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5章 第14話 決着の時

次の投稿は6月10日になります。

「なんて頑固な奴だ! 本当に不愉快なガキだよ!」


「それはお互い様だ。レグルス反撃するぞ!」

 

「ふん、お前のファミリアはマーテリアの能力で動けない。それでどう戦うって言うんだ!」

 ドロースの言う通り、レグルスは固まったスライムによって動けない。


「行ける! レグルスなら」


「ふん。無駄なことを……。!?」

 ドロースは吐き捨てる様に言ったが、レグルスの様子がおかしい。

 胸になにがしかの文字が浮かんでいる。


「あれって?」

 ニーナがレグルスの様子に唖然としている。


「あの文字は『信念』?」

 ルベルが文字を読んだ。確かに信念の文字が浮かんでいる。

 そして、『信念』の文字が消えると別の文字が浮かんできた。


「あの文字は『正義』だったか?」

 アクイラが、その文字を読んだ。


「信念だ? 正義だ? その『信念』も『正義』も造られたものなんだよ!」


「たとえ、そうでも僕は自分の『信念』や『正義』は曲げない!」


「綺麗ごとばかり、不愉快なガキだ!」


「不愉快なのは僕も同じだ!」


「減らず口を!?」

 そうこうしているうちにレグルスが硬質化したスライムから脱出した。硬質化したスライムがレグルスの体からパラパラと崩れ落ちていく。

 

「ちいっ! ここまでとは」

 ドロースが口惜しい様に言った。

 次に星辰は、再度サイコキネシスでアクイラ達三人のまとわりついたスライムを吹き飛ばした。


「ニーナ。二人を治癒してくれ!」


「う、うん」

 星辰の指示にニーナはうなずき、まず位置的に近いアクイラの元に駆けた。


(この小僧、サイコキネシスもさっきより強力になっている?)


「そのファミリアのスライムみたいのは、もう通じないぞ」


「この……。まだ、戦いようはあるんだよ! マーテリア!」


「イエス。マスター」

 マーテリアの右腕と左腕にスライムがまとわりつき剣と盾となった。


「マーテリアは近接戦闘も可能だ!」


「本気って訳だな。受けてたつ。レグルス。モードチェンジ」

 レグルスの胸に『勇気』『+』『正義』『=』の文字が浮かんで消え。最後に『勇者』の文字が浮かんだ。


「モードチェンジ『勇者』モード!」


「新しいモードってこと?」

 ニーナが驚いた様につぶやく。


「星辰のやつ、もはやなんでもありだな……」

 アクイラもルベルじゃないが呆れた様につぶやく。


(銀河連邦警察が、その様に『なんでもあり』に造ったと言うべきか……)

 ルベルは星辰が見て銀河連邦警察の行ったことに、少し不快そうな顔をした。


「勇者モードが何だって言うんだよ! マーテリア、そのファミリアを半壊にしろ!」


「イエス。マスター」

 マーテリアが右腕の剣を振りかぶりレグルスに襲い掛かる。


「レグルス、剣を!」

 レグルスが、左腕から剣の柄を取り出す。それを引き抜くと柄から刃が現れて剣となった。マーテリアの剣を、その剣で受け止める。


「ぐうう!」

 レグルスとマーテリアの鍔迫り合いは続く。


「レグルス!」

 レグルスは一歩下がるとマーテリアに斬りかかった。


「マーテリア!」

 レグルスとマーテリアの互いの剣と剣がぶつかり合う。


「アタシはもう大丈夫だ。ルベルのところへ行ってくれ」


「うん。分かった」

 アクイラに言われ、ニーナはルベルのもとに向かった。


「アルタイル。星辰とレグルスを援護しろ!」


「イエス。マスター」

 アルタイルがいくつもの炎をつくって、マーテリアに発射した。


「ふん」

 だが、その炎はマーテリアが作ったスライムに取り込まれた。


「下っ端が。邪魔だよ」


(ちっ。思った以上にやっかいな能力だ……。だけど……)

 アクイラが舌打ちする。


「アルタイル! 攻撃し続けろ!」


「イエス。マスター」

 アルタイルが炎の弾をマーテリアに撃ち続ける。


「ち、うっとうしい……。うん?」

 星辰たちがいるフロアが急に霧に包まれる。


「シャボンミスト……」

 その霧はデネブがつくりだした霧だった。部屋の中なのに霧が立ち込め、ほんの先の目の前すら見えなくなる。


「なんだ? 霧? こんなもの、お前たちだって視界が遮られるだろう? だが、ここはマーテリアを戻すか……」

 ドロースはマーテリアを自分のそばに戻した。

 マーテリアがドロースの元に戻った瞬間。レグルスが霧の中から現れた。


(!? なるほど。くだらないが、これが狙いって訳だ。だが、見えない中近づいてくれて好都合)


「マーテリア!」


「イエス。マスター」

 マーテリアがレグルスを斬りつける。


「とった!」

 マーテリアの右腕の剣がレグルスをとらえた。


「うん?これは……」

 だが、手ごたえがない。


「シャボンミラージュ……。幻覚だよ」

 どこからかルベルの声が聞こえる。


「いけ、レグルス!」

 星辰の声が聞こえる。


「ちい、声でわかるんだよ!」

 ドロースが星辰の声がする方向をむいた。マーテリアも方向転換する。


「遅い!」


「な、なんだと!」

 ドロースが気が付いた時には、もう遅くマーテリアはレグルスの剣で真っ二つにされた。


「これが、レグルスの勇者モードだ」

 その瞬間、レグルスは光の様な速さで動きマーテリアを切った。


「申し訳アリマセン。マスタ……」

 マーテリアは機能を停止した。


「こ、これは……」

 ドロースが動揺する。

 さらに霧の中からアクイラがドロースの目のまえに現れた。


「お前!」

 ドロースが気が付いた瞬間にはドロースはアクイラに殴られ吹っ飛ばされた。


「ぐ、ぐうう」

 アクイラに殴られたドロースが上半身だけを起こした。


「……」

 アクイラはどことなく満足げだ。霧も晴れていく。


「アクイラ」


「悪いな星辰、最後を持って行っちまって」


「いや……」

 星辰が、ドロースに近づく。


「ドロース、お前を逮捕する」

 そう言うと星辰はドロースに手錠をかけた。


「銀河連邦警察制の手錠だ。お前でも、そう簡単に外せんぞ。って、さすがに愚問か…」

 ルベルも近づいてきて、ドロースに言った。


「みんな、やりましたね」

 ニーナも三人に近づいてきて言った。


「こ、この私が逮捕されるだと……」

 ドロースは唖然として、星辰達を見上げた。

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