6章 第11話 襲来
次回は7月24日投稿予定です。
星辰が地球に帰ってきて数日が流れた。
校舎の壊れた学校も、校舎の修理が完ぺきではないもののいつまでも休校にはできず授業を再開した。
星辰とルベルもまた授業の再開と同時に学校に登校する様になった。
二人ともテーゲ星に飛ばされる前と同じ様子で、状況を知らない人間からすると特に何か変わった様に見えなかった。
「学校のみんなも元気そうで良かったね」
その日、星辰とルベルは一緒に下校していた。
「まあな。学校の校舎が壊れる以外は、他のみんなは普通の日常だったんだ。むしろ学校が休みになって喜んでいる連中がいなかったか?」
「そうだね。ただ、もっと大騒ぎになってると思ったけど……」
「そこは月影さんたちがうまくやったんだろう」
「そうですね。私の転校も、すぐ対応してくださいましたし」
星辰とルベルの下校に、もう一人の一緒に帰路についている者がいた。長い髪の少女である。
「でも、ニーナがうちのクラスに転校してきたのは驚いたよね」
「最初はテーゲ星に帰るつもりだったのですが、頭領が星辰君についてやれと……」
「俺は全然かまわないがね。君ならなおさらさ。ふっ」
ルベルはニーナを見つめながら、かっこつけながらそう言った。
「あはは……」
ルベルのセリフに少し乾いた笑いをするニーナ。
「ルベルはいつも同じだなあ。まあクラスの男子も喜んでたけど……」
「しばらく地球にいます。改めてよろしくお願いしますね」
「ああ、よろしく。ずっとね……」
ルベルが格好つけた物言いのまま言った。
「うん。よろしく。でも、ニーナが来てくれたおかけかな? ソフィーさんたちが下校時について来なくなったみたいだけど……」
「皆さん、他にお仕事があるのでしょう」
「そうだね。正直、メイドさんに護衛されるは、みんなの手前恥ずかしい……。クラスの男子の中には、なんで今日はいないんだって言ってた子もいたけど」
(その気持ちだけは分かるな……)
ルベルはひそかに、その男子の気持ちに同意した。
「あと、失礼かも知れないけど、ニーナの髪の色が違うのはどうしたの?」
ニーナの髪は、青みがかった黒色になっていた。
「地球には青い髪の人間はいないらしいので、髪の毛の色を違和感ない色に変えているんです」
「変えている。染めているんじゃなくて?」
「銀河の技術で、髪の色を変えられるんだ。方法は色々あるがな」
ルベルがニーナに代わって説明した。
「染めずに髪の色を変更するなんて凄いね」
星辰は純粋に関している様だ。
(星辰君、思ったより大丈夫みたいですね)
星辰の様子を見たニーナが、ルベルに近寄り小声で話しかけた。
(表面上はな……)
(ルベル君は、星辰君の本心は違うと思ってる?)
(さてね)
(ふふ)
不意にニーナがほんの少しだけ笑った。
(何が可笑しいんだい?)
(だって、男は嫌いだとか言って、ちゃんとよく見てるなと思って)
(おい、気持ち悪いこと言わないでくれるか。俺はだな……)
(はい、はい)
(ち、アクイラじゃあないが、調子狂うな……)
さすがのルベルも、ニーナのペースにたじたじだ。
「ん? ねえ、あれ見て」
二人の前を歩いていた星辰が立ち止まり空に浮かぶ点を指さした。
「あれは……」
ニーナが星辰が指さした空の点を目を凝らす様に見ている。
「あれは、宇宙船かもな……。ああやって、ステルス機能を切って地球人をからかう奴がいるんだよな」
ニーナの横に来たルベルも目を凝らして点を確認している。
「ああ、UFOの動画とかネットにあがっている映像ですね」
「地球に来て、まだ数日だろうに良く知ってるな」
なぜか地球のUFO動画を知っているニーナにまた少し呆れるルベル
「しかし、良くあれが見えましたね。ここからだと砂粒くらいの大きさですよ?」
「うん。何か嫌な予感がして……」
「もしかして、あの宇宙船に悪意ある者が乗ってると?」
ニーナが事態を把握して様に顔色を変える。
「確証はないけど……。多分、そうだと思う」
「ちっ、洒落にならんな……」
「一度、紅鏡家に戻った方が良いようですね」
ニーナの言葉に星辰とルベルは頷き紅鏡家に向かって走り出した。
また、その頃の紅鏡家にて。
「おい、エバン!」
紅鏡家の庭園にいた月影をロカは慌てた様子で話かけた。
「ロカ。ルベル君から連絡がありましたか?」
「お前なんでそれを?」
「私からも星辰君から連絡がありましたから。空の宇宙船を見ろと。私も今確認したところです」
月影はそう言うと、空の砂粒を指さした。
「おい、あの動きは……」
「どうやら、あの宇宙船は地球を攻めて来たと認識すべき様ですね」
月影は冷静に、かつ苦々しい目で宇宙船を見つめていた。
ほんの少しだけ修正しました。基本の話は変わってません。




