表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/139

6章 第18話 喧嘩するほど仲が良い?

次回は9月12日に投稿予定です。

 アクイラと別れた星辰達はラートルが放ったインセクヒューマンを追っていた。


「きゃあああ!」

 インセクトヒューマンに襲われていた中学生くらい一人の少女が叫び声をあげる。だが、その瞬間、インセクトヒューマンを首が飛び、その場で倒れた。


「君、大丈夫かい?」

 ルベルが襲われ地面に座り込んでいた少女に手を差し出した。


「は、はい」

 少女はその手を取り、ゆっくりと立ち上がった。ルベルの顔を見て顔を赤らめている。


「怪我はしていない様だね。あちらに逃げて。あっちはまだ安全だ」

 ルベルは優しく微笑むと、比較的安全な方へ少女を促した。


「わ、分かりました。ありがとうございます」

 中学生の少女はルベルに頭を下げると、ルベルが安全と言った方向へと走っていった。


「ルベル君!」

 突然、ルベルの後ろからニーナの声が聞こえた。一匹の首のないインセクトヒューマンが死角からルベルに襲い掛かった。先ほどルベルが首を飛ばしたインセクトヒューマンだ。


「分かっている!」

 ルベルは振り返ると、インセクトヒューマンを短槍で細切れにした。


「こいつ、いつもこんな感じなの?」

 ウルラが呆れた様にルベルに近づくように歩いてきた。


「ええ、まあ……」

 ウルラの横にはニーナの姿がった。二人一緒に歩いてくる。


「!」

 歩いていると周りの様子がおかしい事に三人は気づいた。すでに周りを多くの人影に囲まれていた。まるで光に集まる虫の様に集まった怪物たちだ。


「ち、こいつら……。数だけは多いな……」

 多数のインセクトヒューマンに囲まれたルベルは舌打ちをした。

 各々自分の武器を構える。

 しかし、次の瞬間多数のインセクトヒューマン達は真っ二つとなった。あっという間の出来事だった。


「星辰!」

 ルベルが、その小柄な少年を見て名を呼んだ。


「三人とも大丈夫?」

 星辰もまたルベルとニーナのもとへと駆け寄る。


「あの程度の虫ども、俺達だけで問題なかった。余計なことするな」

 ルベルが星辰をとがめる様に言う。


「ええ……」


「もう、素直じゃないんだから……」

 ニーナが呆れた様にルベルを見てクスっと笑う。


(紅鏡星辰。こうやって戦っているところを見るとアクイラ姉さまの言う通りかもしれない。確かに、こいつを捕まえるのはもう難しそうだ……)

 ウルラは星辰を見て感心した様な、諦めた様な複雑な感情を感じていた。


「……」

 その様子をニーナは黙って見ていた。


「なんだよ?」

 視線に気づいたウルラがニーナに聞いた。


「星辰君をまだ攫うつもりなのかなっと思って」


「安心して、もう諦めたよ。姉さまの言う通りおまえらと組んでコルムを助けた方が確率が高そうだ」


「それは良かった」

 コルムの答えを聞いて、ニーナは屈託なく笑った。


「でも、ルベルの言う通り、ラートルが放ったインセクトヒューマンの数が多い。ここでみんな別れよう」

 ルベルとニーナとウルラの三人を見ながら星辰が提案する。ルベルとコルムは表情を変えないが、ニーナはその言葉に不安そうに星辰を見た。


「でも、それだと星辰君一人に……」


「いや、やはりこいつをおとりにして、クスカを本人を引きずり出すのが手っ取り早い。星辰が単独で動けば、のこのこ出てくる可能性があると思うがな」

 ルベルはニーナの言葉を遮って、星辰をおとりにする策を提案する。


「私も、それに賛成だね。この騒動を治めるとしたら、あのクズを引っ張り出して叩くのが一番だ。空に浮いている宇宙船まで行くのは骨だよ」

 ウルラはルベルの策に賛成した。


「なんだか、扱いがぞんざいな様な……」

 星辰がその扱いに少し意見抗議の声を上げる。


「なんだ。おとりが嫌なのか?」

 ルベルが星辰を見る。


「ううん、先生も言っていた様に、クスカは僕を狙ってくると思う。だから、僕自身をおとりに使うべきだと思う。そのためには一人になった方が、誘いやすい」

 星辰がルベルの言葉に同意する。


「でも……」

 ニーナは少し心配そうだった。


「さっきのテレポーテーションを組み合わせた斬撃を見ただろう? もはや護衛など、こいつに必要ない。レグルスもあるしな」


「そうだね。この赤頭の言う通り、こいつよりか弱い市民を守るのが優先度が高いんじゃない」

 ルベルの言葉にウルラは再度頷いた。


「二人の言う通りだね。もう僕なら心配いらないよ」

 ニーナを安心させる様に星辰はニカっと笑った。


「ニーナ。君は違うが、俺と星辰は銀河連邦警察の警察官だ。力なき市民を守るのが使命で仕事だ」

 いつにない真面目な表情でルベルはニーナに語った。


「へえ」

 その様子を見た星辰は感心した様に、へへっと笑った。


「なんだ?」

 今度は、その星辰の様子を見たルベルが星辰を睨む。


「警察官としての自覚あったんだと思って」

 星辰は少しだけ、からかう様にルベルに対してニヤッとした。


「お前喧嘩売ってるのか?」

 ルベルは星辰を睨みつけながら、星辰へと数歩近づいた。


「ご、ごめん。でもさ、いつも女の子をナンパしてるから自覚無いと思って……」


「なんだ、銀河連邦の警察官が女の子に声をかけてはいけないと言う法律でもあるのか?」

 ルベルは鬼の形相で、さらに星辰に近づいた。


「いや、無いけど……」


「万が一お前がさらわれても助けん。そうなったら、もはやそれまでの戦士と言うと言う事だ! 大体は俺は最初からお前なんぞ守る気は無かったんだ」


「分かったよ。ごめんって」


「ふん」

 ルベルは拗ねた様に横を向いた。


「ふふ」


「ニーナ?」

 不意に笑ったニーナを星辰は不思議そうに見つめた。


「ごめんなさい。仲良いなって……」


「この二人って、いつもこんな感じ?」


「そうですね。いつもこんな感じで仲良しです」

 ニーナがウルラの質問に答える。


「そうかな? そう見えるのかな?」

 星辰はニーナの言葉に首をひねった。本当にそう見えるのか不思議な様だ。


「どこがだ! 君でも、言っていい事と悪い事がある!」

 ルベルの方は全く納得いっていない。


「ふふ。でも、承知しました。三人の言う通りに別行動しましょう。ただ、単独はさすがに危険なので、二人一組のツーマンセルを提案します」


「ツーマンセルか……。分かった。でも、組み合わせはどうしよう?」


「では、私とウルラちゃん、星辰君とルベル君と言うのはどうでしょう?」


「いや、ニーナと俺で行くべきだ」


「決まりましたね。じゃあ、いきましょう」


(え、ルベルの意見は無視なんだ……)

 さすがの星辰もそれには驚いた。


「さ、ウルラちゃんいきましょう」

 ルベルの言葉を無視した、ニーナはウルラの手を引いた。


「い、良いのかい? 喧嘩してるみたいだけど……」


「大丈夫、大丈夫、あの二人、本当に息ぴったりなんですよ」

 そう言うと、ニーナはウルラの手を取って空を飛んだ。


「お、おい、待て。ニーナ!」

 ルベルが空を飛ぶニーナに向かって叫んだ。

 そして、その場に崩れ落ちた。


(そんな、崩れ落ちるほどショックなんだ……)

 そんなルベルは星辰は少し呆れた様に見つめていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ