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2章 第5話 二人の妹

「見当がついてる?」

 星辰が聞く。


「はい。と言ってもあくまで推測なのですが……」

 月影が話を始める。


「うん」

 星辰がうなずく。


 その頃。

 アクイラとウルラは自身の乗っている宇宙船の中にいた。


「コルム、元気だったか?」

 その宇宙船の内部のモニターに、一人の少女が映しだされている。年齢は九、十歳くらいか。

 モニターの少女に向かってアクイラが聞いた。


「私の方は元気だよ。お姉ちゃんたち」

 アクイラにコルムと呼ばれた少女が、アクイラとウルラに向かって少し微笑みながら言った。


「そうか。それなら良いんだ……」

 アクイラが少しほっとした様に答えた。


「でも、ごめんなさい。私のせいで……」

 そう言うと少女は悲しげにうつむいた。


「おまえは、そんなこと気にしなくて良い」

 ウルラがコルムに言った。


「でも……」

 コルムはまだ申し訳なさそうだ。


「そうだ。全部、あたしらにまかせときな」

 アクイラが胸を張って言った。


「うん……」

 コルムは顔はまだ浮かない。


「ああと、あいつらには大事にされてる?乱暴なこととかされてない?」

 今度はウルラがコルム聞いた。


「それは大丈夫。お薬ももらえているし体調は本当にいいの」

 コルムはそう言って、少し微笑んだ。


「そうか……それなら良いんだ」

 アクイラが少しだけほっとした様に言った。


「うん。だから本当に元気だよ」

 そう言うとコルムはにっこりと笑う。

 だが、次の瞬間には映像が切れ、別の人物が画面に映った。

 画面には男女一人づつ、二人の人物が映っている。

 男が正面に座っていて、女の方が男の横に立っている。


「もう、これくらいよかろう」

 画面の男が言った。


「そう長すぎる。あくびがでる」

 今度は画面の女の方が言う。


「クスカとドロース……」

 ウルラが画面をにらみつけるように言う。


「まだ話は終わってなかっただろうが」

 アクイラが怒りを我慢する様に言った。


「もういいだろう。本人が元気だと言っているんだ」

 男の方が言った。


「この野郎!」

 アクイラがさらに怒気をこめて言った。


「姉さま。ここはこらえて、クスカを怒らせると……」

 ウルラがアクイラを抑えた。


「わかってるよ……」

 ウルラにさとされてアクイラも冷静になった。


「そうそう、そうやって大人しくしているものだ」

 次に女の方が言った。


(ドロース。この性悪女が。こいつも気に入らねえ)

 アクイラがしゃべった女をねめつける。


「そうそう。コルムはちゃんと我が組織で大事に保護している。病気の彼女を安静にして薬も与えて、かなり人道的に扱っているのだよ」

 クスカはそう言うとにやりと笑った。


「ちっ。で、何の用だ?」

 アクイラが吐き捨てる様に言った。


「用など、一つしかないが」

 ドロースが言う。


「そう、例の少年とファミリアはいつ手に入る?」

 クスカがアクイラ達に聞いた。


「あんなチビとファミリア、すぐにでもさらってきてやるよ」

 ウルラが少し声を荒げる様に言う。


「頼もしいな。だが、今回は失敗したではないか?」


「今回は様子見だ。心配するんじゃねえ。大体、あの雑魚どもはなんだ?」

 アクイラが逆に聞いた。


「ああ、あれかね。君の言う様子見だよ。例の少年とファミリアの実力を知るためのね。あんな連中でも多少は情報収集の役にはたった」

 あの宇宙人が捕まえれるとは思ってなかったらしい。


「ふん、そうかい。だが、これからは邪魔だからいらないね」


「そうかね。邪魔だったかな?まあ、今回は彼らのせいで失敗したことにしておこう。もう雑魚には頼むまい」

 クスカが、またいやらしい笑みを浮かべる。


「ふん」

 アクイラはクスカを心底嫌っているらしく、そう言うと顔をそむけた。


「では、次は期待している」

 クスカが尊大に言うと画面が切れた。


 画面が消えた後、アクイラとウルラは二人で話をしていた。

「ちっ、相変わらずむかつく野郎だ。ただ単に辺境のこの星に出向くのが面倒なだけだろうが」

 アクイラがまた吐き捨てる様に言葉をはいた。


「姉さま。コルムがむこうにいる以上は……」


「分かってる」


「でも、以外に体調は良さそうだったね」


「コルムの能力は奴らにとっても利用価値がある。それがある限り、丁重には扱われるだろうよ」


「わたしたちと旅していた時より元気になってるか……」


「癪だが、今のことろはな……」


「でも、私たちが手間取ったらコルムも何をされるか……」


「言うな」

 ウルラがしゃべっている途中でアクイラが遮った。


「だが一戦交えて肌感覚で分かった。星辰とレグルスはコルムの才能より希少価値がある」


「うん。あの坊やとファミリアを捕まえることができれば……」

 アクイラの言葉にウルラがうなずく。


「あいつらとコルムの交換をクスカが応じる可能性は十分ありそうだ。コルムの能力の希少性を考えて、最初は星辰とレグルスだけ奪われて上にコルムも返してもらえない可能性も考えたけどな……」


「……とにかく坊やとファミリアを捕まえないと」


「ああ」

 アクイラがウルラの言葉に同意する様にうなずいた。


(人さらいなんて、本当は気がすすまねえがコルムのためだ……恨みはねえが、次は覚悟してもらうぜ星辰)


 画像が切れた後クスカとドロースも部屋で二人少し喋っていた。

「なぜ、あんな小娘どもに頼むのだ?」

 ドロースがクスカに聞いた。


「そういう君はあのへんぴな星に行きたいかね?」


「まさか、あんな遠いところ」


「そうだろう。能力が覚醒しきっていない小僧とファミリアなど、あの程度の小娘どもで十分だ。それに別の手もうってある。むしろそちらが本命だがね」


「ん?ああ、小娘どもが失敗したらそれを理由にコルムを返さないつもりと言うことか?」

 ドロースが少し感心した様に言う。


「そういことだ。彼女の千里眼の能力は宇宙でも希少だ。それは我々にとっても価値があるからね」


「だが、小娘どもがうまい事捕まえてきたらどうする?」


「その時は、ちゃんと交渉に応じて人質交換に応じるさ。私は約束は守る男だよ」

 クスカはそう言うとまたククッいやらしく笑った。


「ふん、本当かねぇ?」

 ドロースもそう言うと少し微笑んだ。美人と言っていいが、嫌な笑みだ。


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