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6章 第6話 生み出された超戦士

6月27日に投稿予定です。

 テーゲ星から地球に帰って来た星辰とルベルは精密検査を受けた。


「二人とも特に問題ありません」


「そうですか」

 地下の部屋にて、ソフィーから二人に検査結果の報告を受ける月影。


「ほんの数日で精神的にも成長した様に見受けられます。星辰様だけでなく、ルベル君も」


「テーゲ星での戦いが二人を成長させたのでしょう」


「そう、成長と言う事で報告することがあります……」


「なんでしょうか?」


「月影さんのおっしゃっていた様に、星辰様の身長が地球から消える前に測定した時から三センチほど伸びてます」


「ほんの数日で三センチほど伸びている?」


「はい」


「ふむ。成長期とは言え数日で三センチも伸びてますか……」

 月影はそう言って、少しだけ沈黙した。


「失礼しました。報告ありがとうございます」 

 月影は沈黙の後、ソフィーに礼を言った。


「いえ、では……」

 ソフィーも頭をさげる。


「失礼する前に、もう一つ。星辰様がお話したいとのことです」

 ソフィーは頭を上げると月影につげた。


「承知しました。では、星辰君の部屋まで参りましょう」


「いえ、連絡もらえればこちらへ参るとのことです」


「……。では、星辰君への連絡よろしくお願いいたします」


「はい」

 ソフィーはそう言って、再度頭を下げ部屋を出て行った。

 その頃。

 別室にて、ルベルは父親のロカに会っていた。


「星辰君のことを聞きたい?」

 ルベルの申し出にロカは意外そうな声で答えた。


「はい。星辰から許可は得ています」


「……」

 ルベルのいつにない真剣な面持ちにしばらく沈黙するロカ。


「デリケートな問題なのは承知ですが、もう僕も部外者じゃありません」


(ドロースとやらにある程度の話を聞かされている様だし、聞いている中途半端な情報だけだと心の中で処理できないこともあるかも知れんか……)

 ルベルの顔を見ながらロカは考えた。


「ふう」

 ロカが大きくため息をつく。


「……分かった。星辰君の許可も貰っているなら良いだろう」


「では……」


「ああ、俺が知っていることは聞かせてやる。だが、良いのか?」


「何がです?」


「聞けば後戻りできんかも知れんぞ? 連邦警察の汚い部分も聞くことになる」


「すでに聞き及んでいます」


「お前が思っている以上かも知れん」


「覚悟しているつもりです」


「そうか」


(思ったより成長した様だ。ユーラーの言う通り、俺達は過保護だったのかもしれん)

 ルベルの成長にロカは心の中で微笑んた。


「分かった。話をしよう。俺が知っている限りの話だがな……」


「……」

 ロカの言葉に顔が若干緊張を帯びるのをルベル自身感じていた。

 ルベルがロカに話を聞こうとしているその頃、月影のいる部屋に星辰が訪れていた。


「星辰君……。君の方から来ていただくとは恐縮です」

 部屋に入って来た星辰を月影は見つめた。


「ううん」


「呼んでいただければ、赴きましたが……」


「大丈夫だよ。なんとなく、この部屋に来たかったから……」

 星辰にはどことなく、いつもの元気がなかった。


「……」


「それでさ、僕の事なんだけど……」


「……。アルゴルの構成員のドロースから話を聞いたとか?」


「うん。ただ、ドロースも全部は知らなかったみたいだけど……」


「そう……でしょうね」


「それで、ユーラーさんに聞こうかと思ったんだけど、やっぱり先生が一番知っていると思って……」


「ユーラーからは事情は聞かなかった?」


「うん」


「あなたのおっしゃる通り、おそらく私が一番事情を知っているでしょうね」


「……」

 黙って月影を見る星辰。


「ここに至っては致し方ありません。本当は君がもう少し大人になるまで待ちたかったのが本音ですが……」


「やっぱりそうだったんだね……」


「今まで黙っていて申し訳ございません」


「ううん」


「君の両親が宇宙人であることはすでに話しました」


「うん」


「宇宙の犯罪者に追われて地球に来たことも……」


「うん。それも前に聞いた……。でも、ドロースは銀河連邦警察にも追われていると言ってたけど……」


「その通りです」


「どうしてそんなことに……」


「君のお父さんは優秀な警察官でありました。強さにおいては連邦警察最強かも。だが強すぎた」


「……」

 星辰は黙って月影の話を聞いた。


「犯罪組織奪われたアルブスAIのファミリアを破壊した後も、ティグリス警視は休む暇もなく犯罪者との戦いに駆り出されました」

 月影は息継ぎをすると、話を進めた。


「しかし、人間である以上限界があります。だが、休息暇もなかった」


「それはどうして?」


「銀河連邦警察はあなたの母であるアリアさんを軟禁していたからです」


「軟禁!? なんでそんなことを?」


「アリアさんが、新しいアルプスAIのファミリアの製作を拒否したため。それと、ティグリス警視を常に戦いに駆り出すための人質です」


「母さんが人質……」


「ティグリス警視には人質など必要なかった。あの方は常に弱い者の味方でした。そんな時、銀河連邦警察はお二人に知らぬ間に一つの実験を行いました」


「それが……」


「そう、ティグリス警視とアリアさんの二人の遺伝子を組み合わせたデザイナーベビーを生み出す実験です。二人の許可もえず、銀河連邦警察はこの実験に着手した……」


「ルベルが言っていた、遺伝子を操作することは銀河でも禁止されていると……」


「そうです。病気の原因を取り除く等のやむを得ない事例を除いては、遺伝子の操作は基本は法で禁止されています。遺伝子を操作した人間を作り出すと、歴史的にも良くない結果になることが多い」


「だから、禁止されている?」


「そうです。しかし、銀河連邦警察はその実験に続けていた。秘密裡にドロースの様な人間を生み出していたんです。連邦警察の目的は、犯罪者よりも強い戦士を生み出す事……」


「……」

 星辰は真剣な面持ちで聞いている。


「ティグリス警視は屈強な戦士であり、アリアさんは天才的な科学者でした。ティグリス警視の身体能力、アリアさんの頭脳、そして、お二人両方の超能力を受け継ぐ超戦士を人工的に創ろうとした」

 そこで月影はそこで、一度言葉を止めた。


「人工的につくられた超戦士……」

 月影の言葉を聞いた星辰はそう言った後は黙ってしまった。

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