6章 第33話 絆
次回は12月26日に投稿予定です。
「もう、終わりだ。お前を逮捕する」
地面に伏せる様に手をつくクスカを見下げながら星辰は言った。
「ウググ……。こ、小僧めが。わ、私を見下げる様な態度をとるなど……。舐めるなぁー」
クスカが叫ぶと背中から翼を生やし空を飛んだ。普通の人間には全く見えないスピードだ。
「いったい、どこに?」
ニーナがクスカを探す様にキョロキョロする。
「お姉ちゃん。あそこに!」
コルムが空を指さす。確かにクスカの
「あの野郎。いつ間にあんなところに……」
「グハァ。も、もはや、遊びはこれまでだ。はあ、はあ……。手始めにここいら一帯を火の海にしてくれる……」
空中まで飛んだクスカが口を大きく開く。
「ちいっ。半分ヤケになってやがる! あの光線を放たれたら被害がどれほどかわからんぞ!」
地上からクスカの様子を見たルベルが叫ぶ。
「レグルス!」
星辰はレグルスを呼び寄せると素早い動きでレグルスに乗った。
「レグルス! あいつを止めるぞ!」
星辰を乗せたレグルスは恐るべきスピードで飛んでいき、そしてそのままクスカの顎をアッパーカットの様に殴りつけた。
「うぐ。グアアああ!!」
殴られた衝撃と口の中で光線が爆発しクスカは大きなダメージを負った。
「僕がいる限り、お前の好きにさせると思うか?」
「ぐうぅう。ガキめがあ!」
クスカが星辰を睨みつける。
「もう終わりにする。レグルスモードチェンジ!」
レグルスの胸が光り文字が浮かんだ。
最初に『仲間』、次にプラス、その次に『信頼』の文字、次にイコールと文字が浮かんでは消えた。
「レグルス! 絆モード」
イコールが消え最後に浮かんだ文字は絆の文字である。
「絆だと?」
「仲間と信頼が僕とレグルスに与えてくれた力だ」
「くだらない」
クスカは吐き捨てる様に言った。
「そのくだらないと言った力がお前を撃つんだ!」
レグルスの両太ももから武器の柄が突き出てレグルスは両手で、それを引き抜いた。短剣だ。
「ほざけ! 小僧! 翼を生やした私はスピードも違うのだ……。なんだ? 消えた」
この瞬間、クスカの前から星辰とレグルスは消えた。
「おのれ、どこに……。グハアアア!」
突然、クスカは衝撃でダメージを受けた。
「なんだ? 何が起きた? アグああああ!」
またダメージを受けた。本人は何が起きたか分からない。
「はあ、はあ、まさか? これは」
「そうだ。レグルスがつけた傷だ」
クスカの前に星辰とレグルスが現れる。
「レグルスの超スピードで攻撃してるんだわ」
空を見上げながらニーナは呟いた。
「そんな。バカな…」
「アクイラたち、地球の人たち、テーゲ星の人たちを苦しめた報いを受けてもらう」
星辰がそう言うと星辰とレグルスは消えた。
「ああ、うわ、あああー!」
クスカは狼狽し逃走しようとしたが間髪入れずに超スピードのレグルスに斬られた。
「う、うわあああ!」
叫ぶクスカ。
「ウグあ! グアア! ヒイい! アギい!」
逃走する暇もなくクスカはレグルスの短剣に刻まれ続けた。
「ああ、ぐわああああ!!」
そして、耐えきれず力尽き地面へと落下し叩きつけられた。叩きつけられた瞬間、衝撃音が響き渡る。
「ぐ、グア、ぐうぅ……」
地面に叩きつけられたクスカは…痙攣を起こした様にピクピクと動いている。立ち上がろうとしているがダメージは深い。
「今度こそ終わりだ」
空からレグルスと共に地面降り立った星辰は、レグルスから降りてクスカへと近づいた。
「そうだね。君の勝ちだ。勝負ありだね。大したものだよ」
その時、不意に声がした。驚いた一同が声がした方を一斉に見る。
そこには、細身だが身長2メール近い仮面をつけた男がいた。
「き、貴様、し、死神道化! なぜ地球にいる!?」
その仮面の男を見たクスカは驚き狼狽した。




