラが大きな声をあげる。

「ラディオ先輩って」

「なになに?」

 マツリカがその名を聞いて、身を乗り出してくる。

「この前ね、夢見部のヒサメ先輩と二人で話してるとこ見た。校舎裏で。」

「あのヒサメ先輩………?」

「そう、あのヒサメ先輩」

「どういうひとなの?」

「しらないの?すっごい素晴らしい、想像したものを映像にするっていう力をもった稀代の大天才。」

「いやー、そんなそんな」

「何であなたが照れるの」

「話戻すけど、その時ラディオ先輩手にあの噂の瓶を持ってたんだよねー………」

「あの噂の瓶を?!」

 ミトも頬を赤らめながら、身を乗り出す。イエーラは、表情はそのままで、口元をにやりとさせながら頷いた。

「うっそ、そうなのラディオ先輩!先輩もそんなの見るの?!」

「そら男だもんね!先輩だって!見ないわけにはいかないよね!」

「やだ、もうどうしよう。それ聞いてますます好きになりそう!えろいえろいえろい!もうなにそれ!あの見た目で鬼畜攻めとか見てたらどうしよう!素敵すぎる!」

「年上ネタのもの見てたらどうする?それでもあたしはアリだけど」

「年上のおねぇさんを翻弄させるラディオ先輩………なにそれ、うわっは」

「いやいや、彼が借りたのはね、」

「俺がなんだって?」

 口を開きかけた人物の後ろから、低い声音が聞こえてきた。この艶があって、透き通りかつ聞く人の耳を魅了するこの声の持ち主なんて、一人しかいない。

「ら、ら、ら!…………はぅあ」

「ラディオ先輩?!どうしてここに」

 マツリカが呼吸困難に陥った後、ぱたんと倒れた。それを支え、言葉を引き継いだのが、ミトだった。

「名前呼ばれた気がしたけど」

 芝生の上に車座になって座っている彼女らに対し、光を背にして佇むその姿はもはや神々しく、ミトに支えられながらそれを崇めるマツリカは幸せそうにため息をついて、ふぅ、と意識を手放す。

「ま、マツリカ!」

「あたし、しあわせすぎてもうだめ。光を背負うラディオ先輩すてき、がく。」

「そそんじゃ、あたしはここで」

 ラディオが一人腰を浮かせた人物ににこりと笑みを送る。他のメンバーははぅっ眼福な、となっているなかその一人はひたり、と冷や汗を流した。

「少し、話しないか」

「ご遠慮したい」

「遠慮せずに」

「皆さん、貴重なお話ありがとうございました、ではさよなら」

 その人物がそそくさとその場を立ち去ると、ラディオはため息をついて、倒れたマツリカを介抱するイエーラたちに向かって、魔法を使う。

「日射病にしては季節が早いような気がするが………霧よ、彼女らを祝福したまえ」

 空中の水分が即席の魔法構造で一瞬で凝固し、彼女らの周りの空気が一気に温度を下げる。それが、太陽の光に反射して、一種、幻想的な雰囲気を醸し出した。少女たちはそれに感嘆の息を漏らす。

「すまなかったな、話の邪魔をした」

 くるりと向きをかえると、ラディオは足早に立ち去る。まるでなにかを追っているように、だったが、残された少女たちはラディオの背中に見惚れていて、誰もラディオの様子に気がつかない。

「…………………あたし、ラディオ先輩のファンクラブに入ろうかな」

 誰ともなく呟いた言葉に、一同は同意した。暫くして目が覚めたマツリカは、ラディオのその芸術的な魔法を見れなかったことに酷く憤慨したが、それが彼女のための行為だったと知り、少し溜飲を下げた。

 残る疑問が頭をもたげる頃には、ラディオの姿はどこにもなくて、ミトとミィラはお仕置きのために部屋に引っ込んでいて、イエーラとマツリカは食事をしていた。スープを啜りながら、

「ところで、あの人誰だったんだろうね」

「さぁ?情報部のやつじゃない?情報集め」

「そっかー」

 ず、とスープを口に運ぶ。



「逃げることないだろう」

 4年の塔の入り口の影になるところだった。かつらをとって、目立つ髪の色をさらしたところで、背後から声をかけられた。

「あ、あらァ、ラディオくんじゃない。どぉしたの?」

 長い白い髪の隙間から見え隠れする赤い瞳が、宙をさ迷う。さっと遅まきながら、かつらを背後に隠す。

「ネタ集めか?余念がないな」

「な、な、なんのことかなぁ」

「前にアイリが言ってたな、女の子の会話のなかが、一番ネタと妄想に溢れているって。」

「そ、そうねぇ」

「今の子達に混ざってたんだろう」

「いやぁ?」

「あの事パラそうとしたよな」

「してないしてない、してないよぉ」

 一歩一歩、ゆっくりと歩を詰めてくる。やがて、白い髪の人物の背後には壁しかなかった。壁に両手をつき、その人物を縫い止める。

「そうか、ならいいんだ。」

 にや、と端正な口元に笑みを浮かべると、ゆっくりと顔を近づけた。耳元で、

「あれ、楽しめた。また頼むな?」

「ふぁあい!」

 息を吹き掛けられながら、そう囁かれて、思わず身をすくめる。これが女子が憧れる壁ドンかと思ったが、いまの気持ちとしては肉食獣に捕らえられて鋭い牙をぬらっと見せつけられて、今にも食べられそうな気持ちだ。

「よろしく」

 目の前の影が消えて、圧迫感から解放されて壁に沿ってずるりと身体か崩れた。

「………………学園中のラディオファンの乙女たちよ。」

 貴方たちが崇める男は、少し危ないですよ。

 ころりとポケットからなんの主張か、作りかけていた瓶が落ちてきた。白い髪の人物、ヒサメの商売道具である。そのラベルには、

『ラディオ特注、ユーリ集』

 なんて、書かれていた。




END



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