6章 第5話 約束
次回は6月24日(木)投稿予定です。
月影、ロカ、ユーラーが連絡を取り合って、指定されている個所へと降り立った。
各々が立ち上がる。
「ねえ、アクイラ」
アクイラは立ち上がると星辰に声を掛けられた。
「なんだよ?」
星辰の顔を見るアクイラ。胸が相変わらずざわめく。
「妹さんを助ける約束だけど……」
「そう言えば、そんなこと言ってたな」
「僕は約束を守る。だから……」
「星辰……」
「ごめん。そんな簡単じゃないってことは分かってる。でも……」
星辰がうつむく。
「わかったよ……」
「え?」
アクイラの言葉に星辰が顔をあげる。
「アタシとウルラの二人で無理でも、お前が加わるなら本当に助け出せそうだしな……」
「アクイラ……」
「だが、一緒にいれない……。クスカのクソ野郎がどんな事をコルムにするか分からないからな……」
そういうとアクイラはつらそうに下を向いた。
「アクイラ……」
ニーナがアクイラをつらそうに見た。ニーナにはアクイラの気持ちが少しだけ分かる。アクイラは星辰と別れたくないのだ。だが、妹コルムのためにも今は一緒にはいれない。
「それがいいだろう」
ルベルが二人のそばに来て言った。
「ルベル」
アクイラがルベルの方を向く。
「そいつが敵側にいることによって、クスカの動きが敵内部から分かるかも知れない」
「アタシをクスカへのスパイにするってか?」
「お前の妹のためでもあるだろう?」
ルベルがアクイラを真面目の顔で見る。
「まあな」
「星辰。それで、いいな?」
ルベルが星辰を見る。
「うん」
「じゃあ、アタシはお前らとは別の出口から出るぜ。星辰のおつきの連中に会うと面倒そうだからな」
アクイラはそう言ってくるっと背を向けた。
「うん。またね。アクイラ」
星辰はそう言うとニカっと笑った。
「あ、ああ……」
アクイラは少し首を星辰の方に向けてうなずく。そして、そのまま宇宙船の裏の出口へと向かっていき出口の近くにあるボタンを押して出口を開けた。
「そうだ。星辰」
開いた出口を前に立ったアクイラは、星辰の方を向くと声を掛けて来た。
「なに?」
「ユーラーが星辰は星辰だって言ってたらしいな。アタシもそう思う。お前はお前だ。どんな生まれでもは関係ない」
「うん」
「少しくどかったか? 悪いな」
「う、ううん? ありがとう」
「いや……。じゃあな」
「うん。アクイラも元気で」
「……」
アクイラはもう振り返らず、そのまま出口から飛び立った。
「行っちゃった……」
アクイラを見送る星辰。
「おい、俺達も外に出るぞ。みんな待っている」
「うん」
ルベルに促されて星辰がうなずく。
「私も、しばらく地球にいます。よろしくお願いしますね」
「ああ、歓迎する」
ルベルが気障な顔でニーナを見つめ、そして、ニーナの前でかがんだ。エスコートする様に手を出す。
「あ、ありがとう……」
ルベルのエスコートに少し面食らいながらもルベルの手を取るニーナ。
二人は宇宙船の出口へと歩いて行く。
「また、これだ……。まあ、女の子を大事にする面は見習った方がいいかな?」
ルベルの様子を見た星辰は、呆れながらも二人の後をついて出口へと向かっていった。
宇宙船を出ると、月影の他、ロカ、星辰の護衛メイドたち四人も揃っており、星辰達の姿を見ると歓声を上げ星辰達に駆け寄ってきた。
「星辰君。よくぞ無事で」
星辰の元に駆け寄ってきた、月影が星辰に呼びかけた。
「へへ、先生。ただいま。何とか帰れたよ」
月影を見た星辰はホッとした様にはにかんだ。
「ふむ。星辰君、成長した様ですね」
星辰の顔みた月影が感心した様に言った。
「え、そうかな? 背のびてる?」
「あ、ああ? そう言う意味ではなく……。いや、でも背もこの数日で伸びました?」
「そう? 自分じゃ分からないけど……」
「この数日で、背だけでなく戦士として成長した様ですね」
「うん。そうかも……」
「ともかく、紅鏡家に帰りましょう」
「はい」
「ソフィーさん」
月影が傍に控えていたソフィーを呼ぶ。ソフィーは黙って月影の傍へと寄って来た。
「星辰君をお願いします」
「承知しました。さあ、星辰様こちらへ」
ソフィーは月影に対してカーテシーを行うと、星辰を見て用意してある車へと促した。
「うん。ありがとう」
ソフィーに礼を言うと、星辰はソフィーと共に車へと歩く。
見るとルベルとニーナにも、それぞれ桜とシルビアがついている。二人にも車が用意されている様で、そちらに向かってそれぞれ歩いている。
(よくぞ、無事に……)
星辰の背中を見ながら月影が、その無事を心の中で喜ぶ。
「おい、エバン」
「ロカ」
ロカが月影に近づいてきた。呼ばれた月影がロカの方を向く。
「二人とも良く無事に帰ってきてくれたな」
「そうですね」
「さっき話してみたが、ルベルもなかなか成長したみたいだ。精神的にもな」
「戦いが星辰達を成長させたみたいですね」
「全くだ。。ひやひやしたが、まずはユーラーに感謝だな」
「本当に……。ですが……」
「そうだな……。どうやら星辰君やルベルに事情を知られてしまったらしいからな」
「はい、思ったより早く星辰君に話をしなくてはならない様です……」
月影はそう言うと、少しだけ悲しそうな顔をした。
「うむ……」
ロカも同じ様な複雑な顔している。
宇宙船の降りた大地は、日が暮れようとしていた。
相変わらず冗長になってきた。スミマセン……




