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蒼き星の子と機械仕掛けの獅子王レグルス  作者: 常聖大
高校1年生編 1章
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高校1年生編 1章 第1話 二年後

次回は2月21日投稿予定です。

 かつてクスカが地球に襲来(しゅうらい)して、約二年の月日が経過した。

 クスカと言う宇宙人の突然の襲来、そしてその後地球が銀河連邦政府への加入すると言う前代未聞の出来事は、地球のあちこちで混乱やパニックを引き起こしたが、人と言うものは良くも悪くもなれるものだ。

 二年間の月日により地球の人々は、この状況を受け入れ始めた。

 また、まだ数は少ないが、地球人に姿を変えていた宇宙人も本来の姿に戻って地球で生活をしている者もいる。

 流石に宇宙人に対する偏見や差別はゼロでは無いわけではなく、小規模な摩擦や争い混乱、問題は起きているが、地球全体としては、それなりに平穏であった。

 少なくとも地球のほとんどの国が表面上は宇宙人を受け入れる声明をだしている。

 中には、この状況を苦々しい思いを持っている国もありそうだが、それは表には出さない。アメリカや中国の様な大国ですら、銀河連邦政府と事を構えない様にしているのだ。

 あくまで仮の話だが銀河連邦政府とアメリカや中国が戦争の様な争いになっても、あの大国ですら銀河連邦政府とは巨人とアリ以上の差があるのだ。

 そのため、銀河連邦政府や宇宙人を悪しざまに言う国は少ない。


 そんな最中でも、星辰の物語は進む。


「荷物はここで良いおばちゃん?」


 ダンボールを二、三個抱えている若者が八百屋と思わしき店の前にいる五十代前後の女性に聞いた。ちなみに店のシャッターは閉まっている。


「ああ、そこに置いといておくれ」


 中年の女性は店の前の一角を指差す。


「分かった。ここに置くね」


 若者は女性が指差した箇所に荷物を置いた。


「いつもありがとうね。星辰ちゃん」


 中年の女性は若者に礼を言う。

 すると店のシャッターが開き店の中から、やはり五十代と思われる男性が出てきた。


「また、お前荷物運んで貰ったのかい? いや、いつも悪いね。星辰ちゃん。あの紅鏡家のお坊ちゃんに運んで貰うなんて、毎回恐れ多いぜ」


 店から出てきた男性も星辰を見るなり礼を言う。女性の夫の様である。


「好きでやっている事だから。気にしないで」


「そうかい? でも、本当にありがとよ。あ、でも、学校に遅れちまうじゃないかい?」


 男性が少し心配そうに店の中の時計を見る。


「本当だ。もう、こんな時間か。じゃあ僕はこれで」


 星辰はそう言うと走り出した。


「いってらっしゃい!」


 男性が大きな声で星辰を送り出す。


「あら〜、もうあんなに小さくなった……」


 女性が驚きの声をあげる。

 星辰の走るスピードは鍛えられた陸上部並みかそれ以上だ。


「あんな小さかった星辰ちゃんが、あんなデカくなるとはね〜。成長期ってやつかね、あんた」


 女性が男性を見ながら言った。


「全くだ。二年前までは、あんなに小さかったのにな〜。それに金持ちのお坊ちゃんとは思えないくらい気さくで親切だし。紅鏡家のお坊ちゃんじゃあなければ、うちの婿養子になって欲しいくらいだ」


「そりゃあ無理だろうねぇ」


 夫の言葉に妻が半ば諦めた様にため息をついた。


「分かってるての。さあ仕事だ、仕事」


 男性はそう言うと店の中に入っていく。女性も後に続く様に店に入った。

 

 星辰は全速力で走り高校の校門前に着いた。息は切れていない。

 私立聖光(せいこう)高校。星辰は現在、この市内にある高校に通っていた。


(なんとか間に合った。と言うより、思ったより早く着いたかな?)


 そんな事を考えながら星辰は校門をくぐった。

 登校中の生徒が彼を見る。


「誰、あの人、カッコよくない?」


「あんた、知らないの? 一年A組の紅鏡星辰君よ」


 聖光高校は紅鏡グループの傘下にあり紅鏡家の者である星辰は高校ではちょっとした有名人ではあった。


「え? 紅鏡家の?」


 もちろん知らない者もいるが、注目度は高い。特に女子生徒には。


「あ、星辰君だ。相変わらずカッコイイ」


「本当、背高い。何センチあるのかな?」


(入学式から女の子に見られてばっかりで、なんだか登校しにくいな……)


 女の子に注目され星辰は戸惑っていた。

 遺伝子レベルで人に恋愛感情を抱けない彼には女の子からの熱視線は嬉しいと言うより困惑の感情が先立ってします。

 ただ嫌と言う訳ではない。どうすれば良いか分からないのだ。


「おい」


 そんな少しだけ困惑しながら校舎へと歩いていると、後ろから不意に声をかけられた。

 振り返ると赤い髪の少年が立っていた。

 ルベルである。


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