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6章 第26話 巨大なもの

次回は11月7日前後に投稿予定です。

「ふん」

 アクイラは少し鼻をならすとクスカを(にら)んだ。姿は人間の少女の姿だ。


「ちっ」

 クスカもまた彼女を(にら)み返す。


「アルタイルの炎。流石の威力だね」

 クスカのファミリア、マニュピレイトはアルタイルの炎により完全に破壊された。


(そうか。星辰君がクスカの話を聞いたのは、アクイラがここに来る時間を稼ぐため)

 ニーナは、そこで星辰が何を狙っていたかを理解した。


「ふん。お前がアクイラを待つと言った時は何を考えていると思ったが……」

 ルベルが少し呆れた様な感心した様な複雑な表情で星辰に声をかけた。


「へへ。言った通りになったでしょ」


「ふん。調子に乗るな」

 ドヤ顔で返事をした星辰の額をルベルは軽くこづいた。

 そこにアクイラ空から降りてくる。


「アクイラ。ありがとう」

 地に足をつけたアクイラに星辰は礼を言う。


「べ、別に礼を言われる事じゃあねえよ。あの野郎に一泡吹かせてやりたかっただけだ」

 少し顔を赤らめながら、アクイラは強がる様に言った。


「……また、少し良いかな?」

 2人の会話を(さえぎ)る様にクスカが話かけてきた。


「なんだ?」

 アクイラが、汚いものを見る様にクスカ見つめながら、そちらの方に振り向いた。他のメンツもクスカを見つめる。


「いや、何、あくまで個人的な興味なのだが……。星辰君はアクイラ嬢がラートルを倒して、私のマニュピレイトを破壊する様に動いてくれると分かっていた様だが、テレパシーか何かで打ち合わせでもしていたのかね? それとも予知?」


「どっちても無い。アクイラはラートルを倒して、お前のファミリアも必ず破壊してくれると思っていた。僕はただ、アクイラが来るまで時間を稼いだだけ」

 クスカの質問に星辰が答える。


「星辰……」

 アクイラは自分の後ろにいた星辰の方へ顔だけむけた。星辰を見つめる。


(こいつ、私よりも姉様との付き合いが短いくせに、姉様がどう動くのが分かってたって言うのか……)

 ウルラもまた驚きと共に星辰を見つめた。


(紅鏡星辰。銀河連邦警察の実験体であんな性格にされてるらしいけど……。そうだとしても、この前まで敵対していた姉様をそこまで信頼できるの? やっぱり、おかしな奴だよ)

 ウルラは星辰のアクイラに対する信頼を感じていた。


「アクイラ嬢に対する信頼かね。いや、絆と言うべきかな。どちらにしても、私はその様な陳腐なものはくだらないと思っていたが、この結果には(いささ)か驚いたよ」

 クスカは本当に感心しているかの様に話をした。ただ、本心は分からない。


「ふん。ご自慢のファミリアはぶっ壊した。後はお前をぶちのめして終わりだな」

 アクイラはクスカの方に顔を向けた。


「ふっ。フフフ。クックックッ」

 アクイラの言葉を聞いたクスカが急に笑い出した。


「てめえ、何が可笑しい。ファミリアを壊されてイカれたか?」


「いや、何、ファミリアを破壊した程度で得意げになっているお前たち何可笑しくてね。ファミリアなぞ私にとってただの機械。おもちゃに過ぎない。犯罪者を操り地球をパニックにしたのも遊びだよ」

 そう言うとクスカはニヤッと笑った。


「遊びだと?」

 ルベルがクスカを(にら)みつける。


「この星には、猿に芸を教え見せ物にする猿回しとやらがあるらしいじゃないか。そ地球人が右往左往する姿を見るのは、それと同じだよ」

 相変わらずうすら笑いをクスカは浮かべている。


「やっぱりお前にとって、この状況は遊びだったのか?」

 怒気を含んだ目でクスカを見る星辰。


「そうだよ」

 星辰の問いにクスカは拍子抜けするほどあっさりと肯定(こうてい)した。


「だがファミリアが破壊された今、もう遊びも終わりだ。私に恥をかかせたお前らをひねり(つぶ)して、さっさと地球を支配してしまおうか……。こんな星など私一人いれば簡単に陥落できる」


「舐めるな。そんな簡単に出来るか!」

 ルベルが右手に持っている短槍の刃を指さす様にクスカに向ける。


「それが出来るんだよ。私なら……」


「なんだ? こいつ体が……」


「大きくなっている?」

 クスカの様子にアクイラと、そしてニーナが驚きの声をあげた。そう、クスカの体が巨大化していく。


「変身能力。だが、これは……」

 その様子にルベルも驚愕(きょうがく)する。あっという間にクスカは巨大な生物へと変身した。


「これは……。恐竜? いや竜と言うべき」

 巨大化したクスカを見上げながら星辰も声をあげた。


「こうなったら、もう今まで様に優しくはないぞ」

 先程まで人間の形をしていたものが、すでに勝ち誇ったかの様に星辰達に話かけてくる。その巨躯(きょく)は、まさに怪物であった。



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