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5章 第12話 出生の秘密

次回は6月3日投稿予定です。

「マーテリア! こいつらを全てのみこめ」


「イエス。マスター」


「全員。ファミリアに飛び乗れ!」

 ルベルの声に反応した全員が自分のファミリアに乗る。


「グラキエース。このスライム状の物体を凍らせて!」


「デネブ。シャボン玉でこれを破壊しろ」


「アルタイル。エクスプロージョン!」


「イエス。マスター」

 三人のファミリアがそれぞれの主人の命令受ける。

 グラキエースは、スライムを凍らせ、デネブとアルタイルは爆発を起こしてスライムと飛び散らした。それにより、確かにドロースのファミリアの生み出したスライムは量を減らしていく。

 しかし、圧倒的な物量で押し切られる。


「全員、次はサイコキネシスで飛び散らすんだ!」

 アクイラが叫ぶ。


「無駄無駄。 ん?」

 余裕のドロースの前にレグルスがスライムにまみれながら突撃してくる。形状は熱血モードだった。


「レグルス! そのファミリアを破壊しろ!」


「狙いはマーテリアか! だが、甘い。そのファミリアについているスライムを硬質化しろ」


「イエス。マスター」

 レグルスの体についているスライムが硬くなる。


「な! レグルス!」

 あと少しで、レグルスの持っている刃がマーテリアに届く寸前でレグルスの動きは止まった。


「マーテリアのスライムは硬くさせることができるのさ。ファミリアでも動けまい」


「……」

 ドロースがレグルスに近づいてくる。その様子を星辰はにらみつけた。


「さすがに少し焦ったよ。だが、坊や後ろを見てみな」


「みんな!」

 星辰が振り返ると三人と三人のファミリアがスライムに捕えられていた。


「現実はこうだ。犯罪者に屈して残念だったな」


「く」


「動くな! このスライムに取り込んで、後ろの連中を窒息死させる」


「……」


「他の三人がスライムを散らして、残った坊やののファミリアでマーテリアの破壊を試みる……。あの一瞬で、よくもこの連携が取れた。」


(あのファミリアの能力、屋外より屋内の方が威力を発揮する。塔まで攻めさせたのは、機をみて深紅の秩序を一網打尽にするためか)

 ルベルの背筋が凍る。


「ちくしょう。あの女の手の平の上かよ」

 アクイラもまたルベルと同じことを考えている様だった。


「星辰、アタシ達にかまうな。レグルスでそのファミリアを破壊しろ。どうせお前以外は殺すつもりだ!」


「アクイラ……」

 星辰がアクイラを少し悲しそうな顔で見る。


「無駄だよ。このファミリアのパワーでも、硬質化したこのスライムは破壊できない」

 ドロースは微笑を浮かべている。


「それに、この坊やはお前らを見捨てる事は出来ないんじゃないか?」


(見捨ていることができない……。ラートルと言う女も、星辰をそう評していたが……)

 ルベルはラートルの言葉を思い出していた。


「いいことを思いついた。暇つぶしついでに、少し雑談でもしようか?」


「雑談?」


「そうだ、話題は坊やの出生の秘密って言うはどうだ?」

 そう言うとドロースは星辰に背を向けマーテリアの方へ歩いていく。そして、マーテリアが作成した椅子に座った。


「何を言って……」


「知りたくないか? 自分の出生の秘密とやらを」


「それは僕の両親は昔、宇宙犯罪者に追われて地球に来たって……」


「どうやら、そこまでしか聞いて無い様だな。確かに、それは嘘じゃなない。だが、話はまだある。この話を聞けば、坊やの気も変わるかも知れない」


「おい星辰、耳を貸すな! そいつをぶちのめせ!」

 アクイラが叫ぶ。


「ふ」

 ドロースが右手を上げる。


「う、うぐ」

 アクイラの口と鼻をスライムが覆う。アクイラが手でスライムを剥ごうとするが液状のスライムを手で取り払う事ができない。


「やめろ!」

 星辰が叫ぶ。


「黙って聞いているんだ。少しばかり生きていられるんだからな」

 ドロースが右手を下げると、アクイラの口と鼻を覆っていたスライムが消えていった。


「僕の出生の秘密って、いったいどんな話なんだ?」


「そうそう、話はちゃんと最後まで聞くものだ。興味はあるだろう?」


「……」


「お前の両親が地球に逃げた理由だが、宇宙犯罪者の他にまだいたんだよ」


「僕の両親を追跡するものが、宇宙犯罪者以外にまだいた?」


「銀河連邦警察さ」


「!? なんで、警察が僕の両親を追うんだ?」


「警察に愛想つかして出奔したんだ。それを追跡したのさ」


「出奔? 辞めたのではなく? それは、どういう……」

 話を聞いて星辰は困惑してきた。


「お前の母親のアリアは三機目のアルブスAIのファミリアを作成することを拒否したため銀河連邦警察に軟禁された」


「軟禁?」


「夫のティグルスは人質を取られたようなものだろう。随分とこき使われた様だ。だが、それでも警察を出奔するまでに至っていない。きっかけがあったのだ」


「きっかけ?」


「銀河連邦警察は二人にすら秘密に一つの実験を行い始めた」


「……」


「実験とは、二人の遺伝子を組み合わせたデザイナーベイビーを生み出す実験だ。試験管ベビーとか言った方が分かりやすいか?」


「な!?」


「デザイナーベイビーだと? 病気の原因を取り除く等のやむを得ない事情を除いて、銀河連邦の法律では遺伝子を操作することは禁止されているはずだ」

 ルベルが、話に加わってくる。


「権力を持っている者は、下には禁止させて自分たちは影でやっているものだよ」


「法で禁止している禁忌の実験を警察がやっているだと?」

 ルベルは少なからずショックを受けている様だった。


「そうだ」


「僕が、父さん、母さんの遺伝子を組み合わせた実験体?」


「そう。二人は銀河連邦警察が禁止している実験に手を染めていることを知って、警察組織を出奔した様だね。その実験体をも研究施設から奪って」


「だから、銀河連邦警察は僕の両親を追っていた」


「利用価値はかなり高い二人だが、色々知りすぎているのがネックだ。警察上層部は殺すことに決めたんだろうね。それに実験体の件は外部に漏れると世間体が悪い」


「あなたはなんで、そこまで情報を知っているの?」

 ここはニーナがドロースに聞いた。


「私たちにも、銀河連邦警察の知り合いがいるし、そこにいるアクイラお嬢ちゃんの妹の能力も使えるしね。姉を殺すと言うと、快く強力してくれるらしいよ」

 ドロースはアクイラに悪意ある微笑みを送った。


「このクソアマ……」

 アクイラはドロースを鬼の形相でにらむ。


「坊やが実験体なのか、それともティグリスとアリア二人の本当の子かどうかは確定的な情報は知らない。私も最初見た時こんな小さい子供が、かのティグリスとアリアの両方を持った遺伝子だとは信じられなかったね」

 ドロースは少し間を開けると話を続けた。


「最初見た時はこいつは実験体ではなく、ティグリスがアリアに地球産ませた子供かと思ったが……。だが、実際会ってみると坊やがデザイナーベイビーの可能性も十分ありそうだ」


「なんで、星辰がデザイナーベイビーだと思うんだ?」

 次はルベルがドロースに聞く。


「まあ強いて言うなら、性格かな」


「性格? 性格だと? まさか……」

 ルベルが少しだけ顔を歪ませた。


「そう、その実験体は性格が書き換えられている」

 ドロースはそう言うとニヤリと笑った。

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