5章 第7話 古強者の戦士
次回は5月22日投稿予定です。
「ああああ!!!!」
地面へと落ちていくアピス。
「自慢の羽がなければ、さすがのアンタも空は飛べないだろう?」
「く、くっそおーーー!」
地面が近づいてくる。その恐怖にアピスは目を閉じた。
「これは……」
アピスはニーナのサイコキネシスによって地面への激突は免れることが出来た。
「アルタイル、エクスプロージョンで、そのファミリアを破壊しろ」
「イエス。マスター」
アルタイルは巨大な炎を作り出し、それアピスのファミリア・ラピドゥスにぶつけた。巨大な爆破音と共にラピドゥスは爆破された。
それを見届けるとアクイラは地面に降りて来た。
「なぜ私を助ける?」
アピスは体を起こすとニーナに聞いた。
「アクイラに頼まれましたから」
「こう見えても義賊で通ってるからな」
「……甘いね」
「ほっとけ」
アピスの言葉にアクイラはにべもない。
「でもよ、頼んでおいてなんだけどよ。ニーナはこれで良かったのか? アルゴルは家族の敵なんだろう?」
「構いません。本当の敵はあの塔にいますから」
「ならいいけどよ……」
ニーナの話を聞いたアクイラは再度アピスを見る。
「それとアンタは拘束はさせてもらうからな? ユーラーの部下がそのうち来るだろう。そいつらに引き渡す」
「……油断したね。好きにしなよ……」
アピスは観念したようにアクイラに答えた。
「アクイラ。傷を見せて。ヒーリングで治癒するから」
ニーナがアクイラに近づいてきた。
「……」
アクイラニーナに話かけられたことに考え事をして、気づかなかった。
「アクイラ」
「ん? ああ、ニーナ。どうした?」
ニーナに再度、話しかけられてやっとアクイラはニーナを見た。
「さっきの戦闘での傷を見せて。治すから」
「あ? ああ。そうだな。頼む」
アピスに殴られた傷というより痣がひどいことに、アクイラは今きがついた。
ニーナはアクイラにヒーリングを使用してアクイラの痣を治癒し始めた。
「……。星辰君が気になる?」
アクイラにヒーリングをかけながらニーナはふいにアクイラに聞いた。
「え、なんで?」
「分かるかって? それぐらい見てれば分かるよ?」
「ま、まあ、星辰はアタシのターゲットだからな」
「ふふ」
「なにが、可笑しいんだよ?」
「本当にそうかな?」
ニーナが少し意地悪そうにアクイラの顔を見た。
「そうだよ」
「そう言うことにしてあげる」
「なんだよ? 別の理由がみたいな言い方だな?」
「そうじゃないの?」
「お前、何を言って……。ニーナが考えてる様な事はないからな」
「私は具体的に『何が』とは言ってないけど?」
「ちっ、意外に嫌な奴だな。ふん」
アクイラは少し拗ねた様に横を向いた。
「はいはい」
ニーナは拗ねるアクイラをいなす。
「たくっ……」
アクイラはニーナを見ながらやれやれと言わんばかりに少しため息をついた。
(星辰……)
ニーナのヒーリングを受けながらアクイラは空を見上げた。
ルベルとセルペンス、アクイラ&ニーナとアピスの戦いと同じ時。
残った星辰もシルウァーと相対していた。
小柄な星辰と巨大なサイボーグであるシルウァーが対峙すると、子供と巨人ほどの体格差があった。
「星辰と言ったな。そのファミリアで攻撃してこい」
「なんだと?」
シルウァーの申し出に少し面食らう星辰。
「お前の様な小僧をひねっても面白くない。この戦場に出てきたのは、噂のアルブスAIのファミリアを戦うためだ」
「ファミリアと戦う? お前自身がか?」
「そうだ。戦いこそ、俺の生きがいだからな。人間だろうと、機械だろうと関係ない」
「……そうか。 その前に一つ聞いてもいいか?」
「なんだ?」
「なんで、アルゴルやドロースに手を貸すんだ?」
「俺達は傭兵で、ただ雇われているだけだ。アルゴルやドロースは、たまたま雇い主なだけだ」
「アルゴルが悪いことをしているのに?」
「そんなことはどうでも良い。傭兵に正義や信条があると思うか? 強いて言えば俺は戦えればそれで十分だ」
「……分かった」
「何がだ?」
「アルゴルの犯罪に加担するお前を逮捕する!」
「そうか。銀河連邦の警察官だったな」
「そうだ」
「面白い。やってみろ」
「言ったな。行け、レグルス!」
レグルスが吼えるとシルウァーに襲い掛かった。
「ふん!」
襲い掛かるレグルスをシルウァーは量の腕で受け止めレグルスを締め上げる。
「なんだと。く、レグルス、人型にチェンジしろ」
レグルスが獣型から人型へと変形した。
シルウァーの締め付けをほどいて、距離を取る。
「パンチだ! レグルス」
人型のレグルスがシルウァーの胸のあたりを殴る。硬い金属を叩いた音が響いた。
「非力だな。少し拍子抜けしたが……」
(レグルスの攻撃が効いていない?)
シルウァーのボディの装甲にはレグルスのパンチが効いていない様だった。
「だったら……」
星辰が両手を広げる。すると星辰の周りに複数の鉄骨が出現した。
「出来た!」
「アポーツか」
「行け!」
星辰が右手でシルウァーを指さした。星辰が呼び出した複数の鉄骨がシルウァーに向かっていく。
鉄骨が次々とシルウァーに激突していく。激突するたびに大きな金属音が再度あたりに鳴り響いた。
「なるほど、大した超能力だ。確かにお前はただの小僧ではないな」
シルウァーが感心した様に言った。そこには、余裕がある。
(これも効いてない? なんて装甲だ)
シルウァーの装甲の硬さに星辰は驚愕した。
「終わりか?」
「まだだ! レグルス。モードチェンジ。熱血モード」
レグルスが熱血モードへと変身する。
「報告にあった。モードチェンジか? ふっ。次から次へと楽しませてくれる」
シルウァーがにやりと笑う。
「これで勝負だ。シルウァー!」
「ふ、そうこなくてはな」
「やるぞ、レグルス。次こそあいつをやっつける!」
レグルスは、再びシルウァーへと襲い掛かかる。




