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6章 第34話 死神道化

次回投稿は正月三ヶ日を避けて1月4日投稿予定です。

「死神道化だと!」

 クスカが呼んだその二つ名にウルラは驚きの声をあげた。


「死神道化?」

 星辰が少し怪訝(けげん)な顔をした。突然現れた男に多少だが困惑を隠せない。


「死神道化。聞いたことがあるわ。確かアルゴルの総帥直属の暗殺者」


「銀河連邦警察のデータベースか何かでも情報を見た事がある……。確かA級指名手配の犯罪者だ。しかし、なんで地球に?」

 ニーナもルベルも仮面の男を見て少し震えていた。この男にはなんとも言えない威圧感がある。殺気と言いかえても良い。


「僕を知っているとは、光栄だね。だが紅鏡星辰君は僕をよく知らない様だから、少し自己紹介しておこうか。名前はハロス。この国の文化的に苗字はパリツォスと言う。以後お見知りおきを戦士殿」

 ハロスと名乗った仮面の男は、本物ピエロが観客に挨拶する様にうやうやしく頭を星辰に下げた。


「な、なぜ貴様がここにいる!」

 クスカが叫ぶ様に聞いた。


「僕がいる理由なんて一つだろう?」


「ま、まさか総帥が? な、なぜ?」

 ハロスの答えにクスカは明らかに狼狽(ろうばい)している。


「なぜって? テーゲ星を奪われた上に地球の支配に失敗したからさ」


「地球の侵略に失敗? ま、まだ終わっていない」


「いや、失敗だよ。今、銀河連邦警察の部隊が地球に向かっている。まあまあの大軍だ」


「な、なんだと? こんなに早く。嘘だ」


「僕が嘘ついてどうする? あのエバンが手を打っていたんだよ。なかなかのやり手だねぇ。油断ならない。地球がオリハルコニウムとアダマンニウムが採掘される星であることを銀河連邦警察に話たんじゃ無いかな? 銀河連邦政府は犯罪組織に奪われるくらいならと援軍をだしたのさ。多分ね」


「バカな……」


(エバンさんが銀河連邦警察に? そうか……。地球がアルゴルの様な犯罪組織に支配されるよりは銀河連邦政府の傘下に入れた方がましと判断したんだわ)

 ニーナが月影の考えていることを推測する。


「思っていたより早かったかい? まあ、お前の実力なら速攻で地球を支配できたはず。それを悪いくせで遊んでしまった。まあ、気持ちは分からんでも無いがね。ただ、そのおかげで星辰君は能力を解放させてボコられるし、アルブスA Iのファミリアは入手できない。さらに地球も支配できない。これは失態だね」


「あ、ああ……」

 クスカは放心した様に(うめ)いた。


「総帥は地球を支配して星辰君とそこのレグルスを手に入れられたら援軍を出して銀河連邦警察とことを構えても良いとも言っていたよ。だが、結果はほぼ逆。もう、アルゴルからは援軍は無いよ。能力がないものは切り捨てられる」


「そ、そんな……」

 ハロスの言葉にクスカは愕然(がくぜん)の表情を浮かべる。


「新総帥に自分の存在をアピールして出世しようと思った様だが、うまく行かなかったね。地球はなし崩し的にそのまま銀河連邦に参入するだろう。そうなるとアルゴルは地球に手を出しにくくなる。総帥はお怒りかもね」


「新総帥だと?」

 ハロスの新総帥との言葉にルベルが反応した。


「おっと口が滑ったかな? まあ、いいか。アルゴル内部にも権力闘争があってね。最近新しい総帥になったのさ」

 ルベルの質問にハロスは意外にも答えてくれた。


「さて、喋りすぎた。僕の悪いくせだね。仕事に取り掛かろう」

 ハロスはそう言うと仮面の下でニヤッと笑った様だった。


「ま、待て、ま、待ってくれ! こ、殺さないでくれ!」

 クスカは取り乱し命乞いをした。


(このクスカの怯えよう。こいつはクスカ以上の強さだと言うのか?)

 かいている汗が冷たくなっていくのをルベルは感じた。


「それを聞く僕だと思うか? (あきら)めなよ」


「待て! そいつは逮捕するんだ。いきなり出てきて邪魔をするな!」

 その時、星辰がハロスを止めた。


「ん? そうか? なるほど」

 ハロスは星辰の方を向いて少し考えた後、合点が言った様に


「君からすれば横から出てこられて獲物を(さら)われた感じかな? これは失礼をした。だが僕も仕事でね」


「仕事って、そいつを殺すのだろう? そんなことさせるか!」


「死んだものは逮捕出来ないか……。まあ道理かな。だが、どうするのかね。流石の君もガス欠で御自慢のレグルスは動かせ無いのでは?」

 仮面の下でハロスはフッと笑った様だ。


「だったら……」

 次の瞬間、星辰がテレポーテーションを発動させる。


「これだ!」


「!」

 ハロスの目の前に瞬間移動した星辰はおもいきりハロスを殴りつけた。ハロスが吹き飛ぶ。近くにある建物の壁に叩きつけられた。


「こ、これは?」

 殴った星辰が困惑している。手応えが無かった。


「ふふ」

 建物の壁からハロスが出てきた。だが、ハロスを見ると首が180度曲がって背中が前、正面が後ろの様になっていた。いや、首は何回もぐるぐるとねじれていた。


「な」

 その様子に星辰は驚いた。


「僕のファミリアの力さ。ある程度慣れるとファミリアを呼び出さなくても少しだけならそのファミリアの能力が使えるのさ。ちなみに僕のファミリアの能力は柔らかくなるだけ。ただ、殴るとか打撃は効かないよ」

 ハロスは首を戻しながら説明した。目が回る様なスピードで頭が回っている。


「なかなか面白かったよ。さて、次は僕の番だ」

 ハロスは首をコキコキ鳴らしながらそう言った。


「くっ……」

 星辰はハロスからの殺気を感じて身構える。


「ふっ」

 ハロスはあっという間に星辰までの距離を詰め星辰の顔を殴りつけた。やはり常人には見えないスピードだ。


「ぐうう!」

 今度は殴られた星辰は吹き飛び、近くの木に激突した。星辰が激突した木は折れ星辰はその後ろにあった二本目の木に叩きつけられた。


「あ、ぐ……」

 木に叩きつけられた星辰はそのまま気を失った。


「な、そんな今の星辰君が……」


(クスカとの戦いで消耗してるとは言え、今の紅鏡星辰をこんな簡単に……。噂以上の化け物だ……)

 その様子を見ていたニーナとウルラは震えた。


「うーん。ガス欠状態だったとは言え、なんていうのかなぁ。そうだな〜。一言で言うと……。そう……弱い」

 そう言ってハロスは仮面の下で、また笑った様だった。


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