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6章 第38話 首脳会議への乱入

 突如、襲来(しゅうらい)し地球をパニックに(おとし)いれた、クスカが死に彼が引き起こした騒動はひとまずは落着した。

 しかし、当然ながら世界中で混乱はしばらくはおさまらなかった。

 クスカの襲来と、この男がもたらした混乱それ以上に地球の人々を困惑させたのは銀河連邦政府と警察の存在だった。

 月影が呼んだ銀河連邦警察の援軍はクスカの死亡直後に到着し、クスカの放ったインセクトヒューマンを鎮圧。その後は地球各地で起きていた暴動の鎮圧に手助けしてくれた。

 そこまでは良かった。

 だが、その後すぐに行われた各国首脳を集めた会議では、混乱の様相を呈した。

 最も重要な議題は銀河連邦政府に対して、どの様な態度を取るのか? である。ある国はこの際、銀河連邦政府の傘下に入るべき言い、ある国は征服も同じだから反対の意を表明し、ある国は態度を保留し様子を見るべきと言い、結論がまとまらなかった。

 だが、その話し合いが突然まとまった。銀河連邦警察の高官が首脳会議に参加したのだ。


「地球の皆様方、突然失礼いたします。私は銀河連邦警察、一等警視監のコルウスと申すものです」


 会議のモニターに突如映し出された男性は、見かけは地球の日本か中国人の30代前後の青年に見えた。

 物腰柔らかく雰囲気(ふんいき)(かも)しだし、美青年と言って良い風貌(ふうぼう)である。声も人を安心させる様な響きがある。


「単刀直入に言って私達はあなた方、地球を支配しようとはしない。あくまで対等な立場でオリハルコニウムとアダマンニウムの取り引きをしたいと願っております」


 地球に銀河でも貴重なオリハルコニウムとアダマンニウムが産出されることは、各国の首脳陣にも周知の事実である。この鉱石を銀河連邦政府との取り引きに使おうと考える首脳もいる。


「そのためには是非とも地球が銀河連邦政府に加盟して欲しいのです。さもないと銀河の犯罪組織が、また地球を攻め地球を支配してしまうかも知れない。そうなる前に地球の首脳陣の方々には一刻も早い決断をお願いしたい」


 コルウスがここまで言うと会議の場は少しざわついた。銀河連邦政府に加盟しなければ、もう地球は守らないとも受け止められる。


「銀河連邦政府や警察の人間の中には地球が連邦政府に加盟しないのならば、非加盟の星として地球を支配してしまえば良いとの主張をする者がいます」


 彼がそう言うと会議の場はさらにざわついた。


「ただ、それは一部の者だけで私を含めた銀河連邦政府の大半は、先程申し上げました様にあなた方と対等に付き合いたいと願っております。ですが、過激な事を言っている者が暴走するとも限らない。何卒、善処していただく様に、切に願っております。いや、長々と申し訳ありませんでした。では、失礼いたします」


 コルウスがそう言うとモニターは切れた。会議の場は今度はシーンと静かになった。

 要するに銀河連邦政府に加盟しなければ、支配するぞとの脅しである。

 その後、多数決を行い八割以上の賛成で地球は銀河連邦政府に加盟することが決まったのである。

次回は1月31日投稿予定です。

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